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先生
幸せな目覚め
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「……ん?」
ふかふかのダブルベッドの上で目覚めたガゼリオは、見知らぬ天井を見上げる。
「ここ……どこだ?」
上半身を起こし、ぼんやりとした頭を抱えて部屋を見回す。
1つのテーブルに、それを挟むように置かれている2脚の椅子。恐らく2人で暮らしているのだろう。
この部屋の住民のうち1人は服好きなのだろう。クローゼットに収まりきらない服を金属製のハンガーラックにかけている。
(……あれブラックピースエイジのジャケットじゃね? その隣のはクリスアンドザバンデットだし……あとモアティスもあるじゃねーか……てか、全部俺のじゃねーか!?)
ガゼリオは更に辺りを注意深く見渡す。
自分が持っている物ばかりだったが、よく見るとポーションが机の上にそのまま置かれていたり、床に見た事のない革製のくたびれたリュックが置かれていたりしていた。
恐らくもう1人の住民は冒険者だ。
そして遂に、もう1人の住民が誰であるかがハッキリと分かる物を見つけた。
深い色合いのデスクの横に立てかけられている2本の剣。忘れるはずがない、あれは……
「やっと起きたかい? ねぼすけだね君は」
聞き覚えのある声に目を丸くし顔を上げる。
そこにはいつの間にかラフな服装のヴェルトが立っていた。
酷い事をしてしまったはずなのに。ヴェルトから愛おしげな目を向けられている。
「ヴェルト……?」
ベッドに腰を下ろしたヴェルトに体を抱き寄せられる。
「普段寝てないからだよ? 仕事にかまけてさぁ」
ガゼリオは甘い口付けを受けた。
「ん……っ」
「ガゼリオ、今日こそは僕の事も構ってもらうからね。最近恋人らしい事全くしてなかったからね」
「待て、待ってくれ!」
「ん?」
ヴェルトは不思議そうにガゼリオを見下ろす。
「あの……俺たちってさ……付き合ってるん……だったっけ?」
恐る恐るといった言葉を聞いたヴェルトは失笑し、やれやれと両手を挙げる。
「何言ってんのさ? 当然じゃん」
淀みない肯定の言葉に身を強張らせたガゼリオの頬に朝露よりも清らかな雫が伝う。
(そっか……俺って、ヴェルトと付き合ってるんだっけ)
「どうしたのさガゼリオ、泣いてんの?」
ガゼリオの目に残る涙をそっと指で拭いてやったヴェルトの視線は実に穏やかだ。
「いや、その……嬉しいんだよ。俺がヴェルトの恋人だって……」
「本当にどうしたの? 昔から僕らずっと一緒だろ。今もこうして一緒に住んでんだからさ」
ガゼリオはそっと抱きしめられて。
「忘れちゃったのかい? 思い出せるように僕から恋人らしい事してあげようか」
「へっ?」
実に鮮やかな手つきで押し倒された。
「僕とするの好きだもんね?」
組み敷かれる事にこれ以上無い恐怖を覚えたガゼリオは「『バインド』ッ!!」と叫ぶように詠唱し、ヴェルトの体をがんじがらめに捕らえる。
上に乗られた事で養父の事を思い出し、フラッシュバックを起こしてしまったのだ。
「痛い、痛い! ガゼリオ痛い!」
「っ、悪い!」
絶叫するヴェルトの体を、ガゼリオはすぐに解放した。
「……ごめんねガゼリオ。お前、上に乗られるの嫌なんだよね?」
自分と向き合うように隣に寝転がり、抱き締めてくれるヴェルト。
冒険者としての強で温かい胸に顔を埋め、ガゼリオは自分を落ち着かせようと試みる。
「……悪い」
「謝るのは僕だよ……怖い事思い出させちゃったね。大丈夫、僕がずっとそばにいるから……ね?」
宥めるように大きな手で背を撫でられると、次第に強張っていた体が落ち着きを取り戻す。
「横にいる分には大丈夫だよね?」
ガゼリオは疲れたような表情を浮かべ1回だけ頷いた。
「ほら、少しでもリラックスできるように触ってあげるよ」
ヴェルトの手がガゼリオの下半身へ伸びてゆく。
「まっ、待てよ、朝からこんな事」
「さっきから言ってたでしょ? 恋人らしい事をするって」
「だからって、さっきまで怖がってた俺を襲うのかよ。……最低な奴」
「そうだよ、僕は最低な男なんだよ。君が1番分かってるでしょ?」
ヴェルトの手が下着の中へ入り込み、柔らかな肉茎に触れられる。
