シカノスケ

ZERO

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仇敵との同盟

宗信の復活

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そして次の日。



「少しは顔色が良くなったな。動けるか?」


「あ、はい動けます。…もしかして昨日ずっと看病してくれたのですか?」


「ずっとって訳じゃないけど…。てか昨日の記憶ないの?」


驚く小次郎。しかし、よく考えてみたら驚く事でもない。

熱がかなり高かった為、記憶も曖昧なのだ。


「小次郎さんが私をお姫様抱っこしたのなら覚えています。でもそれ以外は…。」

そういえば、小次郎は神社を見つけた時に宗信をお姫様抱っこして神社まで運んだ。


その方が運びやすかったのである。



「あ、あそこにいる巫女さんが部屋を貸してくれたんだ。」

そう言い、巫女に近寄る小次郎と宗信。



「昨日はありがとう。この娘も大分良くなったよ。」



巫女は宗信の顔を見て言う。

「うん、少し顔色が良くなっている。」


「昨日はありがとうございました。夕食もご馳走して頂いて感謝しています。」

宗信はお辞儀をした。


「うん。じゃあこれあげます。」

巫女はそう言い、宗信に薬を渡した。


「まだ完治していないからしばらくは無理せず安静に。後、食後にこれ飲んでね。」



「すまない感謝するよ。また、体調悪くなったらここに来るよ。」


小次郎は冗談混じりに言う。

「うん。風邪引いたらまた来てね。てか暇な時には遊びにおいでよ。」



そして神社を出る前に巫女が小次郎に言いに来た。


「お兄さんに言っておきたいんだけど…。あの娘、たぶん体弱いから気を付けてね。」


「えっ?そうなのか?」

少し驚く小次郎。


「うん。だから家事とか全部押し付けたりしたらダメだよ。」


「なぜそれを知っているんだ…。」


「何となく。お兄さん家事とか出来そうに無いイメージだし。」


「うぐ…。」

小次郎は何も言えなかった。

確かに家事は出来ない。

現代世界では県外大学に行っていたから一人暮らししていたが部屋は汚いし、料理も出来なかった。




そして小次郎達は神社を後にした。



「しかし、あの巫女さん昨日とは全然違うな…。昨日は敬語で凄く固い雰囲気したのに。」



「確かに巫女にしては活発そうな娘ですよね。」


宗信がいつもの調子で言ってきた。


「てか本当に調子良さそうだな。」


「ん?私の事ですか?いつもこんな感じですよ。」

そう言い笑顔を見せる宗信。



「じゃあ元気になったみたいだし、山名祐豊の鳥取城に行こうか。」


「はい!」
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