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キュートアグレッション

おねだり

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(はぁ……疲れた)

 川で洗ってダッドに魔法で乾かしてもらった冒険服を着たヴェルトが、疲れ切った表情を浮かべている。

 帰路に着きながら、ヴェルトは心の中で溜息を吐いた。

 あの後、ダッドにしつこく「お前の彼女紹介してくれ」と頼まれたのだ。

 恐らくダッドの中ではエディ以上の、それはそれは素晴らしい女性像が出来上がっていて、一度は顔を見てみたいと思っているのだろうが……紹介できる訳がない。

 カイラが男だから紹介できない……というより、彼がまだ未成年だから紹介できないのだ。

(しばらくは何とか誤魔化さないとなぁ……)

 ようやく家に着き、ヴェルトは鍵を開けて屋敷に入る。

「ただいまー」

 声をかけると、リビングの方から足音が聞こえ始めて。

「ヴェルトさん、おかえりなさい……」

 頬を真っ赤にしたカイラが、もじもじとしながら玄関までヴェルトを迎えたのだ。

「ただいま……どうしたのカイラ君。熱でもあるのかい?」

 あまりに様子が変なので、ヴェルトはカイラの額に手を当て熱を測る。

「ちっ、違います! その……ぼ、勃起が、収まらなくて」

 恥ずかしそうに告白し、カイラはローブをキュッと掴んだ。

「……なぁんだ。そんな事か」

 ヴェルトは優しげな笑みを浮かべてカイラの頭を何度かポンポンと撫でた後、わざとカイラを放って風呂場へ向かう。

「ヴェルトさん、射精させてください」

 ヴェルトの背を追いかけながらカイラは真剣な声色で願う。

「じゃあ、ティニーがお飾りだって認めなよ」

「……嫌です」

「じゃダメだ」

「~~~~ッッ!」

 あまりに冷たくあしらわれたので、温厚なカイラの頭にも血がのぼり、咄嗟にヴェルトの前に回りタックルした。

 押し倒すつもりで全力で突撃したのだが、剣士の鍛え上げられた肉体に最も容易く止められてしまった。

「……っと。まさかカイラ君、押し倒そうとしたのかい?」

 加虐性をくすぐられたヴェルトはニヤリと笑い、ひょいとカイラを抱き上げる。

「わっ、わっ!」

「君が押し倒すなんて100年早い。君は僕の下でアンアン言ってれば良いんだよ」

 静かな口調だが乱暴な言葉にカイラは悔しそうに顔を歪ませる。

「いっ、嫌です……! 僕だってヴェルトさんを____」

 反抗し続ける口をキスにより無理やり塞ぐ。

「ん……っ♡」

 チョコレートのように甘い口付けを体が両手もろてを上げて迎え入れてしまう。

「僕、シャワー浴びてくるからさ。寝室で待ってて」

 それは、まごう事なき誘いの言葉。

「えっ、でもまだ昼過ぎで……こんな時間から……」

「別に良いじゃない。それともカイラ君、夜まで待てるのかい?」

「……待てません」

 素直なカイラに微笑みかけて、ヴェルトは愛しい彼を下ろしてやった。

   ***

 風呂場で汗とグリフォンの体液を完全に落としたヴェルトは、上機嫌で寝室の扉を開けた。

「……うわ」

 ベッド上に寝転がるカイラを一瞥いちべつしたヴェルトは驚いて声を上げた。

「ゔ……ヴェルトさん……♡」

 そこにいたのは、まるで喧嘩に負けて降伏する犬のようなポーズをとった裸のカイラだ。

 仰向けに寝転がり、貞操帯をアピールするように足を広げている。両手は胸の高さで軽く握っていた。

「カイラ君……そんな姿、僕以外の人間には見せないでね? 襲いたくなっちゃうから」

 ヴェルトは気持ちを抑えながらベッドの側に立ちカイラを見下ろす。

 カイラはもはや快楽を得る事以外考えていないようなとろけた表情でヴェルトを見上げている。

 銀色の貞操帯。ティニーを覆う筒の先端から蜜が溢れた。

「お願いします……♡ しゃせい、しゃせいさせてください♡」

「さっきからそれしか言わないね?」

 目に余る痴態にヴェルトはサディスティックな欲求を満たす為カイラを煽る。

「射精の為なら、そんな恥ずかしい事もできちゃうんだね?」

「……だって。だって!」

 カイラは今にも泣きそうな表情を浮かべながら続ける。

「射精できないの辛いの、ヴェルトさんだって分かってるはずじゃないですか! でも僕、1人じゃ何にもできなくて……だから! 必死にヴェルトさんに射精おねだりするしかないじゃないですかぁ!」

