【完結】転生したらヒロインでも悪役令嬢でもなく世界征服してる龍神の後継者だったのでこの世界の常識をぶっ壊してみようと思います!

Ask

文字の大きさ
上 下
44 / 270
第2章 水の精霊、海の妖精神と次期龍神

次期龍神VS海の妖精神 #1

しおりを挟む
 





 「アルティア!」




 そう呼んだのは、眼下に居るラフェエルだ。
 どうやら何もされていないらしい。びちゃびちゃだけど、生きている。

 あの後すぐさま海の妖精神の部屋に行ったとき居なかったから焦ったけど、クリスティドが水の妖精神の方かもしれない、と言われ忍び込んだらビンゴだった。………とはいえ、クリスティドの記憶はうろ覚えであやふやだったから辿り着くまでに時間が結構かかってしまったんだけど。生きてるならなんでもよかった。




 火の玉は挨拶代わり。これでやられるならラッキーぐらいに思ってたんだけど、そこはやっぱり神だ。RPGのように相性の善し悪しはあるらしい。


 そんなことを思いながら、地面に降り立つ。クリスティドを下ろしてラフェエルに駆け寄った。




 「ラフェエル!大丈夫!?」



 「………見ればわかるだろう。タイミングの悪いヤツだ」



 ムッカチーン。こんな状況でもこんなこと言えるんだから大したもんだ。怒ってないよ。怒らない。怒らない。ひっひっふー。何事もなくてよかったおーけー。



 そんな感じで自己完結をして、改めて敵らしき相手を見る。
 藍色の髪、黄金色の瞳、セーラー服…………性別と髪型が違うぐらいでどっからどうみても双子の子供だ。道中クリスティドからどんな奴なのか聞いてたけど中々ファンシーな見た目してるじゃないの。神のくせに。





 「…………アンタ達、自分達が何をしたかわかってるわよね?」



『あら、一丁前に怒ってるの?出来損ないの龍神めが。図が高くなくて?』



 「………………"ひれ伏せ"」



『きゃっ!』


『マリン!?』




 アルティアの言葉に、海の妖精神マリンは地面に叩き付けられた。
 これは____言霊呪文!?悪魔が得意とする呪文を何故………………………!?



『っぐぅ……………!!』



『マリンッ……………貴様ァ…………ッぐあ!!』



『アクア……………!』



 アクアの苦しげな声が聞こえるが、顔を上げることすら出来ない。

 アクアは空中で金縛りにあっていた。何が起きているのかわからない。ただ目を合わせただけなのに。



 動けない2人を他所に、アルティアは腕を組みながら静かに言う。





 「___私はね、子供を痛めつけるのは大嫌いなの。それがたとえ"神"でもね。


 悪い事は言わないわ。もう屈服してくれない?屈服のさせ方、わからないんだけど、神様なら知ってるでしょ。


 ね、お願い聞いてくれない?」




『ッ、な、め、る、なぁ!』


『ま、……リン………!』



 「…………!」


 マリンはその言葉に怒り狂った。
 言霊呪文に抗い、立ち上がる。心配するアクアを無視して子どもの姿から立派な鮫になった。



『殺してやる………絶対殺してやる…………ッ!!アクア!!』


『ッ、もう!どうなっても知らないからね!』



 鮫となったマリンはアクアを呼ぶ。アクアは水色の光を灯した。部屋に水が入り込んで足元を濡らす。それを見やりながらアルティアは言う。




 「……………ラフェエル、クリスティド、一旦空飛んでてくれる?」



 「危険だ、アルティア嬢!君も逃げるんだ!」



 クリスティドの言葉を横目にラフェエルは静かに聞く。



 「…………何をするつもりだ?」


 「………………屈服、させないと行けないんでしょう?とりあえず黙らせるわ。


 私、物凄くムカついてるからさ」


 アルティアはいつになく真剣な顔でそう言った。………まだ海の妖精神との会話が途中だが仕方がない。



 死なないことを祈ろう。




 そう思いながら、騒ぐクリスティドを連れてフライと唱えた。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

悪役令嬢?いま忙しいので後でやります

みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった! しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢? 私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

処理中です...