【完結】転生したらヒロインでも悪役令嬢でもなく世界征服してる龍神の後継者だったのでこの世界の常識をぶっ壊してみようと思います!

Ask

文字の大きさ
上 下
119 / 270
第5.5章 次期龍神と生贄皇子の再契約

小さな変化、大きな動揺

しおりを挟む






 「うっ……………うっ………………」




 プスプスと煙を立てる私の身体。再契約初の罰、元来の奴より強力じゃない?人間から契約を結ばれるより龍神から契約を結ぶ方が強くなるとかそういう設定なの?なんにせよ骨まで痺れたぜ……………………




 「あんまりだ……………あんまりだよぉ……………………私が折角助けたのに…………覚えてないけど……………………」




 「頼んでないし覚えてないとはどういうことだ。もう1発喰らえば分かるかな?」



 「んぎゃぁぁ!!」




 再び落ちる特大罰!なにこれ?なんで罰を落とされてるのか全くわからない!



 「ラフェエル!!やりすぎよ!!流石の私でも死んじゃうから!!程々にして!!」




 「貴様は殺しても死なないような女だから安心しろ。"契約者"として沢山の罰を与えてやるからありがたく思え」




 「はぁぁ?なんで………っぐううう!」



 本日3発目の罰が落ちましたーーーーー。もう身体がお陀仏でーーーーす。おしりをつきあげて倒れる女としてあるまじき格好になっておりまーーーーす。…………いやもうほんと心の底から契約者を新たに選ぶべきでした。こんなに考えていることがわからない鬼畜理不尽皇子と比べたら道端のホームレスでも喜んで契約するわ…………………



 「理不尽大魔王ラフェエルめ………………………」





 「………………………ラフェー」



 「…………………はい?」



 ぽつり、とラフェエルがそういった。何を意図しているか分からなくてラフェエルを見る。ラフェエルは私に背を向けたまま、続けた。



 「私のことはラフェーと呼べ。

 私は、貴様のことをアルと呼ぶ」


 「??」


 ラフェー、って愛称じゃない?いいの?
 私のことをアルって呼ぶのは別に構わないけど…………



 「……………貴様は一応不本意だが仮初の婚約者だ。もうほとんどの大国には知れ渡っている。



 婚約者の愛称を1度も呼ばないのは不自然だ。


 だから……………呼べ」




 「わ、わかった」


 「呼べと言っているんだ」



 「え?今?



 ………………ラフェー?」




 「………………………それでいい。

 私はリーブの元へ行ってくる」




 ラフェエルはそう言って颯爽と歩いて部屋を出ていった。




 ………………なんなの、一体?
 1人取り残された私は、呆然とする。




 愛称を呼ばされた事じゃない。


 愛称でよんだ時、……………確かに見たんだ。


 ラフェエルの耳が紅くなっているのを。
 ……………押し倒された時の表情や言葉を思い返す。



 あれは、まるで_____私のことを好き、みたいな態度……………………



 「ッ、ないないないない!!なんでラフェエル……いや、ラフェーが私を好きになるの!?というか好きな人にあんなに雷落とせないって!!


 ほんと私って勘違い激しい………………………ッ」




 盛大な独り言を途中で辞めて、近くにあった枕を抱き締め顔を埋める。



 顔が、熱い。


 口元がどうしても緩む。


 私今、凄く変な顔してる。


 心臓がバクバク言ってる。うるさい。




 なによこれ。



 恥ずかしい。



 恥ずかしい。




 ____今すごく、恥ずかしい。






 アルティアは枕から顔を離す。


 耳まで真っ赤な顔は____女の顔だった。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】召喚されましたが、失敗だったようです。恋愛も縁遠く、一人で生きて行こうと思います。

まるねこ
恋愛
突然の自己紹介でごめんなさい! 私の名前は牧野 楓。24歳。 聖女召喚されました。が、魔力無し判定で捨てられる事に。自分の世界に帰る事もできない。冒険者として生き抜いていきます! 古典的ファンタジー要素強めです。主人公の恋愛は後半予定。 なろう小説にも投稿中。 Copyright©︎2020-まるねこ

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

【完結】婚約破棄に国外追放でしょ?イケメン王子のギルドのお手伝いしますのでどうか連れ戻さないで下さい

るあか
恋愛
 車にひかれそうな子猫を助けて男爵令嬢に転生した私は、国の王子と婚約していた。  場面は、王子が侯爵令嬢と逢瀬を重ねているところを目撃するところから始まる。  母親には王子に抱かれるまでご飯抜きって言われるしどうしよう……。  そう困っていた私の目の前に現れたのは……“あの時助けた子猫”だった。  その子のおかげで一歩踏み出し、旅人に助けてもらって新たな人生を始めることになるのだが、その旅人の正体は……。  そして私の元婚約者は、諦めが悪かった。

結婚しましたが、愛されていません

うみか
恋愛
愛する人との結婚は最悪な結末を迎えた。 彼は私を毎日のように侮辱し、挙句の果てには不倫をして離婚を叫ぶ。 為す術なく離婚に応じた私だが、その後国王に呼び出され……

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた

アリエール
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず
恋愛
 ※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。  我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。  けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。 「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」  そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。

処理中です...