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これから、きみの名前を出木杉くんと呼ぶよ。

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未来に着いたら、そこはタイムパトロールの基地だった。

レンタルの小型機のタイムパトロールのタイムマシンは
そこ以外には到着できないんだ。

何故かはわからないが、ぼくの個人情報はすでに登録済みで、チェックされると
すぐに基地を出る事ができた。

(タイムマシンに登録した時にダブルチェックできたのは申請時に登録して
許可をもらってあった為。)

(そして、バカ真面目に全財産を支払って借金を返した事や血筋を残していない事や残念タレントとして笑い者にされた
過去とかも可哀想だと同情されて、
普通くらいの学力を会得する許可が
おりたんだ。)
(小学校の高学年レベルで全教科が0点ばかりってのはあまりにも酷いからね。)

僕たちは基地の入り口の無人タクシーに
乗って病院に向かった。

これから精密検査があるらしい。
その検査結果でどうなるかが決まるらしい。

病院はこじんまりとした小さな病院だった。
ここにはぼく達しかいないらしい。

ぼくは小学1年生からの全部の教科のテストを受けていった。

音楽や家庭科の授業もあったし、
色々な事をやらされた。

心理テストも受けた。

カウンセリングも受けた。

気がつくと3週間が経過していた。


『出木杉(仮)さんのカウンセリングの結果が出ました。』

「出木杉って何ですか?」

『とりあえずの苗字だと思ってください。』

『貴方は名前を替えたいと強く願っていますね?苗字も名前も変える予定になっています。』

「はぁ」

『で、結果ですが、貴方は家事全般の
才能が高いと出ました。
特に料理の才能があります。』

「えっ!そうなんですか!」

『ええ。不慣れだったので、
最初に少し失敗しただけで、
とんかつも美味しいとんかつを作っていましたし、酢豚や天ぷらも合格点をあげられる出来栄えでしたよね?』

「合格なんですか?」

『何人もの料理人に見せましたし、
試食もしてもらいましたが、
合格でした。
天ぷらなんかは難しい料理ですからね。
できない人は何度も失敗したり、
教わっても合格点を取れない人は大勢居ます。
私の母親もそうでしたよ。
天ぷら粉のダマが残っているのが許せないと言ってかき混ぜ過ぎて、台無しに
してしまうんです。
そういう人っているんですよ。』

「へえ」

『料理人の作り方を見たり聞いたりして
その注意を守って作れるのは立派だし
才能があると断言できるくらい、
素晴らしい才能なんです。』

「ぼくにも才能があったんだなぁ、
嬉しいです。」

『料理好きの小学生としてテレビに出れるレベルですよ。
中々の才能です。誇っていいですよ。』


『で、学校の勉強の方ですが、
小学1年生からじっくりと復習していきましょう。』

「えっ!小学校1年から!」

『ええ。復習して繰り返すのは
1番最初にやる事なんです。
どこで躓いているのか、探る為です。
これは中学生でも小学生低学年まで
遡って復習するのが普通なんですよ。
そうすれば、テストで平均点以上を取る事ができるようになります。』

『ここには学習塾で経験を積んだ学習ロボットが居ます。
彼に家庭教師になってもらって、
家庭科以外の授業の復習を受けてもらいます。』
(出木杉くんの家事の才能は平均以上だった。掃除は教わった様にできるし、
洗濯も干して乾かした衣類の畳み方も
立派にできていた。料理もレシピ通りに作れるし現時点ではキャベツの千切りが苦手だけど、ピーラーを使えば見事な千切りキャベツを作れている。)


それから、ぼくの勉強の日々が始まった。
勉強の合間の息抜きに、プロの料理ロボットに料理を教わるのは最高に面白かった。
料理のレパートリーは100種類を超えたよ!


勉強の成績も上がっていった。
3年のテストで満点が取れるようになり、4年のテストで満点が取れるようになり、5年のテストで満点が取れるようになった。

あれ?筋トレして色々なスポーツの
コーチに指導してもらっているせいかな?
何だか運動も得意になってる?

