【完結】異世界転生でギャルゲーの主人公になったけど攻略対象外キャラにここまで熱烈に溺愛されるなんて聞いてない!

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第25章 成長する子供達と主人公

お酒の力で本音爆発 #2

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 「俺の子供達もそうです!俺達はもう生贄なんて縛りはないのでしょう?傷は深いかもしれない、思い出したくないのかもしれない!けど、それはっ!…………過去の事です…………」



 セオドアはそこまで言って、その場に泣き崩れた。けれども言葉を紡ぐのはやめなかった。



 「過去に縛られ、今の幸せを、享受出来ないのは悲しいです…………俺は、アミィール様、子供達は勿論、ラフェエル皇帝様も大好きです…………その人たちの誕生を祝いたい……、みんなに祝って欲しい………だって!2人はこの国でッ………1番国を想っているじゃないですか………この素晴らしいサクリファイス大帝国があるのは………土台に2人が居るからじゃないですか………


 誕生日くらい、みんなに祝って欲しい。だって、………国民たちは、俺たちの家族じゃないですか!」



 セオドアはそう言って、立ち上がる。
 その顔は___とても真剣だった。


 それを見たアミィールは思う。
 …………セオドア様は酔うと本音を吐き出します。だから、この言葉は本当に心の底から思っていることなのです。嬉しくないわけはございません。

 けれど、この式典は………わたくし達家族にとって、重いもので…………。


 重い?重いってなんでしょう?
 セオドア様の言う通り、遠い過去のこと。もう龍神はいない。生贄も必要ない。



 ____ただ、誕生日を受け入れていいのでしょうか。
 わたくしの手は『穢れている』。たくさんの命を屠ってきた。救った命よりも、奪った命の方がきっと多い。

 わたくしは人殺し。お父様も人殺し。そんなわたくし達が____「いんでないの?」………!

 そんなことを考えていると、呑気な声がした。声の主は___意地汚く骨付き肉を手で持ちかじっているお母様。お母様はぺろ、と口元のソースを舐めて言う。


 「セオくんの言う通りだわ。………毎年、国民たちが『式典をして欲しい』って言っている。

 過去の事はあるわ。忘れては行けないことだというのもわかっている。

 けど、20年前よ?振り返っても___遠いじゃない」


 「アル………お前、自分の言っていることがわかっているのか?」


 「ええ。でも、それ以上に、1人の父親として、1人の皇族として、……1人の夫として、息子として勇気を振り絞って言った言葉を無下にするのは、よくないわ」


 アルティアはそう言って、ナフキンで手を拭いてから、泣いているセオドアの頭を撫でた。


 「私はこの子と同じ意見。……ラフェー、貴方はわかるんじゃない?しきたりや束縛するものを壊してきたじゃない、私達。

 そろそろ__自分の戒めを解くべきよ」


 「…………お母様」


 アミィールが母親を呼ぶと、母親は溌剌とした笑顔で言った。


 「___私は、娘を心の底から祝いたいの、セオくんと同じで、『国民たち祝え!』っていいたい!」


 「…………アルティア皇妃様」


 「あらやだ酷い顔。………アミィール、子供達は今日私達が見るわ。セオくんを寝室に連れてっちゃいなさい」



 「____はい」

 「わっ」

 アミィールはそう短く返事をして、立てないでいるセオドアを姫抱きした。久しぶりに抱き上げたセオドア様は__重くなっていた。


 *  *  *


 どうやら俺は結婚しても乙女らしい。
 アミィール様に姫抱きをされながらぼんやりと思う。最近、少しずつお酒を飲んでいるから思ったほど酔っ払っていない。


 むしろ、爆弾発言、暴言に近い言葉を発したから恐怖で寒いくらいだ。我ながら情けない。


 そんなことを思っていると、あっという間に寝室に来た。アミィール様は俺の体をベッドに下ろして、覆い被さるようにして、俺を熱の篭った視線で見下ろした。


 「____セオ様、わたくし、本当に…………祝われても、いいのでしょうか」

 「…………え?」








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