【完結】転生したらヒロインでも悪役令嬢でもなく世界征服してる龍神の後継者だったのでこの世界の常識をぶっ壊してみようと思います!

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第1章 異世界転生と出会い

大きな掌を持つ父

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   ねえ、神様。どうして?
   私は貴方になにかしました?

   例え何かをしていたとしても、私は貴方を呪います。

   度々邪魔をしてきた両親も、小綺麗になっていく私を妬んだ同級生も、毎回いやらしい目で見てきたバイト先の人達も。



   全部引っ括めて呪いましょう。


   そして、誓いましょう。
   次、生まれ変わるとしたら。
   私は貴方を裏切って、必ず自由と幸せを手に入れます。


   私は______……………



   そこまで考えた所でトントン、と背中を叩かれた。嫌な、暗い気持ちが止まる。


   その手がすごく暖かかったから。


   心地よい大きな手に、冷えきった涙が止まる。



   何、これ…………?



 *  *  *




   「ふええ、ふええ……………ふぇ、え?」



   目が覚めて、一番最初に目に入ったのは___ガーランドだった。人間の、男の姿をしている。酷く心配した顔だ。




   「アルティア……!」


   「あぶ………?」


   「よかった、目が覚めたんだね……君が夜泣きなんて、珍しい。ビックリしちゃったよ」



   そう言って、安堵した顔のガーランド。なんで…………?

   「ふふ。呆けた顔も可愛いね。我の大事なアルティア………不思議なものでな、君が泣くと我も悲しくなるのだ。

   親というものは、不思議なものだな」


   そう言って優しく笑う。
   親……………私の親は、あの両親で………でも今は………ガーランドが、親で。

   ガーランドは私の為に心配してくれて。



   そこまで考えが至った所で、ぺた、とガーランドの顔に触れた。



   「あーら、と」


   「……?おい、リング、これはなんと言っているのだ?」


   「……ご自身で心の中を覗いて見ればよろしいのではないでしょうか?」

   「だめだ、アルは立派なレディだろう?そんな覗きをするようなことをしてはならん!」


   ……本当に、この龍は。


   アルティアははぁ、と呆れながら、もう一度口を開いた。



  「ぱ、ぱ!」


   「ぱ、パパ……!?パパと言ったのかい!?」


  「ぶっ」 


   私はぷい、と顔を背ける。こっちだって恥ずかしいんだから復唱しないでよ……!



   「アルティアが喋った記念に!今日の夜、宴を開く!リング、カイテルに準備をさせとけ!」


   「ハッ」



   喋っただけで宴~!?
   目をぱちくりするアルティアを他所に、ガーランドは満面の笑みを浮かべていた。



   これは相当な親ばかになる気がする…………。



   先が思いやられるな、と思うアルティアの顔にもほんのり笑みが浮かんでいた。









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