31 / 70
内乱の終結
勝者と敗者
しおりを挟む
クック大将軍の率いる軍は城内でゲレーロの軍と戦い、その間に宗之はゲレーロと殺人兵器ナバーロを討った。
逃げていたヤングマン大臣も国内No.2と言われるカミネロ大将軍に討たれた。
二人の悪を倒したが、まだゲレーロ達の軍は二人の死を知らない・・・つまり、まだ戦いは終わっていなかったのである。
ゲレーロを討った宗之は王の間を出て、ゲレーロの大軍がいる方に生首を持ち歩きながら敵兵に向かって叫ぶ。
「おめぇらの大将ゲレーロは討ち取った!この戦は俺らの勝ちだ!さっさと降伏しろ!」
宗之の声はしっかりとハッキリと敵兵に聞こえた。
しかし・・・しかしである。まだ、もう一人の悪であるヤングマンの死の報告は誰も聞いていない。
つまり敵もまだ負けが決まったわけではない為、降伏は出来なかった。ここで降伏をしたらヤングマン大臣に何をされるか分からないからである。
「げ、ゲレーロ様が死んでも我らにはヤングマン大臣がいる!あの方がいる限り我らはまだ負けてはおらぬっ・・・!」
宗之は開戦当初に比べて敵の士気が大きく下がっているのが分かった。戦場の熱気というか・・・敵の勢いが間違いなく落ちている。恐らくゲレーロが死んだことが大きいだろう。
「相棒、敵さんはかなり勢いが落ちているな。」
「ああ、数は敵の方が圧倒的に多いが俺らが優勢だ。この勢いでヤングマンも殺す。この決戦に終止符を打つ!」
宗之と月光が気合いを入れて敵の大軍に飛び込むその時であった。
ドーンという大きな音と共にゲレーロの軍を凪ぎ払う軍が現れた。
宗之は音の方向を見ると、そこには軍を率いる甲冑を着た男であった。
手には誰かの生首を持っていた。
「あ、アレはカミネロ大将軍・・・!」
物陰で隠れているサトミ女王は小さな声で喋る。
「カミネロ大将軍とは何者なんだ?」
「国内No.2の大将軍で軍事力はそこらの将軍とは比べ物にならない戦力を持っています。まさかカミネロがゲレーロの味方とは・・・」
すると、月光はカミネロが手に持つ生首に気付く。
「なぁ姫さん、あの生首ってもしかしてヤングマン大臣かじゃないか?」
サトミ女王は遠くから目を凝らして見る。遠目だが視力の良いサトミ女王には見えた。確かにヤングマン大臣の首だと。
するとカミネロ大将軍は敵陣に生首を投げつける。
「こ、これはヤングマン大臣の首っ・・・!?」
「そして、あの男が持つ首はゲレーロ様っ・・・!?」
「こ、これはつまり・・・?」
大きく動揺するゲレーロの軍隊。すると宗之は大声で言う。
「つまり、おめぇらの負けだっ・・・!!大人しく降伏しろっ!」
大きく動揺していたゲレーロの軍には宗之の言葉1つで戦意を喪失した。
それもその筈、絶対的な王がおらず、率いる将もおらず、そして国内No.2と言われるカミネロの軍勢がいる。誰がどうみても負けなのは分かっていた。
ゲレーロの兵は大きく士気を落とし、その場に跪く。
「そ、そんなっ・・・!ゲレーロ様とヤングマン大臣が討たれるとはっ・・・!!」
「もう駄目だっ・・・。俺達は皆殺しにされてしまう。」
ゲレーロの兵は動揺し、混乱し、絶望する。
宗之はここで負けた兵、戦意喪失して死を恐れている兵に掛ける言葉を持っている。
・・・が、それは宗之が言う台詞ではない。これは我らの大将・・・いや、王が言わなければならない。
同時に国内No.2の大将軍カミネロも宗之と同じ事を思っていた。それと同時にカミネロは試していた。
我らの王がこの状況でどういう行動を取るのか。その行動から後のロデオ王国がどうなるのか推測するつもりなのだ。
当然、この状況でサトミ女王も気付いた。自分の言葉1つで敵の敗残兵の混乱を静めて救うことも、そして殺すことも。
逃げていたヤングマン大臣も国内No.2と言われるカミネロ大将軍に討たれた。
二人の悪を倒したが、まだゲレーロ達の軍は二人の死を知らない・・・つまり、まだ戦いは終わっていなかったのである。
ゲレーロを討った宗之は王の間を出て、ゲレーロの大軍がいる方に生首を持ち歩きながら敵兵に向かって叫ぶ。
「おめぇらの大将ゲレーロは討ち取った!この戦は俺らの勝ちだ!さっさと降伏しろ!」
宗之の声はしっかりとハッキリと敵兵に聞こえた。
しかし・・・しかしである。まだ、もう一人の悪であるヤングマンの死の報告は誰も聞いていない。
つまり敵もまだ負けが決まったわけではない為、降伏は出来なかった。ここで降伏をしたらヤングマン大臣に何をされるか分からないからである。
「げ、ゲレーロ様が死んでも我らにはヤングマン大臣がいる!あの方がいる限り我らはまだ負けてはおらぬっ・・・!」
宗之は開戦当初に比べて敵の士気が大きく下がっているのが分かった。戦場の熱気というか・・・敵の勢いが間違いなく落ちている。恐らくゲレーロが死んだことが大きいだろう。
「相棒、敵さんはかなり勢いが落ちているな。」
「ああ、数は敵の方が圧倒的に多いが俺らが優勢だ。この勢いでヤングマンも殺す。この決戦に終止符を打つ!」
宗之と月光が気合いを入れて敵の大軍に飛び込むその時であった。
ドーンという大きな音と共にゲレーロの軍を凪ぎ払う軍が現れた。
宗之は音の方向を見ると、そこには軍を率いる甲冑を着た男であった。