「あ……」
「声出しちゃって……可愛いなぁ」
ヴェルトの大きな手で刺激されたガゼリオの欲望が、ゆっくりと起き上がる。
「ガゼリオのってさ、サイズはまぁあるけどなんか控えめで……可愛いよね」
「お前のに比べりゃあ……っ、可愛いだろうよ」
「ふーん? ……じゃあ、実際に合わせて比べてみる? こっち向いてガゼリオ」
ガゼリオは小さく唸ってヴェルトと向かい合うように横向きに寝転がる。
「ガゼリオの顔見てたら僕のもこんなんなっちゃった」
少々サディスティックな笑みを浮かべたヴェルトの屹立がガゼリオの肉茎へ押し付けられる。
「ゔゔ……っ」
大きさを比べられ、ガゼリオは男として否定された気分になる。
(まぁ……それでも良いや)
「うーん、やっぱりなんか控えめなんだよね。でも形綺麗だし良いんじゃないかな?」
話しながらヴェルトは2本の屹立を同時に扱き始めた。
ガゼリオは熱い吐息を吐きながらヴェルトの背に手を回す。
「そうだ、ガゼリオのに名前付けようか。『モデスト』が良いんじゃないかな」
「勝手に、うっ、名前付けんな。モデスト……っておいおい……そのまんまじゃねーかバカにしてんのか」
モデストは魔法の言語で『控えめ』という意味を持つ。
「お前……よく知ってたな、その言葉。魔法、勉強した事ねーのに」
「少しくらいなら分かるよ」
しばらく互いの呼吸のみが部屋を支配し続けた。
「そろそろキツいんじゃない? 表情とろけてるよ?」
「……お前こそ」
「バレちゃった? 一緒にイこうか」
フィニッシュへ向かう為、ヴェルトの手が更に2人の欲望を掻き立て始める。
「あ……っ!」
ガゼリオは咄嗟にヴェルトの背に爪を立てる。
「ね、ガゼリオ……このまま一緒に……ッ!」
やがてヴェルトとガゼリオは身を震わせ、ほとんど同時に絶頂に達した。
体を弛緩させ息を弾ませるガゼリオは、「気持ち良かったね」と呼びかけられ再び唇を奪われる。
「ガゼリオ……僕には君だけなんだ。君だけが僕を分かってくれる。君だけが僕を悦ばせてくれる。君だけが僕を愛してくれる。だからさ……僕の事も構ってよね。寂しいだろ?」
「……うん」
愛しいヴェルトの温かさに包まれながら、ガゼリオは小さく頷いた。
ふかふかのダブルベッドの上で目覚めたガゼリオは、見知らぬ天井を見上げる。
「ここ……どこだ?」
上半身を起こし、ぼんやりとした頭を抱えて部屋を見回す。
1つのテーブルに、それを挟むように置かれている2脚の椅子。恐らく2人で暮らしているのだろう。
この部屋の住民のうち1人は服好きなのだろう。クローゼットに収まりきらない服を金属製のハンガーラックにかけている。
(……あれブラックピースエイジのジャケットじゃね? その隣のはクリスアンドザバンデットだし……あとモアティスもあるじゃねーか……てか、全部俺のじゃねーか!?)
ガゼリオは更に辺りを注意深く見渡す。
自分が持っている物ばかりだったが、よく見るとポーションが机の上にそのまま置かれていたり、床に見た事のない革製のくたびれたリュックが置かれていたりしていた。
恐らくもう1人の住民は冒険者だ。
そして遂に、もう1人の住民が誰であるかがハッキリと分かる物を見つけた。
深い色合いのデスクの横に立てかけられている2本の剣。忘れるはずがない、あれは……
「やっと起きたかい? ねぼすけだね君は」
聞き覚えのある声に目を丸くし顔を上げる。
そこにはいつの間にかラフな服装のヴェルトが立っていた。
酷い事をしてしまったはずなのに。ヴェルトから愛おしげな目を向けられている。
「ヴェルト……?」
ベッドに腰を下ろしたヴェルトに体を抱き寄せられる。
「普段寝てないからだよ? 仕事にかまけてさぁ」
ガゼリオは甘い口付けを受けた。
「ん……っ」
「ガゼリオ、今日こそは僕の事も構ってもらうからね。最近恋人らしい事全くしてなかったからね」
「待て、待ってくれ!」
「ん?」
ヴェルトは不思議そうにガゼリオを見下ろす。
「あの……俺たちってさ……付き合ってるん……だったっけ?」
恐る恐るといった言葉を聞いたヴェルトは失笑し、やれやれと両手を挙げる。
「何言ってんのさ? 当然じゃん」
淀みない肯定の言葉に身を強張らせたガゼリオの頬に朝露よりも清らかな雫が伝う。
(そっか……俺って、ヴェルトと付き合ってるんだっけ)