「ふっ……ふふふ」

「何笑ってんですかぁ!」

 必死の叫びを嗤われたカイラは遂に怒りながら泣き出してしまった。

「ごめんごめん。あまりに可愛いからさ……本当に可愛い。優しい性格に素直な体。あまりに可愛過ぎて……もっと虐めたくなっちゃうなぁ」

 小さな音を立てて、貞操帯が緩む。

「あ……っ!」

 勃起したいあまり、カイラはすぐ貞操帯に手を伸ばす。

「ダメ、カイラ君。僕が取るから」

 カイラの手を片手で止めて、もう片方の手で貞操帯を、ゆっくり、ゆっくり。と外してやる。

「あ……焦らさないでください♡」

 貞操帯をゆっくりと持ち上げると、チューブに覆われていたカイラの肉茎の根元が顔を出す。

 よほど我慢していたのだろう。既にいっぱいに膨らんでいる肉茎は濡れている。

「はやく、はやくぅ……♡」

 全て外に出た瞬間に、押さえつけられていた肉茎が勢い良く勃ち上がる。

「あんっ♡ ……あっ♡ ぼっきぃ……きもちいっ♡」

 何者にも邪魔されず伸び伸びと勃起できる喜びに浸るカイラのティニーを、ヴェルトは観察する。

 ヴェルト曰くとてもちっちゃいティニーなカイラの雄の勲章は、完全に怒張していても柔らかな皮に包まれている。

 全体的に白く先端だけややピンク色に染まっているので、使い込まれていないのが一目で分かる。

「ぼく、もう……っ!」

 遂に我慢ができなくなり、カイラは右手で自身の肉棒を握り慰め始める。

「ああっ♡ あっ、あっ、あっ♡」

 数日ぶりの刺激にくらくらして、カイラはヴェルトの目の前で甘い声を上げる。

「カイラ君……気持ち良くなってるところ悪いんだけどさ。カイラ君の、ちょっと小さくなったよね」

「ふぇ……?」

 間抜けな声を上げながら手を止めないカイラに話し続ける。

「ずっと貞操帯に押さえつけられてるせいかなぁ? カイラ君のちっちゃいのに、余計ちっちゃくなったね?」

 カイラを更に追い詰める為に吐いた嘘。

 素直で純粋なカイラはまんまとヴェルトの話を信じてしまった。

「やだ……やだっ! ちっちゃくなるのやだっ!」

「こんなお粗末ちんちんじゃ女の子も僕も悦ばせられないね? こんな事言われてもシコシコする手止められないんだ?」

「はぁ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡……」

 どれほど扱いても出る気配が無く、カイラは乱暴に擦り始める。

「ダメだよカイラ君、乱暴にしちゃ……ティニーはカイラ君が思ってるより繊細なんだからね?」

 ヴェルトもようやくベッドに上がりカイラの隣に寝転がる。

「まず、こんな風に優しく握ってさ」

 ヴェルトはカイラの屹立全体を手で包み込む。それだけで期待に胸を躍らせカイラは甘く鳴く。

「ゆっくりと全体を軽く扱いたり」

「あっ♡ あっ♡ きもち……い♡」

「裏筋の部分を指で気持ち強めに押してあげながら擦ってあげたり」

「あっ♡ それっ♡ すご……♡」

「指で輪っかを作って、カリ首のところブルンブルンっていわせるように小刻みに上下に可愛がったり」

「いやぁっ♡♡ ぎもぢ、ん~~~~ッ♡」

「先端部分だけを指の腹で、クルクルなぞるように触ってあげたり……ね?」

「あ゛っ♡ きもちぃ、です……っ♡♡」

 ヴェルトはカイラの耳元に口を寄せ、そっと息を吹きかける。

「やぁあっ♡」

「ちなみに、今の触り方なんだけどさ……女の人の気持ち良い部分。クリトリスって言うんだけどね? その部分と同じ触り方だよ。女の子にするような触り方で悦んじゃうんだね? カイラ君、すっかり女の子になっちゃったね?」

「あっ♡ あっ♡ い、イき……ますっ♡♡」

「えぇ、女の子みたいにされてイっちゃうんだ?」

「イく、イく、イくイくイくぅっ♡♡」

 もはやカイラにはヴェルトの声は届いていない。

 射精できる。

 その期待感で胸をいっぱいにしているからだ。

 そして精液が尿道を遡り始めたタイミングで……

「はいダメ~」

 と歌うように冷酷に告げてパッと手を離しカイラを拘束するように抱きしめた。

「あ……っ、~~~~ッッ♡♡」

 期待を裏切られたカイラは必死に抵抗する。自らヴェルトの下半身に自身の屹立を強く擦り付けるが……努力虚しく、呪いのせいで精液がもといた場所へ戻ってゆく。

「カイラ君、まさか射精させてもらえるって思ってたの? 甘いよ。ハチミツより甘い。ティニーがお飾りだって認めるまで射精させてあげないから、そのつもりでね?」

「いやだ♡ いやだ♡……」

「ほら、我慢我慢。このまま射精の波が落ち着くまで我慢しようね?」
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