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ガゼリオ
4日目〜遭遇〜
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休日のレザーの街。
露天商が声を張り上げ観光客を唆す。
往来の顔はどこか楽しげで。
穏やかないつも通りの時間がゆっくりと過ぎてゆく。
そのような中、魔法学校で教鞭を握るガゼリオは、せっかくの休日なのでお気に入りのカフェにでも行こうと大通りを歩いていた。
道中で見覚えのある人物を見かける。
昨日、共に酒を飲み交わしたヴェルトだ。
どこかへ出かけるのか、彼は戦闘服ではなくカジュアルな装いに身を包んでいる。
その隣にいるのは茶色いショートヘアの人。
(あの人がヴェルトの『滅茶苦茶にしたい人』か……思ってたより小柄だな。可哀想に、あんな悪い男に捕まって)
とその人の顔に注目したガゼリオは、
「カ、イ……ラ?」
と目を白黒させながら呟いた。
魔導士を目指していたカイラは魔法学校の卒業生で、ガゼリオは彼の担任だったのだ。
ガゼリオは失笑した。
「ふっ……ふふふ、マジかよ」
胸ポケットからタバコを取り出し。
「おいおい……おいおい」
にやにや笑いながら右手の指の間にタバコを挟むと。
「おいおいおいおいおいおいおいおい……!」
顔を青ざめさせ、空いている左手で頭を抱えた。
(なんで? え、なんで!? なんであの2人が一緒にいんのぉ!?)
2人にバレないように距離をとりながら観察し続ける。
2人はどことなく楽しそうに会話しながら、どこかへと向かっているようだ。
(いや、確かカイラあいつ冒険者になったはずだからな? 冒険仲間という事も……という、事も……)
めちゃくちゃにしたい人。
茶髪に緑の目。
ヴェルトはその人の事をずっと「その子」と呼んでおり、「彼女」とは呼んでいなかった。
細々とした会話が実に生々しく、嫌な予感を起こさせるのだ。
タバコを燻らせ自身を落ち着かせると、『インビジブル』という透明化の魔法を無詠唱で自分にかけた。
元とはいえ、自分の生徒。
(先生が子供を守らなくてどうする)
例え相手が知己の仲であるヴェルトだとしても。
(俺がカイラをあの犯罪者から守らなければ!)
クワっと目を開き決意を固め、ガゼリオは透明化したまま2人の後を追ったのだ。
***
カイラとヴェルト……それとガゼリオの3人は、とある服屋に辿り着いた。
「わぁ……」
小さい店だが、様々な服がずらりと並ぶ様にカイラは思わず声を出した。
彼の反応の良さにヴェルトはつい微笑む。
「でも、本当に良いんですか? お洋服買ってもらっても」
「良いんだよ。あのローブしか持ってないとかあり得ないから」
「……結構着やすいんですよ?」
「そう言う問題じゃないから」
うーんと唸りながらカイラは店内の奥へと足を踏み入れる。
「ええと、ええと……どんな服が良いんですかね? どう思います、ヴェルトさん」
「無難なやつがいいでしょ多分」
とヴェルトはヘラヘラ笑う。
「無難……ブナン?」
カイラは「ブナン」と呟きながら物色し始めた。
「これとかですかね?」
と言って手に取りヴェルトに見せたのは真っ白なシャツ。
「いいんじゃない」とヴェルトは適当に返した。
(でもなぁ、服の事なんて僕もよく分からないからなぁ……無駄に服好きなガゼリオがここに居てくれたらなぁ)
と心の中で呟くヴェルトの側にいる透明人間ガゼリオが、ヴェルトを睨み付けている。
まるで恋人のようにショッピングを楽しむ2人を見て、ガゼリオは更に疑惑を強めたのだ。
***
服屋の前にて。
「えへへ、ありがとうございました」
何着かの服をヴェルトに買ってもらったカイラは微笑んだ。
「良いんだよ」
荷物を持ってやりながらヴェルトは答えた。
「あの……ヴェルトさん」
「ん? どうしたの?」
背を伸ばし、カイラはヴェルトの耳にできるだけ顔を寄せて。
「あの、僕もう体が切なくて……ホテルでの続きがしたいです」
と囁くカイラの頬はほんのりと色付いている。
(……本当に大胆になってきたな。こんな事言う子じゃないのに)
「良いよ。じゃあ戻ろうか?」
とヴェルトはカイラの肩に触れた。
「……確定だな」
マジかぁー。とガゼリオは天を仰ぐ。
2人とも気付く様子が無く近くを歩いていたので、先程の会話も全て聞いていたのだ。
あのカイラが……
誰よりも真面目で。
誰よりも努力家で。
誰よりも素直な子。
信じられなかった。まさかあの子が「体が切ない」だの「ホテルでの続きを」などと言うとは。
しかも目を潤ませ、頬を紅潮させながら。
しかもしかも、相手はヴェルト。淫乱酒乱の鈍感スケコマシ。
これ以上思い通りにさせてはいけないと、ガゼリオは更に2人を追跡したのだ。
カイラとヴェルトが入って行った場所……ホテルの看板を見上げたガゼリオは、怒りのせいか火照る体を冷ますためシャツの袖をまくる。
透明化を解除しないまま2人が消えたドアの前に跪き耳を付けた。
微かに2人の会話が聞こえ始める。
「疲れたねぇ」
「あの、ヴェルトさん……♡」
「分かってるよ。ほら、おいで」
(あ、れ……?)
