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第22章 父親 にレベルアップした!▽
2人で1人
しおりを挟む『2人で1人』?どういうことだ?
突然の言葉に首を傾げるセオドアとセオドア両親に、ラフェエルが言う。
「___アルが言うことが正しければ、この2人の『龍神』としての力は半分だ、ということだ。アルやアミィは魔力が常人の1000倍あるが、この子達は500倍ずつ半分にされている。
だから、瞳が黄金色ではなく、他の血が目に発現したのだろう」
「それは…………喜んでいいこと、なのでしょうか?」
セシルは涙目で聞く。俺ももちろん聞く体勢が出来ている。アルティア皇妃様は静かに頷いた。
「ええ。____血が薄れている、ということは『呪い』、『代償』も半分まで下げられる。
つまり…………アミィールのように苦しむ頻度は少なくなるわ」
「_____ッ!」
セオドアはその言葉を聞いて、ポロポロと涙をこぼした。これは完全に安堵という気持ちだ。
アミィール様の『代償』も『呪い』も見た事のある俺にとって、それが半減するという言葉がどれだけ嬉しいと思う?
俺は、2人の子供達を泣きながら撫でる。
そうすると2人とも暴れるのを辞めて、子犬のように自分から撫でられるように擦り寄ってきた。
_____この子達は、2人で産まれたからこそ、辛い『代償』や『呪い』を互いに抑制できるんだ。
この時ほど神の存在を感じたことはなかった。哀れなほど悲しく強い愛おしい御方に慈悲を与えたように、仕組まれたようにそう産まれてきたんだ。
……………俺達の子供達。可愛くて賢くて………お互いを思いやれる、子供達。
改めて、愛おしさが溢れ出る。
でも、神様ばかりに感謝をしているわけではない。1番は____この子供達に出会わせてくれた………アミィール様だ。
セオドアは優しく2人の子供達を抱き上げて、アミィールの眠るベッドに近寄る。アミィールはすやすやと寝息を立てて寝ている。俺は、少し屈んで顕になっている唇に唇を重ねた。
ぴく、と動いてから、その唇に応えるように吸い付く唇。
_____アミィール様、この子達に出会わせてくれて、本当に、本当にありがとう。
その気持ちを込めて、何度か唇を落とした。
* * *
そんな我が子達を見ている両親達は柔らかい笑みを浮かべていた。セシルはその柔らかい笑みで、あからさまに口だけの謝罪をする。
「申し訳ございません、ラフェエル皇帝様、私の息子、セオドアはどうもアミィール様を溺愛しているようで………」
「いいさ。仲が悪いよりはいい事だ。子供達も無事生まれた。今日くらい好きなようにさせよ」
「そーそー!とはいえ、キスなんていつも私達の前でしてるんだけどね!」
「本当に申し訳ございません………」
「何言ってるんですか、キスをしているのは私の娘なんですし、ガーネットさんが謝ることじゃないですよ」
そう言ってアルティアはガハハ、と笑う。そんな妻の頭を殴ってから、ラフェエルは言った。
「………めでたい日だ。
今から酒でも飲もう。私達の孫のセラフィールとアドラオテルの話を肴に。
もちろん付き合うだろう?セシル、ガーネット」
「もちろんです!恐れ多くも、………ラフェエル皇帝様と親戚なのですから、セオドアを見習って、親睦を深めたいです。
あの可愛い子供達のお陰で、私にも勇気が生まれました」
「ええ。わたくしも同意見でございます。アルティア皇妃様、差し出がましいかもしれませんが、わたくしとも飲んで頂けますか?」
「もっちろん!何度も言うけれど、私達は家族なんですから!行きましょー!」
アルティアの言葉にラフェエル以外の2人は笑みを零す。両親達は遠くから未だにイチャつく2人と、いつの間にかセオドアの腕の中ですやすやと眠る子供達を一瞥してから部屋を後にした。
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