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第26章 ドキドキ?ハラハラ?家族旅行!
愛息と契約印
しおりを挟む「素晴らしい、国ですね」
『ああ、自慢の国さ』
セオドアとシヴァは笑う。そうしているとぴこぴこと音が鳴る靴をはいたアドラオテルがきた。
「おじちゃん!いいもの!いいもの!」
『おお、そうだな。いいものをやるか!』
「あの、シヴァ様、息子はこう言っていますが無理にあげずともよいです」
「ぱぱうるしゃーい!もらえるものはもらうの!」
どこで覚えてきたそんな言葉。大方レイだろう。頭が痛い………。頭を抱えるセオドアを他所に、シヴァはカカカ、と笑った。
『いいぜ?いいものやるよ』
「ほんと!?なにを___っん!?」
「!アド!」
シヴァはアドラオテルが何かを言う前に唇を重ねた。銀色の魔法陣が生まれる。これは____契約!?
生まれた魔法陣はアドラオテルの男の尊厳のある場所に吸い込まれていく。アドラオテルは顔を歪めた。見ていられないセオドアは慌ててシヴァからアドラオテルを取り上げた。
「シヴァ様!なんてことをするのですか!」
『なにって、契約だよ。あったら便利だろう?』
「そういう問題じゃ___大丈夫か、アド!」
セオドアは慌ててアドラオテルを見る。アドラオテルは…………
「おえーっ、おえおえーっ!」
「………………」
……………物凄い勢いでその場で吐いていた。気持ちはとてつもなくわかるが、契約印の痛みはないのか?
疑問に思うセオドアを他所に、アドラオテルはきっ、とシヴァを睨んだ。
「おじちゃん!サイテー!俺のじゅんじょーを!」
『はっはっはっ、ガキの癖に言うじゃねえか。けど、見てみろよ、かっくいいのがお前のぞうさんに描かれてるぜ?』
「え?………おおお!パパ!みて!」
「んなっ!」
アドラオテルは目を輝かせながらズボンを降ろす。小さな男の尊厳には____契約印が。
こんなのアミィール様に知られたら………というか、なんでアドラオテルは喜んでいる!?
「シヴァ様!これをどうにかしてください!」
『契約印の場所が陰部たあなかなかやるなあ小僧』
「いやー、それほどでも~」
「呑気に会話をしてる場合じゃないです!どうにかしてくださーーーい!」
セオドアの悲痛な叫び声が国中に響き渡ったのだった。
* * *
「それで………アドは契約を結んだのですね」
「ああ…………ごめん、アミィ」
セオドアは泣きそうな顔で謝る。ベッドにはセラフィールと股間を丸出しにして大の字で寝ているアドラオテル。結局契約印が気に入り、セラフィールにまで見せびらかしていた。恥ずかしすぎる息子である。
アミィールは頭を下げるセオドアの頭を優しく撫でる。
「シヴァ様も含めて妖精神も精霊も勝手です。セオ様が悪いわけではございません。
なので、そんなに謝らないでくださいまし」
「しかし…………アドラオテルが可哀想で………本人は喜んでいるけれど………」
「それは………隠すしかないですよね。
アドラオテルがあのような酷い精霊とキスをしたのはもちろん許せませんが………セオ様がキスされなくてほっとしているわたくしもいるのです」
「…………アミィ」
アミィールは『母親としては失格ですね』と困ったように笑う。そして、優しくセオドアを抱き締めた。
確かに、初めて精霊に唇を奪われなかったな。アドラオテルも喜んでいるし、……よかったと思おう。
って。
「私も父親失格かな?」
「そんなことありませんわ。………とりあえず、シヴァ様は痛めつけます」
「ほ、ほどほどにね?」
満面の笑みでそう言うアミィール様はやっぱりサイコパスです。けど笑顔が可愛いのでありです。
すっかり骨抜きにされているセオドアでした。
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