なんだか頭がクラクラする。
「相変わらずここ触られるの好きだね」
「はい♡ すきです……あんっ♡」
「可愛いよ、カイラ君」
2人の声が頭の中で反芻する。
まるで官能小説でも読んでる気分だ。
(……いや、このままじゃダメだ!)
何が最適か考える前に、ガゼリオは行動に移した。
手で銃のような形を作り隣の部屋に向ける。そして何も唱えず腕を上げると、『バン!』という音が響いた。
ガゼリオは透明化の魔法を自身にかけたまま隣の部屋に忍び込む。
***
「何だろ今の」
「銃声……?」
カイラを組み敷いていたヴェルトは、怯える彼の頭を撫でる。
「不審者かも知れないし、ちょっと見てくるね……カイラ君、我慢できるかい」
カイラはこくりと頷いた。
「良い子だ」とヴェルトはカイラの頬にキスをして、武器を手に隣の部屋に入った。
人気のない薄暗い部屋を見回す。
カチャリ……
背にした出入り口の鍵が閉まる音を確かに聞いたヴェルトは振り返る。
そこにいたのは……幼馴染のガゼリオだった。
「ガゼリオ……? なんでここに?」
やけに怖い顔で睨まれたヴェルトは一歩引いた。
「お前こそ……俺の元教え子誑かすたぁ良い度胸だな?」
「教え子……? ガゼリオお前、カイラ君の先生だったの?」
「そうだよ! たまたま大通りでお前の事見かけたからさ……お前……ッ!」
とガゼリオは詰め寄りヴェルトの胸ぐらを掴む。
「アイツまだ子供なんだぞ!? 分かってんのか!?」
「いやちょっと待って誤解だよ! ……いや、誤解でもないか」
「あ゛ぁ!?」
ガゼリオの手に更に力が入る。
「いや、でも誤解なんだよ! 話を聞いてってば!!」
***
ヴェルトは全てを話した。
カイラとは冒険仲間である事。
カイラには夢魔の呪いがかけられている事。
呪いの為性欲を発散できないカイラの手伝いをしている事。
いつの間にか床に座り込んでいたガゼリオは、顔を赤くしてため息を吐いた。
地位とか。外聞とか。人間関係とか。
何もかもがどうでも良くなる程の劣情が湧き上がり、どうする事もできなくなったのだ。
「もしかして、カイラ君の呪いが効いてきたのかい?」
ヴェルトの問いにガゼリオは何も答えない。
「多分2、3発抜けば治ると思うから。僕が居たんじゃやりにくいだろ、すぐ出ていくよ」
「あの、ヴェルトさん? 大丈夫ですか?」
扉の向こうからカイラの呼びかけが聞こえた。
「あぁ大丈夫だよ。すぐ戻る」……と言ったはずだった。
(あれ……)
声が、出ない。
そのすぐ近くでガゼリオは話し始める。
『あー……』
その声が自分の声と同じだったので、ヴェルトは目を白黒とさせる。
『ごめんねカイラ君』
「え……どうしたんですか?」
『夢魔の策略にハマったみたいだ』
「ええっ、大丈夫ですか!? あの、僕も協力し____」
『カイラ君! ……だめだ、君を巻き込みたくないし……こんな姿、見られたくない』
「…………」
『いや、心配には及ばないよ。僕だけでなんとかするからさ。きっと、1、2時間はかかるけどね』
「そ、そうですか……ええとその……へっ、部屋にいますから!」
カイラの足音が忙しなく遠ざかっていくのが聞こえた。
「……あれで信じるんだから、本当に純粋な子だよ、カイラは」
と呟くガゼリオの声は静かだったが、熱が篭っている。
『待ってよ! なんでそんな事を言うのさ!』
喋っているのに、それが声にならない。
ヴェルトがドアへ向かい駆ける前に、ガゼリオは更に魔法をかける。
「『バインド』」
床や壁、天井から無数の緑色に光る植物のツルのような物が伸び、ヴェルトの体を捕らえた。
地位とか。外聞とか。人間関係とか。
「なにもかも、どうでも良い」
ゆらりと立ち上がったガゼリオの目を見てヴェルトは背筋に冷たい物を感じる。
まるで「蛇に睨まれたカエル」の気分だ。
露天商が声を張り上げ観光客を唆す。
往来の顔はどこか楽しげで。
穏やかないつも通りの時間がゆっくりと過ぎてゆく。
そのような中、魔法学校で教鞭を握るガゼリオは、せっかくの休日なのでお気に入りのカフェにでも行こうと大通りを歩いていた。
道中で見覚えのある人物を見かける。
昨日、共に酒を飲み交わしたヴェルトだ。
どこかへ出かけるのか、彼は戦闘服ではなくカジュアルな装いに身を包んでいる。
その隣にいるのは茶色いショートヘアの人。
(あの人がヴェルトの『滅茶苦茶にしたい人』か……思ってたより小柄だな。可哀想に、あんな悪い男に捕まって)
とその人の顔に注目したガゼリオは、
「カ、イ……ラ?」
と目を白黒させながら呟いた。
魔導士を目指していたカイラは魔法学校の卒業生で、ガゼリオは彼の担任だったのだ。
ガゼリオは失笑した。
「ふっ……ふふふ、マジかよ」
胸ポケットからタバコを取り出し。
「おいおい……おいおい」
にやにや笑いながら右手の指の間にタバコを挟むと。
「おいおいおいおいおいおいおいおい……!」
顔を青ざめさせ、空いている左手で頭を抱えた。
(なんで? え、なんで!? なんであの2人が一緒にいんのぉ!?)
2人にバレないように距離をとりながら観察し続ける。
2人はどことなく楽しそうに会話しながら、どこかへと向かっているようだ。
(いや、確かカイラあいつ冒険者になったはずだからな? 冒険仲間という事も……という、事も……)
めちゃくちゃにしたい人。
茶髪に緑の目。
ヴェルトはその人の事をずっと「その子」と呼んでおり、「彼女」とは呼んでいなかった。
細々とした会話が実に生々しく、嫌な予感を起こさせるのだ。
タバコを燻らせ自身を落ち着かせると、『インビジブル』という透明化の魔法を無詠唱で自分にかけた。
元とはいえ、自分の生徒。
(先生が子供を守らなくてどうする)
例え相手が知己の仲であるヴェルトだとしても。
(俺がカイラをあの犯罪者から守らなければ!)
クワっと目を開き決意を固め、ガゼリオは透明化したまま2人の後を追ったのだ。
***
カイラとヴェルト……それとガゼリオの3人は、とある服屋に辿り着いた。
「わぁ……」
小さい店だが、様々な服がずらりと並ぶ様にカイラは思わず声を出した。
彼の反応の良さにヴェルトはつい微笑む。
「でも、本当に良いんですか? お洋服買ってもらっても」
「良いんだよ。あのローブしか持ってないとかあり得ないから」
「……結構着やすいんですよ?」
「そう言う問題じゃないから」
うーんと唸りながらカイラは店内の奥へと足を踏み入れる。
「ええと、ええと……どんな服が良いんですかね? どう思います、ヴェルトさん」
「無難なやつがいいでしょ多分」
とヴェルトはヘラヘラ笑う。
「無難……ブナン?」
カイラは「ブナン」と呟きながら物色し始めた。
「これとかですかね?」
と言って手に取りヴェルトに見せたのは真っ白なシャツ。
「いいんじゃない」とヴェルトは適当に返した。
(でもなぁ、服の事なんて僕もよく分からないからなぁ……無駄に服好きなガゼリオがここに居てくれたらなぁ)
と心の中で呟くヴェルトの側にいる透明人間ガゼリオが、ヴェルトを睨み付けている。
まるで恋人のようにショッピングを楽しむ2人を見て、ガゼリオは更に疑惑を強めたのだ。
***
服屋の前にて。
「えへへ、ありがとうございました」
何着かの服をヴェルトに買ってもらったカイラは微笑んだ。
「良いんだよ」
荷物を持ってやりながらヴェルトは答えた。