手には誰かの生首を持っていた。
「あ、アレはカミネロ大将軍・・・!」
物陰で隠れているサトミ女王は小さな声で喋る。
「カミネロ大将軍とは何者なんだ?」
「国内No.2の大将軍で軍事力はそこらの将軍とは比べ物にならない戦力を持っています。まさかカミネロがゲレーロの味方とは・・・」
すると、月光はカミネロが手に持つ生首に気付く。
「なぁ姫さん、あの生首ってもしかしてヤングマン大臣かじゃないか?」
サトミ女王は遠くから目を凝らして見る。遠目だが視力の良いサトミ女王には見えた。確かにヤングマン大臣の首だと。
するとカミネロ大将軍は敵陣に生首を投げつける。
「こ、これはヤングマン大臣の首っ・・・!?」
「そして、あの男が持つ首はゲレーロ様っ・・・!?」
「こ、これはつまり・・・?」
大きく動揺するゲレーロの軍隊。すると宗之は大声で言う。
「つまり、おめぇらの負けだっ・・・!!大人しく降伏しろっ!」
大きく動揺していたゲレーロの軍には宗之の言葉1つで戦意を喪失した。
それもその筈、絶対的な王がおらず、率いる将もおらず、そして国内No.2と言われるカミネロの軍勢がいる。誰がどうみても負けなのは分かっていた。
ゲレーロの兵は大きく士気を落とし、その場に跪く。
「そ、そんなっ・・・!ゲレーロ様とヤングマン大臣が討たれるとはっ・・・!!」
「もう駄目だっ・・・。俺達は皆殺しにされてしまう。」
ゲレーロの兵は動揺し、混乱し、絶望する。
宗之はここで負けた兵、戦意喪失して死を恐れている兵に掛ける言葉を持っている。
・・・が、それは宗之が言う台詞ではない。これは我らの大将・・・いや、王が言わなければならない。
同時に国内No.2の大将軍カミネロも宗之と同じ事を思っていた。それと同時にカミネロは試していた。
我らの王がこの状況でどういう行動を取るのか。その行動から後のロデオ王国がどうなるのか推測するつもりなのだ。
当然、この状況でサトミ女王も気付いた。自分の言葉1つで敵の敗残兵の混乱を静めて救うことも、そして殺すことも。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
最強魔導師エンペラー
ブレイブ
ファンタジー
魔法が当たり前の世界 魔法学園ではF~ZZにランク分けされており かつて実在したZZクラス1位の最強魔導師エンペラー 彼は突然行方不明になった。そして現在 三代目エンペラーはエンペラーであるが 三代目だけは知らぬ秘密があった
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜
雅
ファンタジー
【HOTランキング入り!】【ファンタジーランキング入り!】
【次世代ファンタジーカップ参加】応援よろしくお願いします。
異世界転移し創造神様から【創造眼】の力を授かる主人公あさひ!
そして、あさひの精神世界には女神のような謎の美女ユヅキが現れる!
転移した先には絶世の美女ステラ!
ステラとの共同生活が始まり、ステラに惹かれながらも、強くなる為に努力するあさひ!
勇者は神眼、魔王は魔眼を持っているだと?
いずれあさひが無双するお話です。
二章後半からちょっとエッチな展開が増えます。
あさひはこれから少しずつ強くなっていきます!お楽しみください。
ざまぁはかなり後半になります。
小説家になろう様、カクヨム様にも投稿しています。
転生したらチートでした
ユナネコ
ファンタジー
通り魔に刺されそうになっていた親友を助けたら死んじゃってまさかの転生!?物語だけの話だと思ってたけど、まさかほんとにあるなんて!よし、第二の人生楽しむぞー!!
〈完結〉昔酷いことをした姉はやっぱり今も酷かった。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」ゾーヤが経営する店がある朝出勤したら荒らされ、商品や宝石が盗まれていた。すぐさま警察に連絡し、捜査官が来たが、犯人の目星はついていた。姉のソフィヤだった。長女で婿を取って娘を儲けている姉は今では娘を放っておいてだらだらしている女だった。母と共に姉の部屋に乗り込んだゾーヤと、その姉との関係の裏にあるものは。
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
堕ちた神と同胞(はらから)たちの話
鳳天狼しま
ファンタジー
”彼の人も”また、虚しさと胡乱(うろん)の中で探していた、己の”すべて”をあずけてしまえる誰かを―――――
1600歳を超える神だったジルカース(主人公)は、幼い頃から対話をして親しかった神子のテオを探し下界へと降りる。
しかしジルカースは天界に居た頃の記憶を失っており、また下界は極めて治安の悪い世界だった。
略奪や奴隷狩りが横行する世界で、神であったはずのジルカースはやがていつしか暗殺家業をするようになる。
そんな中でジルカースは人の縁を知り時に絶望して、時に思いを重ねて生きてゆく。
穢れを知り堕ちゆく彼の行き着く先はいかなる場所なのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる