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第27章 冬はイベント盛り沢山!?

Bitterなお付き合い

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 アミィール様は楽しげに笑う。
 それを見てるだけで俺も幸せになった。


 「でも、レイは遊び人だからな。浮気はさせないように気をつけなくては。

 アミィの大切な侍女を傷つけるなんて、私が許さないから、安心しておくれ」



 「いいえ、こちらのセリフですわ。エンダーも男漁りが趣味なので、どうにかしなければ…………しかし、レイ様という御方がありながらしないでしょう」




 「本当に困った従者達だね」


 「そうですね。…………そろそろ寝ましょうか。おやすみなさい、セオ様」



 「おやすみ、アミィ」



 2人は子供達の頭上で唇を交わす。距離が遠くて寂しいけれど、間に寝ている子供たちも愛らしいから我慢である。アミィールは唇を離してから電気を消した。



 ____今日もいい夢が見られそうだ。




 *  *  *




 レイとエンダーは正式に付き合うことになった…………のだが。



 「は!?結婚しない!?」 


 「わ」


 セオドアはセラフィールを抱きながら大声をだす。びっくりしたセラフィールはぱちぱちと大きな黄金と緑の瞳を見開いている。そんな2人を他所に、レイは呑気な声を出した。



 「ああ、しないよ」


 「なんでだよ!結婚する流れだっただろう!?」


 「だって、俺達従者だし、2人で屋敷を借りて~なんて面倒くさいだろう?城暮らしは楽しいしな」


 「…………本音は?」



 「本音もなにもねーよ。俺達はお前達が動き始めたら動かないとならないんだ。乳繰りあってる暇はないんだよ。
 そりゃあ、お互いの部屋に泊まることはあるけどな。


 いいだろう」


 「……………」


 ドヤ顔をしているが、要は半同棲カップルである。レイは『それに』と言う。



 「情報収集の際、異性と寝る時だって勿論あるし、付き合っていない体の方がなにかと楽なんだよな」



 「なっ…………!」


 レイの発言に言葉を失う。
 コイツなんてこと言うんだ!?
 そんなこと大切な人以外としちゃいけないに決まっているだろう!?


 「…………!………!」



 セオドアは言葉にならない悲鳴を上げながら顔を赤らめている。レイはいつも通り笑った。


 「仕方ねえだろう?俺達は城のことを知ってなきゃいけねえんだ。エンダーだって好きで男漁りをしてるんじゃねえ。

 ………多分」


 「不確定じゃないか!それで付き合っているって言うのか!?」


 「あーお子ちゃま皇配様には分からねえよ。アミィール様しか女は知らないもんなあ?」


 「~ッ!」


 「ぱぱー、おとこあさりってなあに?」

 「セラ!そんな言葉忘れるんだ!………おいレイ!本当にやめろ!特に子供の前では!」


 この後セオドアは必死にセラフィールに『世の中には知らなくていいこともあるんだ』とこんこんと教えこんだとさ。




 *  *  *



 執務室にて。



 「エンダー!れーなんてやめて俺にしとこうぜ!」


 「まあ、素敵なプロポーズですね、コロッと落ちちゃいそうですわ」



 アドラオテルはぎゅう、と抱きつきながらエンダーを口説いている。エンダーは棒読みでそう答えている。

 それを見ていたアミィールは、厳しい顔で言った。


 「エンダー、わたくしのアドに手を出したらどうなるかおわかりで?」


 「…………………わかっております」


 「ママ、おれ、エンダーと結婚する~」


 「アド、わたくしに怒られたいですか?」


 「…………ひぅ」



 アミィールのキラースマイルで石像のように固まるアドラオテルでした。



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