シカノスケ

ZERO

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戦国時代へ

戦国の料理

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そしてしばらくすると、小次郎は鹿之助から馬を与えられる。

「馬を一頭貸すから乗れ。歩いたらかなり時間かかるからな。」


「え?俺、馬なんて扱えないぞ?」

現代社会で生きてきた小次郎からすると当たり前である。

馬に乗るなんて授業で習ってないし、習う必要もない。

「馬に乗れんのか。なら私の後ろに乗れ。」

そう言い、小次郎は鹿之助の後ろに乗る。

馬って乗ると暴れたりするイメージが合ったが意外と大人しいみたいだ。

「小次郎、振り落とされないように私の体を掴んどけ。」

そう言って鹿之助は馬を走らせた。

馬が風を切って走る。

こうやって馬に乗っていると気持ちいい。


馬は勢い良く、山を下って行く。


山を下って行くのは、結構怖い。

だが、鹿之助の馬術が上手いのだろう。

馬を上手く操って山を下っていく。


小次郎は鹿之助にしがみつきながら感じた。

馬を上手く操らないと、下手したら死ぬと。

山を下る時の馬の扱い方、一歩間違えたら落馬する。

確か、落馬は命に関わると聞いたことがある。





そして、しばらく馬に乗っていると寺が見えてきた。


その寺に止まり、みんな馬から降りる。


「ここが我々の本拠地だ。取り敢えず、今はこの寺を借りている。その内、再興軍を率いたら城を本拠地にするつもりだ。」


鹿之助はそう言い、みんなは寺に入る。


「では、これから食事の準備をする。待っておけ。」

そう言い、鹿之助が料理をする。

「え?鹿之助さんが料理をするの!?」

小次郎は少し驚く。尼子再興軍の実質的な総帥が自ら料理なんて想像が付かない。

「毎日作るわけではないがな。新参者が入ったら私が歓迎の意を込めて料理をするんだ。では料理をするから先に温泉にでも浸かると良い。」

そして、鹿之助は小声で立原に言う。

「叔父上、小次郎が温泉に行っている間に奴の荷物を見ておいてくれ。恐らくそれを見たら、奴がどこから来たのか分かると思う。」

立原はリュックサックを見て言う。

「荷物ってこれか?確かに怪しいが…。まぁ…分かった。」


そして小次郎は他の者に連れられて温泉に入りに行った。





小次郎が温泉に入っている間に小次郎の荷物を見ていた立原は驚いた顔をする。

立原は小次郎が持っていた島根の歴史の本を見ていた。

最初、色んな部分に疑問を持っていたが、読んでみると自分が知らない先の未来のことまで書かれていた。



「(なんだ…この本は。今は1568年なのに先の未来のことまで書かれているぞ…。)」


立原が読んでいるその時、鹿之助が聞いてきた。

「叔父上、どうだ?何か分かったか?」


「うむ…。この本には先の未来のことまで書かれている。もしや、奴は未来から来たのでは?」


鹿之助は立原が読んでいた本を手に取る。

「何だこの本は。漢字と平仮名で書かれているのか。それに字が明らかに人の物では無いな。」


そう言いつつも鹿之助はページをめくり、先を読んでいく。

「ふむ。ここに書かれているのが本当なら尼子再興に使えるのもあるだろうな。面白い。」


そう言い鹿之助は料理に戻る。





そして、小次郎が風呂から出てきて食事になる。

鹿之助が食事の前にみんなに言う。

「あー。今日はご苦労であった。みんなのお陰で石見銀山の下調べがはかどったし、毛利の雑兵もそれなりに討ち取れた。それに思いもよらぬ仲間も増えたしな。」

そう言い、鹿之助は小次郎を見る。


「今夜は久し振りに私自ら料理をしてみた。みんな、酒を飲み今日の疲れを取ってくれ。以上だ。」


そう言い、みんなは食事をする。


小次郎は料理を見て思う。

「(肉は少ないけど、比較的現代に近い食べ物だな。同じ日本だしそりゃあそうだよな。)」


そう言い、食事を取る。

そして、この料理が普段食べている料理とは桁違いの旨さである。


これが現代の料理と戦国時代の料理の違いなのか?

味は確かに現代の方がいいのだが、戦国の食べ物からは自然を感じる。

戦国時代は現代より調味料が少ない為、少ない調味料で上手く味付けしているのが良くわかる。


「どうだ?美味いじゃろう。」


立原に聞かれ、「美味しいっす」と返す小次郎。

みんなも美味しそうに食べている。

鹿之助も酒を飲みながら料理を食べている。


どうやら今日はこれ以上俺のことを聞かれそうに無い雰囲気だ。
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