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ダーティとラブ
セーフワード
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時系列はもう少し前なのですが、ダーティとラブ編の、ダーティとディックの過激なプレイのシーンです
指の骨を折るシーンがありますので、痛みの表現が得意でない方はお気をつけください。
***
今、ダーティとディックの2人は、小さな机を挟んで対面になるよう腰掛けている。
ディックの頼みにより今から飼いネコのマゾスティックな欲求を満たそうとしているのだ。
ラブ……もといディックは、ダーティに指の骨を折って欲しいらしい。
「まずは……毎回確認している事だがな。『セーフワード』を言ってみろ」
セーフワード……これは、2人で決めている約束である。
もしディックが本当にプレイをやめて欲しいと願った時、この言葉が無いと危険だからだ。
どうしても「やめて」や「嫌だ」や「止めろ」といった言葉はプレイ中に出てしまうもの。
その言葉が真意なのか、はたまた感情の昂りによる言葉なのかは一瞬で区別できない。
その為、それら以外のストップの言葉……セーフワードを決めてあるのだ。
「ディック」
咄嗟に出やすく、2人とも覚えられる言葉。
普段ダーティはディックの事を「ラブ」と呼ぶ為、ディックの本当の名を互いのセーフワードにしているのだった。
「良い子だ。さぁ手を出せ。どこの指が良い?」
「左手の小指」
「いつも左手だな?」
「右手が利き腕だからな。もしアンタの身に何かあった時、助けてやれなくなっちまう」
「ラブ……お前は本当に良い子だよ」
ディックは左手を差し出す。手の甲を見せるように肘を突き、まるで腕相撲でもするかのように。
だが、これから始まるのは腕相撲ではない。
もっと過激で、一方的な暴力。
ダーティに小指を握られたディックはビクッと体を震わせた。
「怖いか?」
ディックはダーティに顔を合わせず「ん」と唸る。
「でもやめて欲しくないんだろう?」
「ん」
「ほら、少しだけ曲げてやろう」
ゆっくりとダーティの小指を手前……つまり手の甲側に曲げる。
やがて関節の限界まで引っ張った。
ここから先は限界の後……苦痛を味わうゾーンだ。
「ゆっくり行くぞ」
ダーティの言葉にディックは無言で頷く。
ゆっくりと、ゆっくりと。
亀の歩みよりも遅く指を甲側へ折り曲げる。
「あ……あ、っ」
力無くディックは呻く。
「体が震え始めたな? 怖いか」
ダーティは小指をしっかり握ったまま手を止める。
「こわ、い」
子供の泣き言のようだ。
「もう少しだけ曲げてやろう」
ほんの少しだけ小指を引っ張った。
「あ゛……っ!」
「痛いか?」
「いたい、いた、い……!」
ディックはゆっくりと顔を上げる。恐怖と期待が入り混じった表情だ。
ディック……ある意味恐ろしい男だ。
「ほら……ゆっくりとな。少しずつ引っ張ろう……!」
自分の中にほんの少しだけ秘められた「相手を傷付けたい」という欲求に身を任せ、ダーティは更にディックの指を曲げる。
「い゛だっ、い゛だ、い゛だ、い」
声が冷静さを欠いてゆく。
「ゆっくりと……! だが、確実に骨折に近付いている。感じるか? お前の指の関節が悲鳴を上げ始めてる!」
「い゛だっ! あ゛……やめ、や゛め、え……っ!」
呼吸を荒くし冷静さを完全に失ったディックは、小さな机に体を任せ始めた。
少しずつ慎重に曲げ続け、ダーティは止める。
「ラブ……ここが限界地点だ! これ以上曲げれば折れる!」
「い゛や、い゛やだ……っ!!」
2人のボルテージが上がってゆく。
ダーティは美しい瞳をギラギラ輝かせ、手の力を一切緩めない。
ディックは鷹の如く鋭い両目からボロボロと涙を溢し震え続ける。
「いいんだな? ラブ! 良いんだな! 折って良いんだな!?」
ダーティの最終確認に、ディックは顔を上げた。
「ん゛っ、ん……」
怯えながらも口角を上げて、何かを期待するような表情のディックはこう呟いた。
「すべっ、て……アンタの、思い、通りに……!」
『全てアンタの思い通りに』……これはディックの口癖である。
ダーティは鼻で笑い、美しい青年から出てるとは思えないほど悍ましい声で。
「じゅーう」
カウントダウンを始めたのだ。
ディックは目を見開き、絶望的な表情を浮かべる。
「きゅーう」
「あ……あっ、あっ」
「はーち」
「は……は、は、はっ」
「ななー」
「ぐっ、ゔ……っ!」
「ろーく」
「あ、あ、あ、あっ!」
「ごー」
「はっ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡」
「よーん」
「……い゛、やだ」
「さーん」
「こわいこわいコワイコワイコワイ……!
