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支援、支援!
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「ヒー様、消耗が激しい機械導具、メンテナンス頼んでもいいですか?救護室を貸し切ってるんで、そこでお願いします!」
アシュトは人々の怪我を回復させるためにかなりの頻度で導具を展開させ続けていた。アシュト自身の精神力は全く消耗していないが、導具の方は壊れる寸前。そこで、ヒースヴェルトの出番。
弱った砡を強化し、再び使えるようにしていくのだ。
「あい~!」
怪我人たちの集められている衛生室には、看護師たちに機械導具の発動の仕方をレクチャーしたり、栄養失調気味な幼い子たちに栄養のある果物を配ったりしていた。
アシュトに依頼され、救護室にとてとて、と一人で向かおうとしたところ、
「あー!でもトリア様を連れて行って!一人で行っちゃダメッスよー!」
と、呼び止められる。
「はぁ~い!トリアさん、行こ?」
「はい、ヒースヴェルト様。」
レジスタンスに身を寄せている者は、殆どが怪我人や、遠くの街まで避難が出来ない年配の人や幼い子、持病を抱えている人など。
いつ戦場になるか分からないこの土地で、遠くに逃げることさえ叶わず、ここで避難生活を強いられていた。
だが、アルクスの支援が得られた、という暁の門の主の言葉に人々は期待を寄せた。
さらに、信じられないほど回復したジョージの姿を見た、ハルネ家の事情を知っているレジスタンスの構成員は驚愕していた。
砡の力の偉大さを、目の当たりにしたのだから。
そして、それらを持ち込んでくれたアルクスの評価は鰻登りだった。
『融合!』
淡い虹色を放ちながら、砡に虹色の砡を掛け合わせ、ほんの少しだけ神力を足してゆく。
その様子を見ながら、トリアはふと、思い立ったようにヒースヴェルトの側に立つと。
「ヒースヴェルト様…。改めて、フレイド様を助けて頂いた時のお礼を言わせてください。…神鳥の防護は、あの時の邪神戦で無くてはならない存在でした。そして今もフレイド様の傍らで、共に世界も守ってくださっています。」
心からのお礼に、ヒースヴェルトは微笑んで頷いた。
「ぼくの産み出した鳥さんが、フレイド様のことを好きでいてくれて良かった。フレイド様はね、ぼくが理想としている管理者像そのもの!やっぱり憧れるなぁ。どうすれば、星の寿命をあれほどに延ばして、善良な魂を転生させることができるのだろう。…もっと、頑張らないと、なの!」
自らが仕えている主人への、心からの尊敬の言葉に、トリアは目を見開いた。
(私の知る神は、傲慢で他者を認めず、欠点ばかり突いてくる厄介な存在ばかりだった…。フレイド様が特別に温厚で平和主義であられることは分かっていたが…この御方はそれ以上に尊い。)
「トリアさん?」
「ふふっ。いえ。何でもありません。」
フレイドから、他の星の手助けを命じられた時は驚いたが、それ以上に怒りと不安を覚えた。
自分が仕えているのはフレイドであって、決して他の世界の管理者の指示に従いに行くなど、プライドが許さなかった。
他の翼たちも同等の憤りを感じていたようで、それに気づいたフレイドは困ったように微笑んだ。
『こちらの神鳥を賜った私の友人が今、少し困っていてね。創造神の御子でもあられるし、私は助けてあげたいのだ。』
そう言った。
フレイドの傍らにいる美しい虹色の鳥は、かつて邪神からの凄まじい攻撃を全て防ぎ、傷ついた翼たちを癒やした。
神鳥の存在は、既に誰もが認め、敬愛している。
『…ひょっとして、あの時のあの子、なのですか?』
トリアは星の終わりの日に創造神と共に居た、彼を思う。
『そうだよ。トリアは一度出会っているね。あの時、創造神様の裾陰に隠れておられた、あの愛らしかった子だ。』
覚えている。
ディーテ神があれほどに大切にされていた神候補の少年。
『あの子は、神になられたのですね!』
『あぁ。真っ直ぐに、美しい魂のまま神化なされたよ。それ故、人間どものくだらない感情に傷つくこともあってな。先に起こる…聖戦に耐えられるかディーテ様も気にかけておられる。…私が出来ることなら、協力してやりたいと思ってね?恩を返す時だ。誰か、あの子の世界を救う手助けをしてやって欲しい。』
それならば、迷うことはない。
トリアは自ら進んで手助けを願い出た。
そして、トリアの上司であるロシュリハインも彼女が自分の意思で決めるなど初めてで、その少年に興味を抱いたのだ。
それから、十名ほどの選抜隊が組まれ、ヒースヴェルトの支える星へとやって来た。
翼の誰もが、彼の純粋さや神力の強さに改めて敬服し、フレイドの願いを叶えるべく、全力で助力すると約束した。
