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尼子再興軍挙兵
毛利が動き始める
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二人の喧嘩を収めた輝元は新たに届いた書状を読む。
「えっとー、さっきお祖父様から新たに届いた書状によると、浦上・宇喜多が三村領土ある備中に攻めてきたから三村軍を撤退させよと…との命令です。」
それを聞いた元春は機嫌が悪くなる。
「三村軍をだと…?それに対尼子に出雲の豪族を帰還させると九州に置ける兵が僅かではないか!」
怒鳴る元春に輝元が言う。
「その為に大友にバレないように撤退させるんでしょ?それに秋月の残党と手を組めば少しは兵を多く見せることも可能ですよ。」
珍しく良い作戦を考えた輝元。
毛利輝元は祖父毛利元就の様な謀略家では無く、武勇にも優れていない、いわゆる凡人である。
だが、毛利輝元はその穏やかな性格で家臣の心を掴んでいた。
「珍しく良い作戦を考えましたね。輝元の作戦を使えば九州でも、まだ優位戦えるのでは無いですか?」
隆景は元春を見る。
元春はその作戦を悪くは思わなかった為、仕方なく頷く。
「仕方ないな…。珍しく輝元が良い考えを出したから、それに従おうじゃないか。」
「やった!あたしの作戦を採用すんの久しぶりだから嬉しいなー。」
無邪気にはしゃぐ輝元。
それを見た隆景は輝元を叱る。
「コラッ。当主たる者がはしゃいだりしないの。当主は常に堂々と振る舞いなさい。それから女の子なんだからもう少し落ち着いた喋り方をしなさい。」
小早川隆景は輝元の教育係りである。
輝元は早くに父隆元を亡くした為、幼い輝元の面倒を隆景が見ているのだ。
ここでは隆景は家臣の目がある為、軽く叱る程度にしているが、家臣がいないところでは輝元に厳しく躾をしている。
そして輝元は普段からそれを嫌がっている。
だが、輝元がみんなの前で無邪気にはしゃいだりするのは厳しく躾をする隆景に対する反抗である。
数日後、出雲勢と三村軍が兵を本土に帰還させた。
だが、小早川隆景は不安を感じていた。
浦上や宇喜多は隣国の別所・赤松と争っている状態で、三村攻めには本気を出せない。
むしろ怖いのは尼子軍。
尼子軍は出雲・石見以外にも中国地方全土に求心力がある。
反乱がすぐに鎮圧できないと大変なことになるだろう。
隆景は最悪の事態を想定し、その時の為にすぐに本土に帰れるように予め準備をする事にした。
そして隆景とは別に吉川元春は大友との決戦に備えていた。
決戦に備える事によって士気を上げ、大友に兵を本土に帰還させた事を悟られないようにしたのだ。
だが、毛利軍が兵を本土に帰還させた事は大友軍にはバレていた。
現在の大友家は毛利の九州討伐で明らかに押されており、滅亡の危機に晒されている。
小競り合いに勝利しても戦局を逆転させるほどには至らず、大友軍の総大将吉岡長増は局面打開の策を考えていた。
そして閃いたのが滅亡した大内家の一族大内輝弘に本土で反乱を起こさせることだ。
その為、本土で毛利の情報を調べに行っていた家臣が、毛利軍が尼子攻めと宇喜多・浦上討伐の為に兵を撤退させたとの情報を得たのである。
これを契機に中国地方は戦乱の嵐に巻き込まれていくのであった。
「えっとー、さっきお祖父様から新たに届いた書状によると、浦上・宇喜多が三村領土ある備中に攻めてきたから三村軍を撤退させよと…との命令です。」
それを聞いた元春は機嫌が悪くなる。
「三村軍をだと…?それに対尼子に出雲の豪族を帰還させると九州に置ける兵が僅かではないか!」
怒鳴る元春に輝元が言う。
「その為に大友にバレないように撤退させるんでしょ?それに秋月の残党と手を組めば少しは兵を多く見せることも可能ですよ。」
珍しく良い作戦を考えた輝元。
毛利輝元は祖父毛利元就の様な謀略家では無く、武勇にも優れていない、いわゆる凡人である。
だが、毛利輝元はその穏やかな性格で家臣の心を掴んでいた。
「珍しく良い作戦を考えましたね。輝元の作戦を使えば九州でも、まだ優位戦えるのでは無いですか?」
隆景は元春を見る。
元春はその作戦を悪くは思わなかった為、仕方なく頷く。
「仕方ないな…。珍しく輝元が良い考えを出したから、それに従おうじゃないか。」
「やった!あたしの作戦を採用すんの久しぶりだから嬉しいなー。」
無邪気にはしゃぐ輝元。
それを見た隆景は輝元を叱る。
「コラッ。当主たる者がはしゃいだりしないの。当主は常に堂々と振る舞いなさい。それから女の子なんだからもう少し落ち着いた喋り方をしなさい。」
小早川隆景は輝元の教育係りである。
輝元は早くに父隆元を亡くした為、幼い輝元の面倒を隆景が見ているのだ。
ここでは隆景は家臣の目がある為、軽く叱る程度にしているが、家臣がいないところでは輝元に厳しく躾をしている。
そして輝元は普段からそれを嫌がっている。
だが、輝元がみんなの前で無邪気にはしゃいだりするのは厳しく躾をする隆景に対する反抗である。
数日後、出雲勢と三村軍が兵を本土に帰還させた。
だが、小早川隆景は不安を感じていた。
浦上や宇喜多は隣国の別所・赤松と争っている状態で、三村攻めには本気を出せない。
むしろ怖いのは尼子軍。
尼子軍は出雲・石見以外にも中国地方全土に求心力がある。
反乱がすぐに鎮圧できないと大変なことになるだろう。
隆景は最悪の事態を想定し、その時の為にすぐに本土に帰れるように予め準備をする事にした。
そして隆景とは別に吉川元春は大友との決戦に備えていた。
決戦に備える事によって士気を上げ、大友に兵を本土に帰還させた事を悟られないようにしたのだ。
だが、毛利軍が兵を本土に帰還させた事は大友軍にはバレていた。
現在の大友家は毛利の九州討伐で明らかに押されており、滅亡の危機に晒されている。
小競り合いに勝利しても戦局を逆転させるほどには至らず、大友軍の総大将吉岡長増は局面打開の策を考えていた。
そして閃いたのが滅亡した大内家の一族大内輝弘に本土で反乱を起こさせることだ。
その為、本土で毛利の情報を調べに行っていた家臣が、毛利軍が尼子攻めと宇喜多・浦上討伐の為に兵を撤退させたとの情報を得たのである。
これを契機に中国地方は戦乱の嵐に巻き込まれていくのであった。
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