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第17章 少女漫画風味のデート!?

皇女、初めての外食

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 「それにしても、結構人が居るんだね」


 2人で恋人繋ぎをしながら街を歩く。セオドア様の緑の瞳はきらきらと輝いている。見ていて本当に飽きなくて、わたくしの表情筋はやっぱり働かない。


 「ええ。この城下町は国で1番大きな街なので。だからとても大きく広く活気があるのですわ。話題であったり新しい店を開いてみたりする場所、と言った方が近いでしょうか」


 「凄いね、見ていてどこも綺麗で、年甲斐もなくはしゃいでしまう。………騒がしくてごめんね」


 そう言って眉を下げるセオドア様。
 謝ることなんてない。わたくしはセオドア様と居るだけで幸せなのだから。


 アミィールは身体をセオドアに寄せながら、目を細めて見つめる。


 「___セオ様が綺麗と言ってくれるこの街で、わたくし達がデートしているのは夢みたいですね。

 わたくし、舞い上がってしまいます………キスをしたくて、したくてたまりません」


 「そ、………ッ……!」


 そう言うと、真っ赤になるセオドア様。…………本当に可愛くて愛らしい御方。こうして恥じらうけれども、キスをする時は雄々しくて、………自然と大事な場所が潤うとこの御方は知らないでしょう?わたくしは、とても不純な女なのです。



 けれど、ダメです。今日はセオドア様にリードしてもらうのですから。


 「セオ様、お腹すいていませんか?どこかで食べたいなどありましたら、仰ってください」



 「あ、う……………」


 「…………?」



 聞けば聞くほど赤くなるセオドア様。今日はちょっと恥ずかしがり過ぎませんか?…………デート、楽しんでくれていますでしょうか…………


 アミィールは眉を下げる。それを見たセオドアは慌てる。

 お、俺がリードしないからアミィール様がこのような顔を…………な、なにか打開策は…………!


 そんなことを思いながら辺りを見ていると、大きな看板をみつけた。『アイス』とでかでかと書かれた出店。


 アイスの食べ合いっこのチャンスじゃないか……………!



 セオドアはそう考え、アミィールを見る。


 「アミィ、喉乾いていないかい?」


 「え?どうしてでしょうか?」

 「喉が乾いているなら…………一緒にアイスが食べたいな、と………」



 もごもごと吃りながらセオドア様はそう言った。見ると、出店が。………わたくし、城以外でアイスを食べたことは無いけれど………セオドア様とアイス、食べたい。


 「喜んで___一緒に、食べましょう?」

 「!ああ!」



 セオドアはその言葉を聞いて嬉しそうに笑った。


 *  *  *




 俺とアミィール様はアイスをそれぞれ買い、近くのベンチに座る。俺はチョコで、アミィール様はストロベリーだ。


 しかし、アミィール様は不思議そうにアイスを見ている。



 「?どうしたの、アミィ」


 「えっと、この、アイスの下の物はなにかなって………」


 「下…………?」


 アミィール様の視線の先には___アイスのコーン。………も、もしや!コーンのアイスを食べたことないのか!?


 セオドアの顔がさあ、と青くなる。確かに、皇城に住む皇族が食べるアイスと言えば、ガラス皿に載せられたアイスである。というか、アイスは絶対城で食べた方が美味しい………うわー!また失念していた!


 ダラダラと汗を流しながらも、言葉を紡ぐ。


 「えっと、その下の物は食べれるんだ、コーンと言って、モナカの、あんこを包む部分に似てるよ」


 「そうなのですか?では、早速…………んっ、美味しい!」



 アミィール様はコーンを一欠片食べるとほわ、と笑った。ガハッ、く、クリーンヒット………この顔は、やばい。なんでこんなに可愛いんだ………。




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