「さぁ、出来上がり!トリアさん、アシュトのところへ戻ろう!」
「はい!」
そんなことを思い出しながら、つい頬を緩めた。
アシュトは人々の怪我を回復させるためにかなりの頻度で導具を展開させ続けていた。アシュト自身の精神力は全く消耗していないが、導具の方は壊れる寸前。そこで、ヒースヴェルトの出番。
弱った砡を強化し、再び使えるようにしていくのだ。
「あい~!」
怪我人たちの集められている衛生室には、看護師たちに機械導具の発動の仕方をレクチャーしたり、栄養失調気味な幼い子たちに栄養のある果物を配ったりしていた。
アシュトに依頼され、救護室にとてとて、と一人で向かおうとしたところ、
「あー!でもトリア様を連れて行って!一人で行っちゃダメッスよー!」
と、呼び止められる。
「はぁ~い!トリアさん、行こ?」
「はい、ヒースヴェルト様。」
レジスタンスに身を寄せている者は、殆どが怪我人や、遠くの街まで避難が出来ない年配の人や幼い子、持病を抱えている人など。
いつ戦場になるか分からないこの土地で、遠くに逃げることさえ叶わず、ここで避難生活を強いられていた。
だが、アルクスの支援が得られた、という暁の門の主の言葉に人々は期待を寄せた。
さらに、信じられないほど回復したジョージの姿を見た、ハルネ家の事情を知っているレジスタンスの構成員は驚愕していた。
砡の力の偉大さを、目の当たりにしたのだから。
そして、それらを持ち込んでくれたアルクスの評価は鰻登りだった。
『融合!』
淡い虹色を放ちながら、砡に虹色の砡を掛け合わせ、ほんの少しだけ神力を足してゆく。
その様子を見ながら、トリアはふと、思い立ったようにヒースヴェルトの側に立つと。
「ヒースヴェルト様…。改めて、フレイド様を助けて頂いた時のお礼を言わせてください。…神鳥の防護は、あの時の邪神戦で無くてはならない存在でした。そして今もフレイド様の傍らで、共に世界も守ってくださっています。」
心からのお礼に、ヒースヴェルトは微笑んで頷いた。
「ぼくの産み出した鳥さんが、フレイド様のことを好きでいてくれて良かった。フレイド様はね、ぼくが理想としている管理者像そのもの!やっぱり憧れるなぁ。どうすれば、星の寿命をあれほどに延ばして、善良な魂を転生させることができるのだろう。…もっと、頑張らないと、なの!」
自らが仕えている主人への、心からの尊敬の言葉に、トリアは目を見開いた。
(私の知る神は、傲慢で他者を認めず、欠点ばかり突いてくる厄介な存在ばかりだった…。フレイド様が特別に温厚で平和主義であられることは分かっていたが…この御方はそれ以上に尊い。)
「トリアさん?」
「ふふっ。いえ。何でもありません。」
フレイドから、他の星の手助けを命じられた時は驚いたが、それ以上に怒りと不安を覚えた。
自分が仕えているのはフレイドであって、決して他の世界の管理者の指示に従いに行くなど、プライドが許さなかった。
他の翼たちも同等の憤りを感じていたようで、それに気づいたフレイドは困ったように微笑んだ。
『こちらの神鳥を賜った私の友人が今、少し困っていてね。創造神の御子でもあられるし、私は助けてあげたいのだ。』
そう言った。
フレイドの傍らにいる美しい虹色の鳥は、かつて邪神からの凄まじい攻撃を全て防ぎ、傷ついた翼たちを癒やした。
神鳥の存在は、既に誰もが認め、敬愛している。
『…ひょっとして、あの時のあの子、なのですか?』
トリアは星の終わりの日に創造神と共に居た、彼を思う。
『そうだよ。トリアは一度出会っているね。あの時、創造神様の裾陰に隠れておられた、あの愛らしかった子だ。』
覚えている。
ディーテ神があれほどに大切にされていた神候補の少年。
『あの子は、神になられたのですね!』
『あぁ。真っ直ぐに、美しい魂のまま神化なされたよ。それ故、人間どものくだらない感情に傷つくこともあってな。先に起こる…聖戦に耐えられるかディーテ様も気にかけておられる。…私が出来ることなら、協力してやりたいと思ってね?恩を返す時だ。誰か、あの子の世界を救う手助けをしてやって欲しい。』
それならば、迷うことはない。
トリアは自ら進んで手助けを願い出た。
そして、トリアの上司であるロシュリハインも彼女が自分の意思で決めるなど初めてで、その少年に興味を抱いたのだ。
それから、十名ほどの選抜隊が組まれ、ヒースヴェルトの支える星へとやって来た。
翼の誰もが、彼の純粋さや神力の強さに改めて敬服し、フレイドの願いを叶えるべく、全力で助力すると約束した。
「さぁ、出来上がり!トリアさん、アシュトのところへ戻ろう!」
「はい!」
そんなことを思い出しながら、つい頬を緩めた。
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