「どうしたのさガゼリオ、泣いてんの?」
ガゼリオの目に残る涙をそっと指で拭いてやったヴェルトの視線は実に穏やかだ。
「いや、その……嬉しいんだよ。俺がヴェルトの恋人だって……」
「本当にどうしたの? 昔から僕らずっと一緒だろ。今もこうして一緒に住んでんだからさ」
ガゼリオはそっと抱きしめられて。
「忘れちゃったのかい? 思い出せるように僕から恋人らしい事してあげようか」
「へっ?」
実に鮮やかな手つきで押し倒された。
「僕とするの好きだもんね?」
組み敷かれる事にこれ以上無い恐怖を覚えたガゼリオは「『バインド』ッ!!」と叫ぶように詠唱し、ヴェルトの体をがんじがらめに捕らえる。
上に乗られた事で養父の事を思い出し、フラッシュバックを起こしてしまったのだ。
「痛い、痛い! ガゼリオ痛い!」
「っ、悪い!」
絶叫するヴェルトの体を、ガゼリオはすぐに解放した。
「……ごめんねガゼリオ。お前、上に乗られるの嫌なんだよね?」
自分と向き合うように隣に寝転がり、抱き締めてくれるヴェルト。
冒険者としての強で温かい胸に顔を埋め、ガゼリオは自分を落ち着かせようと試みる。
「……悪い」
「謝るのは僕だよ……怖い事思い出させちゃったね。大丈夫、僕がずっとそばにいるから……ね?」
宥めるように大きな手で背を撫でられると、次第に強張っていた体が落ち着きを取り戻す。
「横にいる分には大丈夫だよね?」
ガゼリオは疲れたような表情を浮かべ1回だけ頷いた。
「ほら、少しでもリラックスできるように触ってあげるよ」
ヴェルトの手がガゼリオの下半身へ伸びてゆく。
「まっ、待てよ、朝からこんな事」
「さっきから言ってたでしょ? 恋人らしい事をするって」
「だからって、さっきまで怖がってた俺を襲うのかよ。……最低な奴」
「そうだよ、僕は最低な男なんだよ。君が1番分かってるでしょ?」
ヴェルトの手が下着の中へ入り込み、柔らかな肉茎に触れられる。
「あ……」
「声出しちゃって……可愛いなぁ」
ヴェルトの大きな手で刺激されたガゼリオの欲望が、ゆっくりと起き上がる。
「ガゼリオのってさ、サイズはまぁあるけどなんか控えめで……可愛いよね」
「お前のに比べりゃあ……っ、可愛いだろうよ」
「ふーん? ……じゃあ、実際に合わせて比べてみる? こっち向いてガゼリオ」
ガゼリオは小さく唸ってヴェルトと向かい合うように横向きに寝転がる。
「ガゼリオの顔見てたら僕のもこんなんなっちゃった」
少々サディスティックな笑みを浮かべたヴェルトの屹立がガゼリオの肉茎へ押し付けられる。
「ゔゔ……っ」
大きさを比べられ、ガゼリオは男として否定された気分になる。
(まぁ……それでも良いや)
「うーん、やっぱりなんか控えめなんだよね。でも形綺麗だし良いんじゃないかな?」
話しながらヴェルトは2本の屹立を同時に扱き始めた。
ガゼリオは熱い吐息を吐きながらヴェルトの背に手を回す。
「そうだ、ガゼリオのに名前付けようか。『モデスト』が良いんじゃないかな」
「勝手に、うっ、名前付けんな。モデスト……っておいおい……そのまんまじゃねーかバカにしてんのか」
モデストは魔法の言語で『控えめ』という意味を持つ。
「お前……よく知ってたな、その言葉。魔法、勉強した事ねーのに」
「少しくらいなら分かるよ」
しばらく互いの呼吸のみが部屋を支配し続けた。
「そろそろキツいんじゃない? 表情とろけてるよ?」
「……お前こそ」
「バレちゃった? 一緒にイこうか」
フィニッシュへ向かう為、ヴェルトの手が更に2人の欲望を掻き立て始める。
「あ……っ!」
ガゼリオは咄嗟にヴェルトの背に爪を立てる。
「ね、ガゼリオ……このまま一緒に……ッ!」
やがてヴェルトとガゼリオは身を震わせ、ほとんど同時に絶頂に達した。
体を弛緩させ息を弾ませるガゼリオは、「気持ち良かったね」と呼びかけられ再び唇を奪われる。
「ガゼリオ……僕には君だけなんだ。君だけが僕を分かってくれる。君だけが僕を悦ばせてくれる。君だけが僕を愛してくれる。だからさ……僕の事も構ってよね。寂しいだろ?」
「……うん」
愛しいヴェルトの温かさに包まれながら、ガゼリオは小さく頷いた。
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