【完結】転生したらヒロインでも悪役令嬢でもなく世界征服してる龍神の後継者だったのでこの世界の常識をぶっ壊してみようと思います!

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第4.5章 次期龍神は魔剣を手にする

次期龍神 は魔剣を使ってみた!▽

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 「では、今日も私が御相手させていただきます」


 「しゃす………………」




 馬車休憩、私は軽装でリーブと向かい合っている。ダーインスレイヴがラフェエルを挑発した結果、「じゃあやってみろ」と言われたのだ。今日はダンスの練習の日だったのに…………………一番嫌いな剣の稽古の時間に………………


 逃げ出してやろうかと何度も思ったが理不尽大魔王・ラフェエルにしっかり見張られて逃げることすら敵わなかった。まあ、逃げ出せたとしても契約印で呼び戻されるがな!詰んでる、詰んでるよう…………………



 そんな私に、先程とは打って変わって距離をとったダーインスレイヴが大声で言う。
    



 「俺の呼び出し方は覚えているかー?俺の名前を呼ぶんだぞー!」




 「呼びたくない!」



 「命令だ、やれ」


 「うぐぅ……………………」




 些細な抵抗をするもあえなく失敗。ラフェエルの右目に黒い契約印が浮かび上がってる。これはもう逃げられない奴だ。



 ええい!どうにでもなれ!
 私は怒鳴るように叫んだ。



 「ダーインスレイヴ!………………って、え」

 「…………!」



 叫んだら、ぽう、と青紫の剣が現れた。剣の部分まで青紫。流石にこれにはラフェエルも驚いているようだ。遠くにいたダーインスレイヴもいない。



『ここだよ、ここ』


 「わっ!」



 剣が喋った。………でも口がないのにどうやって?


『剣の姿の時は脳内に直接話しかけるよ』



 脳に!直接!!うすうす感じてたけど、この世界なんでもありすぎない?


『ほら、俺を手に取って』


 「う、うん」



 私は恐る恐るその剣を手に取った。浮いていた剣は浮遊をやめてもなお軽い。あれ…………いつも使ってる剣より重くない………………?




 「…………………リーブ、いけ」


 「は」



 「え、待って待って!?」



 ラフェエルがリーブに命じる。リーブが近づいてくる。その顔が怖いのなんの。あれだ、これはマジだ。本気とかいてマジなんだ。リーブに1度も勝ったことないのに……………!






『大丈夫だよ____"俺が導くから"』


 「え?…………うわぁ!!」

 「なっ…………!」



 ダーインスレイヴがそう言うと、私の身体が勝手に動いた。カキン、キン、キィン!と刃が擦れる音が響く。なんて言えばいいんだろう、最初は身体が勝手に動いた!って思ったんだけど、そうじゃない。どこに攻撃をすればいいのかが"視える"んだ。



 リーブの太刀筋、回避、扱い……………なにこれ、自分の身体じゃないみたいな不思議な感覚。けど不快じゃない。



 「あっ……!」



 カラァン、とリーブの剣が吹き飛んだ。体制を崩し、尻餅をつくリーブの首筋にダーインスレイヴを当てる。




 「そこまで」




 ラフェエルの声が響く。
 勝った………………?初めて、勝った!



 「っ~~!!!やったぁ!!!」



 「凄いですアルティア様!それに、ダーイン…いえ、ダーインスレイヴ様!」



 私は剣を持ったままエリアスとハイタッチする。初勝利!私突然強くなった!



『それは俺の力なんだけどね………』



 「そうなの?」



『当たり前じゃないか。………にしても、ラフェエルも鬼畜だな。リーブ、中々筋がいい。というか達人だね。アルティアでは絶対勝てないよ』



 「はぁ!?」 



 衝撃の事実に大きな声を上げる。慌てるエリアスを放ってラフェエルを見た。



 あんの理不尽大魔王………………知らない間に陰湿なイジメをしてたなんて………!








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