普通のストレートだけだと130キロの
ピッチングマシンの球も軽々と打ててるんだけど?

『出木杉くんは視力が悪かったからね。
それも打てなかった原因の1つさ。
ピッチングマシンを使って練習したから
成長したのさ。
それにプロスポーツ選手のやってる
動体視力向上のトレーニングやサプリも
使っているからね。』

(タイム風呂敷で幼児の頃に戻って
ダンスを練習したりピアノを練習したりできれば、もっと運動神経を育てられるんだけどね。
小学生の間は運動神経を育てる為の
ゴールデンエイジだからね。)

(まぁ、運動神経向上のサプリを飲んでいるからダンスのレッスンをしているだけで並以上の運動神経に成長させれるだろう。
視力は回復させて眼鏡はいらなくなった
しね。)


ぼくは知らなかったが、意外と発達障害の人って多いらしい。
未来では遺伝子をコーディネートして
いるから、酷い遺伝病とかは無いみたいだけど。

その発達障害の人向けのプログラミングが、この教育プログラミングみたいだ。


授業の中には合気道や護身術の授業も
行われるようになった。

ぼくの身体だけど、テレビで見た体操を
やっている小学生のような筋肉質な身体つきになってきた。
顔つきも精悍な感じになって、
ちょっとハンサムになっていて嬉しい。

私立中学を目指す小学生のように合宿して勉強しつつ、スポーツを頑張る小学生のようにスポーツや合気道を頑張っていると、今までの自分がいかにダメだったか理解できた。
寝るのが好きで長時間寝たり、勉強も予習や復習をしなかったり、、、
1日は24時間しかないのに有意義に
時間を使っていなかった。
筋トレとかも全然やってなかったし。

小学生レベルなら勉強とスポーツは両立できる。

東大を目指すような高校生は高校入学時には高校レベルの勉強はすでに学習済みで、3年間をたっぷり使って受験に備えるそうだし、
名門中学を目指すような子どもは小学生レベルの授業は2年早く学習して中学レベルの勉強を小学校時代に
勉強しているそうだ。

「そういう人達も居るんだな~」
とぼくは他人事のようにテレビを見てた。

お父さんに頼んでバッティングセンターに行って、遅い球から始めて、速い球まで、1日使って打ち続けて練習していたら、草野球レベルのバッティングで
三振して殴られる事は無くなっただろう。
たった1日。
10,000円もかけずに練習しただけで
それなりの物を身につける事ができたのに、ぼくはやろうと思わなかった。

いや、思いつけなかった。

お父さんに説明もできなかった。

いじめられて、泣いて布団で寝て、
何の努力もしない
駄目野駄目夫はもういない。


ぼくは努力する。
人並みくらいは努力する。

ぼくだって、努力し続けて、逆上がりだって出来るようになったし、懸垂だって
30回もできるようになった。

今、マラソンすればクラスで真ん中くらいには行けるだろう。

勉強ももっと頑張ろう。
ぼくは生まれ変わる!


(出木杉くんは生まれ変わりつつあります。
私は小学校高学年から大学入学まで
家庭教師の先生に勉強を教わっていました。文系の研究者で大学院に行っている
素晴らしい先生です。
今は錆びついていますが、ずっと英語や
勉強全般を教わっていた上、色んな読書もして情報収集をしていた事がどれほどプラスになったか、、、
恩恵は凄く大きかったです。

出木杉くんが短期間で成長しているのも
教育やダンスや合気道や護身術や
各スポーツのプロ級のコーチから指導を
受けているからです。
教え方の上手い学習塾の先生に教わると
いかにプロが凄いか理解できますよ。
効率が段違いです。

そして、令和の今より先の未来の学習プログラミングですからね。

彼ら学習ロボット達はできない小学生を
再教育する経験を積んだプロ集団です。

彼は出木杉くんくらいの子どもに
進化しつつあります。
いや、プロが用意した相手と組み手して
実戦空手のような殴り合いすら経験しているので、いじめっ子を返り討ちにできる出木杉くんです。

そして、いや、その話は後で話ましょう。

その時が来たら。)
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