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第6章 変化と成長と新たな旅

側近は次期龍神に相談する

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 「ふんふんふ~ん♪」



 アルティアは川に足をつけながら上機嫌に鼻歌を歌っていた。


 なんたって今日はダンスも剣術も礼儀作法も練習しなくていいからだ!つまり完全休日!いやー、幸せだ。毎日休みであればいいのに。



 ダンスをすればラフェエルの鬼畜コーチに苦しめられ、剣術をすればラフェエルにボコボコにやられ、礼儀作法をやれば容赦なく罰を落とされ……………………………つまり何が言いたいかと言うとラフェエルはスパルタ過ぎるんだ。



 もっとこうさ、褒めるとか甘やかすとかあるじゃない?馬車じゃなく慣れない乗馬までやってるんだよ?それなのに!一切手抜き無し!私は貴族の令嬢でもお姫様でもないんだからそんなの全部いらないじゃない!剣術だってラフェエルには敵わないけど、ダーインスレイヴがいれば大抵は上手くいくし!




 というか、私は龍神よ?神よ?もうちょっとこうさ、敬うとかないわけ?……………ないですねえ、もう1年経ったけどそういう性格ではないのが嫌でもわかっちゃうというか。



 「あー!イライラしてきた!暑い!

 ドゥルグレ、太陽の温度低くして」



『それはできねえって言ってんだろ!?』



 名前を出しただけでパッ、と現れたのは太陽神・ドゥルグレ。オレンジ色の刈り上げ、ピアスジャラジャラの福耳、そして4本の腕…………まあ、イケイケ☆俺様系神だ。



 「まあ、私の奴隷だけどね」



『んだとこら!今日という今日は………………っぐぅ!』




 飛びかかろうとするドゥルグレは地面に叩きつけられた。…………『呪術・私の所有物』の効果だ。




 「本当に学習能力がないわねー。アンタ、それでも神?」


『くっそが………………!早くこの呪いだかを解け!』


 「いやよ、便利だもの。ほら早く太陽の気温を落としてよ」



『巫山戯んな!そんなことしたら自然が壊れるだろ!?』



 「あらやだ、神らしいことも言えるのね。てっきり脳筋なんだと思ってたわ」



『なんだと…………っぐぁあ!!!』


  またまた頭を抱えて悶える太陽神。本当に見てて飽きないわね。珍獣だわ。



 「____アルティア様」



 「ん?」


 けらけらと笑っていたら後ろから声をかけられた。茶髪オールバック茶瞳のラフェエル側近・リーブだ。


 「どうしたの?もう出立?早くない?」



 「いいえ。そうではなく………………恐れながら、相談したいことがございまして」


 「相談?」


 珍しい。リーブに何かを命令したりすることはあるけど、自分の意思ある?ロボットじゃない?ってくらい言われたことしかしないリーブが。丁度暇でドゥルグレをからかっていた所だし、たまには側近孝行しますか。






 「いいわよ。どうしたの?」




 「その、…………私に、魔法を御教授してほしいのです」



 「へ?魔法?なんでまた。リーブは殆どの魔法が使えるでしょう」



 リーブはとっても優秀だ。流石理不尽大魔王だけどハイスペック皇子・ラフェエルに仕えているだけで使えないわけがない。それなのに、リーブは眉を下げて自信なさげに言う。




 「私も、なにかしたいのです………………魔法剣を練習するクリスティド殿下や、幻獣を操るエリアス様のように……………


 ラフェエル様の手助けのできるような…………恐れながら、アルティア様のように魔法のエキスパートになりたいのです。


 無礼と恥を承知でお願いします、アルティア様」



 「う…………………」




 しゅん、として頭を下げる姿はさながら柴犬みたいだ。耳としっぽが見える。オールバックにしてるから勝手に男気溢れるタイプ!頭脳明晰タイプ!と思っていたけど、実際はワンコ系側近でした。










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