【完結】転生したらヒロインでも悪役令嬢でもなく世界征服してる龍神の後継者だったのでこの世界の常識をぶっ壊してみようと思います!

Ask

文字の大きさ
上 下
129 / 270
第6章 変化と成長と新たな旅

側近は次期龍神に相談する

しおりを挟む
 




 「ふんふんふ~ん♪」



 アルティアは川に足をつけながら上機嫌に鼻歌を歌っていた。


 なんたって今日はダンスも剣術も礼儀作法も練習しなくていいからだ!つまり完全休日!いやー、幸せだ。毎日休みであればいいのに。



 ダンスをすればラフェエルの鬼畜コーチに苦しめられ、剣術をすればラフェエルにボコボコにやられ、礼儀作法をやれば容赦なく罰を落とされ……………………………つまり何が言いたいかと言うとラフェエルはスパルタ過ぎるんだ。



 もっとこうさ、褒めるとか甘やかすとかあるじゃない?馬車じゃなく慣れない乗馬までやってるんだよ?それなのに!一切手抜き無し!私は貴族の令嬢でもお姫様でもないんだからそんなの全部いらないじゃない!剣術だってラフェエルには敵わないけど、ダーインスレイヴがいれば大抵は上手くいくし!




 というか、私は龍神よ?神よ?もうちょっとこうさ、敬うとかないわけ?……………ないですねえ、もう1年経ったけどそういう性格ではないのが嫌でもわかっちゃうというか。



 「あー!イライラしてきた!暑い!

 ドゥルグレ、太陽の温度低くして」



『それはできねえって言ってんだろ!?』



 名前を出しただけでパッ、と現れたのは太陽神・ドゥルグレ。オレンジ色の刈り上げ、ピアスジャラジャラの福耳、そして4本の腕…………まあ、イケイケ☆俺様系神だ。



 「まあ、私の奴隷だけどね」



『んだとこら!今日という今日は………………っぐぅ!』




 飛びかかろうとするドゥルグレは地面に叩きつけられた。…………『呪術・私の所有物』の効果だ。




 「本当に学習能力がないわねー。アンタ、それでも神?」


『くっそが………………!早くこの呪いだかを解け!』


 「いやよ、便利だもの。ほら早く太陽の気温を落としてよ」



『巫山戯んな!そんなことしたら自然が壊れるだろ!?』



 「あらやだ、神らしいことも言えるのね。てっきり脳筋なんだと思ってたわ」



『なんだと…………っぐぁあ!!!』


  またまた頭を抱えて悶える太陽神。本当に見てて飽きないわね。珍獣だわ。



 「____アルティア様」



 「ん?」


 けらけらと笑っていたら後ろから声をかけられた。茶髪オールバック茶瞳のラフェエル側近・リーブだ。


 「どうしたの?もう出立?早くない?」



 「いいえ。そうではなく………………恐れながら、相談したいことがございまして」


 「相談?」


 珍しい。リーブに何かを命令したりすることはあるけど、自分の意思ある?ロボットじゃない?ってくらい言われたことしかしないリーブが。丁度暇でドゥルグレをからかっていた所だし、たまには側近孝行しますか。






 「いいわよ。どうしたの?」




 「その、…………私に、魔法を御教授してほしいのです」



 「へ?魔法?なんでまた。リーブは殆どの魔法が使えるでしょう」



 リーブはとっても優秀だ。流石理不尽大魔王だけどハイスペック皇子・ラフェエルに仕えているだけで使えないわけがない。それなのに、リーブは眉を下げて自信なさげに言う。




 「私も、なにかしたいのです………………魔法剣を練習するクリスティド殿下や、幻獣を操るエリアス様のように……………


 ラフェエル様の手助けのできるような…………恐れながら、アルティア様のように魔法のエキスパートになりたいのです。


 無礼と恥を承知でお願いします、アルティア様」



 「う…………………」




 しゅん、として頭を下げる姿はさながら柴犬みたいだ。耳としっぽが見える。オールバックにしてるから勝手に男気溢れるタイプ!頭脳明晰タイプ!と思っていたけど、実際はワンコ系側近でした。










しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢?いま忙しいので後でやります

みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった! しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢? 私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。

私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした

さこの
恋愛
 幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。  誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。  数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。  お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。  片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。  お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……  っと言った感じのストーリーです。

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!

みん
恋愛
双子の姉として生まれたエヴィ。双子の妹のリンディは稀な光の魔力を持って生まれた為、体が病弱だった。両親からは愛されているとは思うものの、両親の関心はいつも妹に向いていた。 妹は、病弱だから─と思う日々が、5歳のとある日から日常が変わっていく事になる。 今迄関わる事のなかった異母姉。 「私が、お姉様を幸せにするわ!」 その思いで、エヴィが斜め上?な我儘令嬢として奮闘しているうちに、思惑とは違う流れに─そんなお話です。 最初の方はシリアスで、恋愛は後程になります。 ❋主人公以外の他視点の話もあります。 ❋独自の設定や、相変わらずのゆるふわ設定なので、ゆるーく読んでいただけると嬉しいです。ゆるーく読んで下さい(笑)。

1年後に離縁してほしいと言った旦那さまが離してくれません

水川サキ
恋愛
「僕には他に愛する人がいるんだ。だから、君を愛することはできない」 伯爵令嬢アリアは政略結婚で結ばれた侯爵に1年だけでいいから妻のふりをしてほしいと頼まれる。 そのあいだ、何でも好きなものを与えてくれるし、いくらでも贅沢していいと言う。 アリアは喜んでその条件を受け入れる。 たった1年だけど、美味しいものを食べて素敵なドレスや宝石を身につけて、いっぱい楽しいことしちゃおっ! などと気楽に考えていたのに、なぜか侯爵さまが夜の生活を求めてきて……。 いやいや、あなた私のこと好きじゃないですよね? ふりですよね? ふり!! なぜか侯爵さまが離してくれません。 ※設定ゆるゆるご都合主義

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】召喚されましたが、失敗だったようです。恋愛も縁遠く、一人で生きて行こうと思います。

まるねこ
恋愛
突然の自己紹介でごめんなさい! 私の名前は牧野 楓。24歳。 聖女召喚されました。が、魔力無し判定で捨てられる事に。自分の世界に帰る事もできない。冒険者として生き抜いていきます! 古典的ファンタジー要素強めです。主人公の恋愛は後半予定。 なろう小説にも投稿中。 Copyright©︎2020-まるねこ

処理中です...