シカノスケ

ZERO

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大内輝弘の乱

戦国時代に来れて良かった

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ケン坊と温泉に来てみると、そこには俺たちが密かに期待していた光景は見れなかった…。


「誰もいないっスね…。」

本当に俺たち以外誰もいなかった。…がよく考えみればまだ午後6時前くらいだろうか。

さすがに風呂に入るには早すぎる。



「まぁ、俺達は汗を流す為に温泉に浸かりに来ただけだからな。飯食った後もう一度浸かりに来れば良いだけだから気にすんな。」


小次郎はケン坊を慰める。

その時、ケン坊の身体が目に入った。


鍛えられた身体、下半身もしっかり鍛えられている様でこれが「戦国時代の足軽?ボクサーか何かじゃない?」って感じの肉体である。



「ケン坊、お前凄い身体しているな。腕とか太いし、一体なに食ってんだ?」

そう言い小次郎はケン坊の腕を触る。

触って改めて物凄い筋肉だと感じた。

「なに食ってるって…そりゃ今まで雑兵と同じ質素な飯っスよ。てかむしろ兄貴は旨いもん食っている割りには筋肉無さすぎッス!」



「そうか?こんなもんだと思っていたけどなぁ。」

自分の上半身とケン坊の上半身を見比べる小次郎。

しかし、見比べたら確かに小次郎の身体は弛んでいた。


おかしいな。毎日鍛練していたつもりなのに。


毎日同じように鍛練しているケン坊に劣るなんておかしい。体質的な物が関係してんのかな。






そして、小次郎達は風呂から上がり少し転んで休憩をした。

正直、ここ最近多忙過ぎて疲れているのだ。


土地や家臣への報酬、内政など覚えることが多くて疲れきっていた。


本気で勉強するのは高校に通って以来だ。

大学では適当な文献やWikipediaに書いていることをそのままレポートにして書いて単位を得ていたのでまともに勉強をしていない。


小次郎はこの世界に来て改めて感じた。


大学とはなんと下らないところなんだろうかと。


これが理系の大学だとテストや実験があるから勉強はするが、小次郎が通っていた大学は文系で正直授業に出て出席点を得て、Wikipedia丸パクリのレポートを書くだけなんだから文系は不真面目が多い。


就職活動をしていた先輩から聞いたことがあるが、企業が理系を欲しがっているのは実験という失敗が許されない事に責任感を持ってやっているからだそうだ。


そんな責任感は文系では決して得られない。

しかし、これは小次郎が行っていた大学の話だ。

当然他の大学は違うだろうし、同じような大学もあるだろう。



そして大学に行っている奴は高校時代は進学校の奴が多いから、大学に入ると今までの鬱憤を晴らすかの如く調子に乗る。

これについては何となく理解できる。

高校までは清楚な女の子だったのに大学になると派手な服装をしたり、頭の悪そうな男の影響を受けるのは今まで勉強ばかりしていて刺激を得たことないからだ。

だから真面目な人間ほど堕ちるとき地の底まで堕ちる…。



そして、そんな下らない大学生活に中身はあるのだろうか?

得るものは一体なんだったんだろう?



そう考えると、戦国時代にタイムスリップして良かったのかも知れない。


この世界ではいつ死ぬか分からないから毎日を必死に生きることが出来る。

だから1日を後悔無く終えることが出来る。


それにこの時代では自分の身は自分で守らなきゃいけない。

そして自分の身を守るってことが思った以上に難しいことが分かった。


そして本当の意味で好きな女も出来たし、本気で…俺の手で守ってやりてぇと思った。

本当、この時代に来てから色々考えさせられ、考えを改めさせられる。


多分…これは神から下った天命なのだろう。


この天の争乱を尼子家を使い統べて見せよとの天命なのだ…。


この俺が歴史の主役なる…こんなの普通は有り得ない…。




ああっ…!素晴らしき戦国時代っ…!


神様っ…!この世界にこれた事を心から感謝していますっ…!




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