「にー」
「止めっ! ダーティ……ッ!!」
「いーち」
「ゔ……ゔゔぅッ!!」
「ゼロ」
ダーティは一気に力を込め、ディックの指の爪と手の甲がくっ付く勢いで曲げた。
骨が折れる時の実に生々しい感触が、肉を伝わりダーティに刻まれる。
途端にディックは地獄の苦しみに声を上げ、もがき苦しんだ。
椅子から転げ落ち、のたうち回る。
そのようなディックを俯瞰し、ダーティはほんの数ミリだけ口角を上げた。
しばらくしてようやく落ち着き、ディックは呆然と床に寝転がる。
「ラブ、起きろ。手当をしてやろう」
旅行カバンから救急箱を取り出したダーティがディックに呼びかけた。
「…………」
ディックは無言のまま左手以外を使って立ち上がり、再び椅子に腰掛けた。
「酷い顔だ」
その目は涙で赤く充血しており、顔は青ざめている。
「それでもお前は……笑ってる。本当に救い難い男だよ」
折れ曲がったままの指を自らの手で乱暴に戻し、顔を歪めながら手を先程のようにダーティに差し出す。
既に小指は赤くなり、腫れているようだ。
「重ねて言うが」
とダーティは話し続けながら、慣れた手つきでディックの指を手当てする。
「君が夢魔だからやったんだ。人間相手にこんな事は絶対にしてはいけない」
ディックは無言で手当てされている様を見下ろしながら聞いている。
「下手をすると相手に一生ものの傷を負わせる可能性がある。頼まれて折った本人が捕まる可能性だってある。だからね、ラブ。頼まれても決してやってはいけない」
いいか? と諭すような口調のダーティの言葉を聞き、ディックは「ん」と頷いた。
「まぁ、こんな事を本気で頼む奴なんてお前くらいなものだろう」
手当を終えたダーティは「よし」と呟いた。
「夢魔の体とは便利だな。例え欠けても精気さえあれば再生してしまう。この傷も数日あれば治るんだろう?」
「……もっと遅くても良いんだが」
ディックの言葉にダーティは鼻で笑い、改めて飼いネコの救いようのない倒錯した趣味に一種の恐ろしさを感じたのだ。
「ラブ……手遅れだ。お前はもう元に戻れない」
とダーティはディックの手に自身の手を重ねたのだった。
指の骨を折るシーンがありますので、痛みの表現が得意でない方はお気をつけください。
***
今、ダーティとディックの2人は、小さな机を挟んで対面になるよう腰掛けている。
ディックの頼みにより今から飼いネコのマゾスティックな欲求を満たそうとしているのだ。
ラブ……もといディックは、ダーティに指の骨を折って欲しいらしい。
「まずは……毎回確認している事だがな。『セーフワード』を言ってみろ」
セーフワード……これは、2人で決めている約束である。
もしディックが本当にプレイをやめて欲しいと願った時、この言葉が無いと危険だからだ。
どうしても「やめて」や「嫌だ」や「止めろ」といった言葉はプレイ中に出てしまうもの。
その言葉が真意なのか、はたまた感情の昂りによる言葉なのかは一瞬で区別できない。
その為、それら以外のストップの言葉……セーフワードを決めてあるのだ。
「ディック」
咄嗟に出やすく、2人とも覚えられる言葉。
普段ダーティはディックの事を「ラブ」と呼ぶ為、ディックの本当の名を互いのセーフワードにしているのだった。
「良い子だ。さぁ手を出せ。どこの指が良い?」
「左手の小指」
「いつも左手だな?」
「右手が利き腕だからな。もしアンタの身に何かあった時、助けてやれなくなっちまう」
「ラブ……お前は本当に良い子だよ」
ディックは左手を差し出す。手の甲を見せるように肘を突き、まるで腕相撲でもするかのように。
だが、これから始まるのは腕相撲ではない。
もっと過激で、一方的な暴力。
ダーティに小指を握られたディックはビクッと体を震わせた。
「怖いか?」
ディックはダーティに顔を合わせず「ん」と唸る。
「でもやめて欲しくないんだろう?」
「ん」
「ほら、少しだけ曲げてやろう」
ゆっくりとダーティの小指を手前……つまり手の甲側に曲げる。
やがて関節の限界まで引っ張った。
ここから先は限界の後……苦痛を味わうゾーンだ。
「ゆっくり行くぞ」
ダーティの言葉にディックは無言で頷く。
ゆっくりと、ゆっくりと。
亀の歩みよりも遅く指を甲側へ折り曲げる。
「あ……あ、っ」
力無くディックは呻く。
「体が震え始めたな? 怖いか」
ダーティは小指をしっかり握ったまま手を止める。
