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第23章 愛する息子と娘よ
※子供達が産まれてもラブラブです
しおりを挟む「セオ様、申し訳ございません、アドは寝ていらしたので連れていかなかったのです。まさか、また『悪戯』をするとは………」
「ううん、これはアドが遊びたかっただけだよ、気にしないで。
それより、おはよう、アミィ、セラ、……アドも遅れたけどおはよう」
セオドアはそう言ってセラフィールとアドラオテルの額に唇を落とし、最後にアミィールと唇を交わした。いつもの朝の挨拶だ。
_____こんな感じで、俺たち家族の朝が始まる。いつも子供達の『悪戯』で起きるという習慣がすっかり身につきました。
* * *
「ベッドは浮かないように自縛魔法をガチガチにかけておきました」
「ありがとう、アミィ」
朝7時過ぎ、朝食の時間。子供達は再び眠りに落ち、俺達は朝食を摂る。子供達ができる前の俺ならこの時間に起きれなかったけれど、先程のように子供達_主にアドラオテル_が何かしらの『悪戯』をするから、自然と早起きになったのだ。
「アドの『悪戯』はなんだか進化しているような気がしますわ。教育を施した方がよろしいのでしょうか…………」
「ううん、難しいね。アドは物を浮かすのが大好きだからやめるとは思えないんだよ」
「ですよね。セラもアドと共に『悪戯』をしますし…………わたくしの育て方が悪いのでしょうか」
アミィール様はそう言って暗い顔をする。………子供が生まれて、朝食中の会話が子供達の話題になっている。アミィール様が本当に困っているから口に出して言えないけれど、これもひとつの幸せだよな、なんて思う。
セオドアは暗い顔をするアミィールにできる限り優しい声で言う。
「アミィ、気にしすぎだよ。子供達が元気に育っている証拠だから、私は嬉しいんだ」
「セオ様は甘いですわ。………………甘くするのはわたくしだけにしてくださいまし」
アミィール様はそう小さな声で言って口を尖らせた。ぐぁぁ、可愛い、2児の母には見えないほどの美貌ッ………俺結婚して3年目だよな?本当に3年経っているんだよな?なのにときめくんだぞこんなに!あぁ…………俺はこんな可愛い妻を持って幸せだ、子供達も可愛いし幸せすぎる…………
セオドアはくらり、眩暈を1度起こしてから立ち上がり、アミィールに近づいて優しく抱き締めた。
「?セオ様?」
「…………アミィは可愛すぎるよ」
「………ふふ、わたくしの言葉で赤くなるセオ様の方が可愛いです」
セオドアとアミィールはそう言い合って、キスをする。先程食べていたスクランブルエッグの味がする。………子供達が寝ている時にしかこういう深いキスは出来ないから、隙を見てしてる。これがまた堪らないんだ。
「ん、ふ、……」
アミィール様は苦しそうにしながらも受け止めてくれる。漏れる吐息が甘い。………だめだ、これ以上は自制が効かなくなる。
そう思ったセオドアは名残惜しげに唇を離す。アミィールは少し寂しげにしてから、それでも嬉しそうに笑った。
「………セオ様、愛しております」
「ああ、私もだよ。………今日も一日頑張ろうね」
「はい、セオ様も一緒に頑張りましょう」
2人はそう言って頬にキスを落としあった。子供たちが生まれても、俺達の愛は変わらない。
朝食中にも関わらず、二人の世界に入る夫婦なのでした。
* * *
朝8時から俺達は別行動だ。
何度も言うが俺は皇族の一員で、少なからず執務を請け負っている。遊んでばかりはいられない。
それだけでなく、子供達が生まれてからその執務を行う環境も変わった。
「あうー!」
「ふふ、セラ、食べちゃダメだよ」
セオドア専用キッチンにて、セオドアは孤児院に持っていくお菓子を作っていた。そして、その肩には自分で浮遊魔法をつけているセラフィールが乗っている。
子供達はアミィール様と共に午前と午後に分けて見ている。もちろん孤児院に行く時はアミィール様に任せきりになるが。見れる時は俺も見ているのだ。他にも義父母であるラフェエル皇帝様やアルティア皇妃様に見てもらうこともあるけれど、基本は俺達夫婦で仕事をしながら見ているのだ。
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