シカノスケ

尼子再興軍挙兵

宇喜多は危険

｢宇喜多か…。｣


宇喜多直家と言う名を聞いて鹿之介は険しい顔をする。


一瞬頭の中で宇喜多と同盟を結ぶ考えが浮かんだのだが、宇喜多直家は現在主君である浦上宗景を裏切り、織田信長や西播磨の赤松政秀と結び打倒浦上を掲げている。




現在尼子は山名・織田と同盟をしている為、織田と結んでいるが出来れば宇喜多直家とは手を結びたくはない。



謀略・暗殺を駆使して浦上家中を牛耳った謀将である。

そんな人間は尼子と手を結んでも不利になったら裏切るだろう。



険しい顔をしたが今はまだ信長から｢宇喜多の支援をしろ｣とは言われていない為、宇喜多の事を考えるのはまだ早いだろう。


しかし、鹿之介は明日香に言う。

｢毎回の様に悪いが少し頼み事をしても良いか？｣


｢別に良いよ。頼み事っていつもの事だし。｣


｢じゃあ、ちょっと備前と西播磨に行って浦上宗景と赤松政秀と赤松義祐、織田信長の現在の状況を知りたい。特に浦上については詳しく頼む。｣


｢うん、分かった。鹿之介も合戦頑張ってね。じゃあね。｣


そう言い明日香は歩いて旅立った。



西播磨の状況、織田の動向、浦上の家中。

これらを上手く利用すれば尼子の有利にいくだろう。



鹿之介は昔からの友達である出雲の商人の娘である明日香に今まで何度もこう言った情報を貰っている。


明日香の情報には間違いが一切なく、鹿之介は明日香の事を友として、情報屋として信頼している。


そして明日香は商人の娘として持つコネがあり、他大名と仲が良い。



戦国時代では実際に商人が他大名とのパイプ役となり、大名同士の同盟などに役に立つことがある。


鹿之介は明日香に尼子と他大名とのパイプ役になる事を望んでいるのだ。


そしてそれは、そんなに遠くない未来だと思っている。