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1話 のその後。(瑞side)

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「…はぁ…」
梓沢 凛は、俺の幼馴染だ。
…まぁ、一応、可愛くは…ある。
別に、好きとかそんなんじゃない…多分。
俺は地味に生きることができるように精進してきた。
…別に、凛のためとかそう言うのではない。ただ、注目を浴びると面倒なのだ。
…色々と。
目立つ…というか人が俺に集まると凛は先程のように俺を連れ出して説教する。
…まぁ、端的に言うと彼女の言い分は『関わるな』、だ。
でも帰る方向は同じだし、互いに部活には所属していないしで結局関わることになるのだ。
凛の方から声をかけなければ、関わりは減る…と思う。
しかし、何故か彼奴は声をかけてくる。
今まで、まぁ…そこそこ沢山の人達に告白されてきた。
『好きだ』と言う代わりに凛のように声をかけてくれた人もいた。
でも…凛の場合は『好き』ではないのだと思う。
凛は単なるお人好しなのだ。
困っている人がいたら誰だって助ける。
_たとえ自らが傷ついても、だ。
そんな優しい所がきっと…好かれるんだろう。
…俺は断じて好きではないが。
「…でも」
でも、もし、万が一、本当に数%にも、天文学的数字にも満たない奇跡が起きたとして。
凛が、俺のこと…
そこまで考えてハッとした。
「いや、それは…」
ない。
ないだろ。
だって…無頓着そうだろ。
俺だって何人も断ってきた。
でも…それでも、俺のことを考えてくれてるとしたら…
「…嬉し…」
そこで俺は口を塞いだ。
いや、なんて言おうとしてんだ、俺!!
何に期待して、何が嬉しいんだよ。
「もう、嫌だ…」
何も考えないようにしよう。
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