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一、蕾

一、蕾 ⑬

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「うーん。汗も危険だ。はやく君の中を私で溢れるぐらいそそがないとね」
 挑発するように笑う彼が、侵入してくる指を増やした。
 今まで誰にも触れられたことがない部分への圧迫に、シーツに爪が食い込む。
「ゆ、び、動かすな」
 指を動かしながら喋る彼のせいで、腰が揺れた。長い指が内襞を広げるようになぞるせいで、腰が揺れてしまう。揺れるたびに身体の奥から、濡れていく。
 溢れていくのは、彼の指と水音が連動しているので、自分でも分かる。
 気持ちがいいからじゃない。痛みを感じないように、生理現象だ。どんどん濡れて溢れて、彼の指がピストンされるたびにぐちゅぐちゅと耳を塞ぎたくなるような水音が響く。ベットに押し付けられた肉茎からは先走りがこぼれ、腰を揺らすたびにベットに押し付けた刺激でさらに固くなっていった。

「危険な香りですね」
「ゆ、びって、ばっ ああっ」
 彼の指が引き抜かれながら一番気持ちがいい場所を擦った。その嬌声を聞き逃さなかった彼が、再びそこを強く推した。

「ああああああっ」

 腰が何度もバウンドする。彼が肩を掴み、横を向くように体制を変えられると、膨張した肉茎から勢いよく精を放ってしまった。肩で大きく息をする僕は、見下ろしてくる竜仁さんを見上げる。
 だけど、息を整える暇もなく再び指がそこを責め出した。
「やっ その指、いや、だっ。動かす、なっ」

 太腿までガクガク震えて、涙で視界が霞む。
 でもそこを指で強く押されると、嬌声も腰の振れもとまらない。理性が、壊されていく。

「色気がない声。まあ、初めてなら仕方ないか。可愛いですよ」
 忌々し気に睨んだ僕を、彼はあざ笑う。
 暴君は甘く惑わせるように僕に言う。

「大丈夫だよ」

 初めて、彼の憎らしい指が僕の頭を撫でた。
 その瞳は、息を飲むほど優しい。

「大丈夫。その甘い蜜を全て吸い尽くして代わりに私の精を注いでやろう」
「は、や、やだ――っ」

 暴れる僕を片手で簡単に抑えながら、ファスナーを下ろす。
 僕は全て脱いで、全てさらけ出されているのに。彼は少しズボンをずらしただけで服はジャケットを脱いだだけ。僕だけが弄ばれているこの状況は嫌なのに。
 初めて知る快感に、身体が熱くて止まらない。身体は次の刺激を期待して、中を締め付けている。
 指が引き抜かれ、はしたなくパクパクと大きく口が開きっぱなしで、シーツは何度も放った精で濡れて冷たく、体温を奪っていくのに。
火傷しなそうなほど熱くそそりたった肉茎が僕に押し付けられた。

「可愛い私の、運命」
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