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閑話~絶望の先に①~ sideヒースヴェルト

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文章中、残酷な表現があります。ご注意ください













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真っ暗な森に、たった一人。


風で木々がざわめく度に、僕の鼓動が速くなる。


ここにいたくない。


でも、どっちが出口?

もし出られても、家には帰れない。あの女や、村長だっている村になんて、帰れない。

弱々しい足取りで、何となく獣道を辿る。



がさっ。



「ッ!!な、に?」

突然、真っ暗な茂みから音がして、
真っ赤な目が二つ、こっちを見た気がした。

怖い、怖い、怖いっ!!!

いやだ、ここにいたくない!!

真っ赤な目が、一瞬消えたと、思ったら。

僕の目の前に、居て。


ばくんっ!!

僕の、肩でそんな音がした。真っ暗なのに、僕の目の前が真っ赤に染まった。

痛い、熱い、怖い!!

ものすごく痛くて、熱い何かが身体中駆け巡ってる。

「う、アアアァアーーー!!!!!」



痛みと熱に耐えきれず、叫んだら、今度は喉が焼けるみたいに熱くなって、ごぷり、と音がして鉄の味が口の中で広がった。

もう、嫌だ。痛い。死ぬのかな。コイツに食べられてしまうのかな。

どさり、とバランスを崩して地面に倒れた。

そこに、小さな石を見つけたから。

とっさに、手を伸ばしてその小石を握って、化け物に投げつけた。

バァァァン!!!

投げつけたとき、何故か石が爆発して。

僕の腕は、化け物と一緒に弾け飛んでしまった。

『ギャアァーーー!!!!!』


耳が壊れそうなほど、大きくて恐ろしい咆哮に、僕は固まった。


「な、に・・・?」

なにが、起きたの?僕の腕、なくなっちゃった。

いたい。いたい。



もう、痛くてたまらない。





こわい。いたい。だれか、助けて。


















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