シカノスケ

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仇敵との同盟

山名佑豊との初の面会

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そして遂に山名祐豊との面会になる。


小次郎と宗信は配下の者に連れられて大きな部屋に入った。



周りには家臣が五人。


そして真ん中の席にいる大柄な体型のおっさんが山名祐豊だろう。



宗信は正座をして座り、挨拶をする。


「尼子勝久の家臣の秋上宗信でございます。」


宗信がしたように小次郎も正座をして座り、挨拶をする。

「同じく尼子勝久の家臣の本城小次郎です。本日は両家にとって悪くない交渉をしに来ました。」



小次郎は挨拶をして、すぐに本題に入った。



「お互いにとって悪くない交渉とな。言うてみろ。」
山名祐豊は二人を睨み付けて言う。



山名と尼子はかつてお互いに領土を巡り争っていた。

その為、山名家は尼子を信用していない。



「我ら尼子再興軍と手を組んで毛利を倒しませんか?山名殿は最近毛利の攻撃を受け、対応に苦慮しているとか。でしたら山名殿は我々尼子再興軍に援助をして、お互いに毛利を倒しましょう。」


小次郎は淡々と言う。

最初は緊張していたが喋ると緊張も解れてきた。


「ふむ。確かに尼子の残党と手を組むのは良いが毛利に勝てる勝算はあるのか?」



「有りますよ。ただ、その為には山名殿には織田と同盟を組んでもらいたいです。恐らく我々が毛利を攻めたら勝てますが、それでは山名殿の背後から織田信長が攻めてきます。」



山名祐豊は納得した表情で言う。

「なるほどな。わしは良い案だと思う。お主はわしらの事も考えているんだな。」



「山名殿とは仲良くしていきたいと言う勝久様の考えです。それに織田信長は恐ろしく強い。優秀な家臣と神速の行軍が武器です。まともに戦ったらまず勝てません。」


この言葉は現代世界から来た小次郎だから分かることである。


この言葉を信じてくれたら今後もやりやすい。



「ふむ。お主の言う通り織田信長は恐ろしく強いらしいな。噂話程度だが聞いておる。」


ここで山名祐豊はいったん間を置いて言う。


「ところで本城小次郎と言うたか。お主からは戦国の世の人間とは違う臭いがするのだが、一体お主は何者じゃ?」


山名祐豊は鋭い眼光で小次郎を見る。



これには小次郎も驚いた。

この時代の服を着たのに普通とは違う人と気付けるものなのか?。


だがここで動揺しては相手も不審に思うだろう。



「私が何者かはまだ言うことは出来ません。ですがいずれお話します。」


小次郎は堂々と言った。


小次郎の態度を気に入ったのか山名祐豊は軽く笑う。

「その態度気に入った。良かろう。尼子と織田と同盟を結ぶこと考えても良かろう。ただ、わしらも重臣と話し合わないといけないからな。明日、結果を言おう。」


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