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内乱の終結

論功行賞

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そしてゲレーロの反乱が終結し3日後、この反乱を鎮圧した者に論功行賞が行われた。

本来はもう少し事後処理が済んでからやれば良いと思うが、カミネロ大将軍やその他の兵卒は報酬をすぐに渡すのかどうかを気にしていた。報酬を遅く渡すのと早く渡すのは相手に与える印象が全然違ってくる。

現代の社会で言うなら報酬を遅く渡すのは給料日過ぎてから給料を渡すのと同じことであろう。

だからなのか、サトミ女王は論功行賞は早めに行うことにした。



王の間にてサトミ女王は綺麗で豪華な服を着て玉座に座っている。

そして、その場には反乱を鎮圧した功績者が沢山いた。

みんなはサトミ女王を見て「お美しい・・・」などと言っているが、確かに宗之や月光から見てもサトミ女王は美しい姫であった。

「まあ、あの姫は美人だよな。王族の血筋なのか色白で身体も良いし。でも物凄く腹黒いけどな。なあ相棒?」

「そういうな。そろそろ論功行賞会が始まるから黙ってろ。」






「それでは論功行賞を始める!」

偉そうな出で立ちの大臣ぽい男が大きな声でいう。

しかし、宗之たちはともかく他の将軍達も大臣ぽい人を知らない様で周りがざわついた。

「誰だあの男?」

「あまり見かけぬ顔じゃな?」

などと周りが騒ぎ立てていた。

「静まれぇィ!」

その声を聞くと周りは静まりかえった。声の主はクック大将軍であった。

「先程の内乱で反乱軍を指揮していたヤングマン大臣が死亡した為、急遽ロデオ王国の大臣になったアダメス大臣じゃ!女王の推薦で大臣となった者である!文句があるならサトミ女王に申せよ!」

すると「女王の推薦なら仕方ないか」という雰囲気になり、その場は静まった。

「なるほどな、あの腹黒お姫様のお気に入りか。」

「自分に都合の良い人で周りを固めるのは普通だ。特に国政を進めていく上ではな。」


場が静まるとサトミ女王が壇上に上がり、場にいる人に語りかけるように話す。

「此度のゲレーロの乱鎮圧、実に見事でした。あなた達の活躍なくしてはゲレーロには勝てなかったと思います。」

サトミ女王の声はとても澄んでいて美しい声であった。そして、聞き取りやすい声であった。

「そんな、あなた達には皆に何らかの報酬を与えようと思います。まずは私の片腕となり反乱鎮圧軍を率いてくれたクック大将軍。クック大将軍には反乱者ゲレーロの土地と宝物250点を差し上げます。」

この大盤振る舞いには場にいた皆が歓声をあげた。

先代国王の弟ゲレーロの土地は広大で豊かな土地である。宝物250点よりも価値のあるものだ。

国内No.1と評されるクック大将軍の地位はこれで盤石な物になるかと思われた。

しかし・・・である。


「次にカミネロ大将軍。あなたはゲレーロから寝返って私たちの味方になってくれました。それが決定打となり反乱鎮圧となりました。この功績はこの場にいる誰よりも大きいでしょう。あなたには反乱者のヤングマン大臣の領土と宝物250点、そして今後行われる東の大国ヘイワ帝国攻めの総大将にも任じます。」

カミネロ大将軍はサトミ女王の目の前まで行き、片膝を付いて「ありがたく!」と一言いう。

これには場の者、カミネロ大将軍の側近も「おおっー!」と歓声をあげた。

ヤングマン大臣の領土は広大だが資源が豊かで、何より内政上手のヤングマンが統治した土地、とても商業と農業が盛んな為、内政はとても楽なのである。金山などの鉱山もある為、軍事費もそこから賄える。

そして1番重要なのが東方の国ヘイワ帝国攻めの総大将である。

この国では大国攻めの総大将は武官にとっては何より名誉である。更には大国攻めの莫大な援助金も出るため、総大将に任命された者は財も得る事が出来る美味しいポジションなのだ。

これには国内No.1のクック大将軍も心中穏やかではない。確かにゲレーロ軍から寝返ったカミネロを厚待遇するのは重要な事だ。

しかし、それでも大国ヘイワ帝国の総大将とは・・・。まるでクック大将軍が役に立たないからカミネロを総大将に立てた様に感じる。

そんなクック大将軍の感情に気付いたサトミ女王はカミネロ大将軍が下がった後にクック大将軍にコソコソと耳元と喋る。

「クック大将軍、心配しないで下さい。ヘイワ帝国攻めの総大将にカミネロを任命したのは彼を納得させる為です。彼は戦が好きですから。」

「そ、そういう事ですか・・・」

ホッとするクック大将軍。・・・良かった、サトミ女王から役立たずとは思われていないようである。

「ただ、カミネロの力量ではヘイワ帝国には勝てないでしょう。好戦的な彼にはヘイワ帝国との戦いで死んでもらいたいですね。」

この場にいるクック大将軍以外には気付かれない様にサトミ女王は笑う。

サトミ女王にとってはゲレーロから寝返って味方になったカミネロ大将軍を根っこの部分から信用出来ないのだ。

その為、早く死んでもらいたいが為に名誉でもあるが危険な大国攻めに任命した。大国攻めは武官の名誉、戦好きのカミネロ大将軍はヘイワ帝国攻めで更に名を上げようと無理をする。

そんな心理をサトミ女王は利用しようとした。
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