「こわ、い」
子供の泣き言のようだ。
「もう少しだけ曲げてやろう」
ほんの少しだけ小指を引っ張った。
「あ゛……っ!」
「痛いか?」
「いたい、いた、い……!」
ディックはゆっくりと顔を上げる。恐怖と期待が入り混じった表情だ。
ディック……ある意味恐ろしい男だ。
「ほら……ゆっくりとな。少しずつ引っ張ろう……!」
自分の中にほんの少しだけ秘められた「相手を傷付けたい」という欲求に身を任せ、ダーティは更にディックの指を曲げる。
「い゛だっ、い゛だ、い゛だ、い」
声が冷静さを欠いてゆく。
「ゆっくりと……! だが、確実に骨折に近付いている。感じるか? お前の指の関節が悲鳴を上げ始めてる!」
「い゛だっ! あ゛……やめ、や゛め、え……っ!」
呼吸を荒くし冷静さを完全に失ったディックは、小さな机に体を任せ始めた。
少しずつ慎重に曲げ続け、ダーティは止める。
「ラブ……ここが限界地点だ! これ以上曲げれば折れる!」
「い゛や、い゛やだ……っ!!」
2人のボルテージが上がってゆく。
ダーティは美しい瞳をギラギラ輝かせ、手の力を一切緩めない。
ディックは鷹の如く鋭い両目からボロボロと涙を溢し震え続ける。
「いいんだな? ラブ! 良いんだな! 折って良いんだな!?」
ダーティの最終確認に、ディックは顔を上げた。
「ん゛っ、ん……」
怯えながらも口角を上げて、何かを期待するような表情のディックはこう呟いた。
「すべっ、て……アンタの、思い、通りに……!」
『全てアンタの思い通りに』……これはディックの口癖である。
ダーティは鼻で笑い、美しい青年から出てるとは思えないほど悍ましい声で。
「じゅーう」
カウントダウンを始めたのだ。
ディックは目を見開き、絶望的な表情を浮かべる。
「きゅーう」
「あ……あっ、あっ」
「はーち」
「は……は、は、はっ」
「ななー」
「ぐっ、ゔ……っ!」
「ろーく」
「あ、あ、あ、あっ!」
「ごー」
「はっ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡」
「よーん」
「……い゛、やだ」
「さーん」
「こわいこわいコワイコワイコワイ……!
「にー」
「止めっ! ダーティ……ッ!!」
「いーち」
「ゔ……ゔゔぅッ!!」
「ゼロ」
ダーティは一気に力を込め、ディックの指の爪と手の甲がくっ付く勢いで曲げた。
骨が折れる時の実に生々しい感触が、肉を伝わりダーティに刻まれる。
途端にディックは地獄の苦しみに声を上げ、もがき苦しんだ。
椅子から転げ落ち、のたうち回る。
そのようなディックを俯瞰し、ダーティはほんの数ミリだけ口角を上げた。
しばらくしてようやく落ち着き、ディックは呆然と床に寝転がる。
「ラブ、起きろ。手当をしてやろう」
旅行カバンから救急箱を取り出したダーティがディックに呼びかけた。
「…………」
ディックは無言のまま左手以外を使って立ち上がり、再び椅子に腰掛けた。
「酷い顔だ」
その目は涙で赤く充血しており、顔は青ざめている。
「それでもお前は……笑ってる。本当に救い難い男だよ」
折れ曲がったままの指を自らの手で乱暴に戻し、顔を歪めながら手を先程のようにダーティに差し出す。
既に小指は赤くなり、腫れているようだ。
「重ねて言うが」
とダーティは話し続けながら、慣れた手つきでディックの指を手当てする。
「君が夢魔だからやったんだ。人間相手にこんな事は絶対にしてはいけない」
ディックは無言で手当てされている様を見下ろしながら聞いている。
「下手をすると相手に一生ものの傷を負わせる可能性がある。頼まれて折った本人が捕まる可能性だってある。だからね、ラブ。頼まれても決してやってはいけない」
いいか? と諭すような口調のダーティの言葉を聞き、ディックは「ん」と頷いた。
「まぁ、こんな事を本気で頼む奴なんてお前くらいなものだろう」
手当を終えたダーティは「よし」と呟いた。
「夢魔の体とは便利だな。例え欠けても精気さえあれば再生してしまう。この傷も数日あれば治るんだろう?」
「……もっと遅くても良いんだが」
ディックの言葉にダーティは鼻で笑い、改めて飼いネコの救いようのない倒錯した趣味に一種の恐ろしさを感じたのだ。
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