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第27章 冬はイベント盛り沢山!?
格好なんて関係ない
しおりを挟む「すかー」
「すぴー」
『女装大会』の夜、子供たちに布団を掛けながらセオドアは笑っていた。アドラオテルは未だに猫耳の衣装を脱いでいない。『今日一日はこれでいるの~!』と駄々を捏ねたのだ。よほど女装大会が楽しかったようで、父親の俺も嬉しい気持ちになった。
そりゃあ、女装が好きだという訳では無い。
しなくていいなら全然する気はないけれど…………それでも、国民達は喜んでくれていた。アドラオテルも喜んでいた。レイのバニーガールはお巫山戯要素で作ったし、ラフェエル皇帝様のは美しさを際立たせるためにつくったけど『あれが欲しいから量産してくれ!』『お願いします!』という国民の声があったから、俺は皇配の他にも服を作る仕事もすることになった。
実はスイーツ店もやっていたりする。レシピを書いて、作ってもらって………これでも、様々な分野に貢献出来て嬉しいのだ。
仕事が増える度に嬉しいと感じられるのは、幸せなことである。
「セオ様、子供達を寝かしつけてもらって申し訳ございません」
「大丈夫だよ、アミィ。
おつかれさま」
「んっ、………セオ様も、お疲れ様です」
セオドアとアミィールは互いの頬に唇を落とす。そして、2人で子供たちの寝顔を見た。
「ふふ、ぐっすり眠っていますね。アドにはまだ猫耳がついています」
「ああ、気に入ってくれたみたいで外してくれなかったんだ。お風呂に入った後も自分からつけていたよ」
「可愛いです、本当に。
それと____セオ様も」
「そ、そんなことは…………」
顔を赤らめ否定するセオドアに、アミィールは小さく首を振ってセオドアの腰を引き寄せた。
「いいえ、そんなことあります。………色っぽくて、わたくし見蕩れてしまいました」
「____ッ」
アミィール様はそう言って俺の胸に顔を擦りつけた。そういう仕草をするこの人には負けてしまう。…………とは、ヘタレな俺には言えるわけがなく。
「私よりも、アミィの男装とセラフィールの男装の方が似合っていたよ」
「服を作ってくださったのはセオ様ですわ。
セオ様のお力のおかげですわ」
「そ、それは………………」
だめだ、この人は俺が何を言っても褒めてくれる。嬉しくてにやけてしまう。自制しろ俺……………!
顔の熱を感じながらそう自分に言い聞かせるセオドアから離れ、アミィールは子供達を優しく撫でながら言う。
「2人のお父様は素敵な御方ですよ。可愛くて、格好よくて………羨ましいです」
「~ッ!」
褒め殺しだ………褒め殺しされている………そんなことを言われたら、俺は顔を赤くするしかないじゃないか………!
でも、このままなのは悔しいから、些細な仕返しをしたい。
セオドアはそんなことを言うアミィールを後ろから抱き締めた。
「?セオ様?」
「…………アミィ、アミィの方が格好よくて、可愛くて…………好きだよ」
「____ッ」
次は、アミィールが頬を赤らめた。耳元がとても熱いです。………セオドア様はたまに低くて甘い声でこうして囁いてきます。わたくしは…………それに弱いのです。
その甘く低い声は抱き締める力と共にわたくしを蝕む。
「ねえ、アミィ、…………こっち向いて」
「む、無理です…………恥ずかしいです………」
「ふふ、………だから見たいんじゃないか」
「きゃっ」
セオドア様はそう言って簡単にわたくしの手を引いて自分の方を向かせる。先程の女の顔はどこへやら。今は立派な男の人の顔をしています。
「アミィ、アミィはとても、とても可愛いよ_____」
「_____ん」
セオドア様からのキス。そこに女らしさなどなく、男らしさしかない。
…………女の格好をしても、この御方は変わらないのです。だからわたくしの愛は募るばかり。
どんなお姿でもお慕いしております____。
2人は何度も何度もキスをして、子供たちにバレないように、甘いひとときを過ごした。
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