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北の果ての町「セガ」

朝日が眩しい

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朝の日差しが眩しい。宗之はふと目を覚ますと、いつの間にか知らない部屋にいた。

刀の月光は宗之の隣に置かれていた。

何も喋って来ないところを見ると月光はまだ寝ているようである。

宗之は昨日あのまま酒を呑んで寝た。そんでその後、誰かが宗之達をこの部屋まで運んだのだろう。

恐らくアテナが女神の力で運んだのだろうが・・・とりあえずこの場所がどこなのか気になるため、まずは外に出ることにした。



外に出ると一番に感じたのが「寒っ!」である。

ここは北の果て『セガ』である。一年の殆どが寒い為、これから毎日この寒さと付き合っていかないと行けないのだ。

しかし、一つ気になったのが家の中と外の気温が違いすぎる事だ。

部屋に居たときはそこまで寒くなかったのに家の外に出ると滅茶苦茶寒い。たぶん、この北の町だから家も防寒対策の家なのであろう。

しばらく歩くと見覚えのある巫女さんがいた。昨日、宗之達をもてなしてくれた奏音が家の周りを掃除していた。

「よぉ、おはよう。」

「あ、おはよう。昨日はお酒呑んでグッスリでしたね~。」

「そうだな。ところでおめぇは一体なんなんだ?昨日はもてなしてくれて嬉しかったが」

そう、宗之はこの奏音という女が気になっていたのだ。やたらと、もてなしてくれたし。

「私が昨日言ったこと覚えています?あのマイコラスの子孫ってこと」

「ああ・・・」

「この地は本来はマイコラスの子孫が支配する町なのです。でも今は直系の子孫が女である私しかいません。この国では女では領主はなれませんから、だから私は新たに来た新領主の宗之さん、あなたの補佐をするという事にしたのです。今までも国から送られて来た領主が居まして、私は補佐をしましたが、この地は敵国も近いし作物も育ちにくいからすぐに逃げ出す人ばかりでした。」

この女も苦労しているんだな。何人もの人が領主となっては逃げ出す。責任感の無い奴ばかりが領主となっていたのだな。

「奏音、俺は逃げねぇから安心しろ。俺はこの町を繁栄させるから。だから戦だけは任せてくれ。」

「ふふ、戦だけってところが不安ですけどお願いしますね~。」

クスクスと笑う奏音。宗之はその笑顔を朝日の様に眩しく感じた。

「んで、まずは何をすれば良いんだ?田んぼを耕すか?それとも人の行き来を良くするために道の整備か?」

「それも重要ですけど、まずは政治や軍事活動をする前にセガの町について教えなきゃいけませんね~。今日は1日私とセガの町を見て回りましょう。他にも教えておかなきゃいけない事もあるので朝食の時に話します。」

「あぁ、そうか。おめぇはやること多くて忙しいんだな。」

朝早くから掃除をしている姿を見たら嫌でも分かる。こんな大きな庭に家、そして近くに神社があるが、恐らく奏音一人で今まで掃除していたのだろう。

「掃除代われ。俺が掃除しとくから、おめぇは早く飯作ってこい。」

「あら?良いんですか?」

「俺は腹へってんだ。早く飯食いたいから掃除を代わるだけだ。だから代われ。」

宗之の言い方は乱暴だが奏音は少し嬉しかった。今までの領主は己の事しか考えていなかったから、掃除を代わるどころか、ご飯すら自分でしなかった。

「そんな事言われると少し嬉しいです。ふふ、家臣が増えたら家事も内政も少しは楽になるんですけどね。」

そう言って奏音は掃除を宗之に任して朝御飯の準備にいく。



「家臣か・・・」



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