「あの……ヴェルトさん」
「ん? どうしたの?」
背を伸ばし、カイラはヴェルトの耳にできるだけ顔を寄せて。
「あの、僕もう体が切なくて……ホテルでの続きがしたいです」
と囁くカイラの頬はほんのりと色付いている。
(……本当に大胆になってきたな。こんな事言う子じゃないのに)
「良いよ。じゃあ戻ろうか?」
とヴェルトはカイラの肩に触れた。
「……確定だな」
マジかぁー。とガゼリオは天を仰ぐ。
2人とも気付く様子が無く近くを歩いていたので、先程の会話も全て聞いていたのだ。
あのカイラが……
誰よりも真面目で。
誰よりも努力家で。
誰よりも素直な子。
信じられなかった。まさかあの子が「体が切ない」だの「ホテルでの続きを」などと言うとは。
しかも目を潤ませ、頬を紅潮させながら。
しかもしかも、相手はヴェルト。淫乱酒乱の鈍感スケコマシ。
これ以上思い通りにさせてはいけないと、ガゼリオは更に2人を追跡したのだ。
カイラとヴェルトが入って行った場所……ホテルの看板を見上げたガゼリオは、怒りのせいか火照る体を冷ますためシャツの袖をまくる。
透明化を解除しないまま2人が消えたドアの前に跪き耳を付けた。
微かに2人の会話が聞こえ始める。
「疲れたねぇ」
「あの、ヴェルトさん……♡」
「分かってるよ。ほら、おいで」
(あ、れ……?)
なんだか頭がクラクラする。
「相変わらずここ触られるの好きだね」
「はい♡ すきです……あんっ♡」
「可愛いよ、カイラ君」
2人の声が頭の中で反芻する。
まるで官能小説でも読んでる気分だ。
(……いや、このままじゃダメだ!)
何が最適か考える前に、ガゼリオは行動に移した。
手で銃のような形を作り隣の部屋に向ける。そして何も唱えず腕を上げると、『バン!』という音が響いた。
ガゼリオは透明化の魔法を自身にかけたまま隣の部屋に忍び込む。
***
「何だろ今の」
「銃声……?」
カイラを組み敷いていたヴェルトは、怯える彼の頭を撫でる。
「不審者かも知れないし、ちょっと見てくるね……カイラ君、我慢できるかい」
カイラはこくりと頷いた。
「良い子だ」とヴェルトはカイラの頬にキスをして、武器を手に隣の部屋に入った。
人気のない薄暗い部屋を見回す。
カチャリ……
背にした出入り口の鍵が閉まる音を確かに聞いたヴェルトは振り返る。
そこにいたのは……幼馴染のガゼリオだった。
「ガゼリオ……? なんでここに?」
やけに怖い顔で睨まれたヴェルトは一歩引いた。
「お前こそ……俺の元教え子誑かすたぁ良い度胸だな?」
「教え子……? ガゼリオお前、カイラ君の先生だったの?」
「そうだよ! たまたま大通りでお前の事見かけたからさ……お前……ッ!」
とガゼリオは詰め寄りヴェルトの胸ぐらを掴む。
「アイツまだ子供なんだぞ!? 分かってんのか!?」
「いやちょっと待って誤解だよ! ……いや、誤解でもないか」
「あ゛ぁ!?」
ガゼリオの手に更に力が入る。
「いや、でも誤解なんだよ! 話を聞いてってば!!」
***
ヴェルトは全てを話した。
カイラとは冒険仲間である事。
カイラには夢魔の呪いがかけられている事。
呪いの為性欲を発散できないカイラの手伝いをしている事。
いつの間にか床に座り込んでいたガゼリオは、顔を赤くしてため息を吐いた。
地位とか。外聞とか。人間関係とか。
何もかもがどうでも良くなる程の劣情が湧き上がり、どうする事もできなくなったのだ。
「もしかして、カイラ君の呪いが効いてきたのかい?」
ヴェルトの問いにガゼリオは何も答えない。
「多分2、3発抜けば治ると思うから。僕が居たんじゃやりにくいだろ、すぐ出ていくよ」
「あの、ヴェルトさん? 大丈夫ですか?」
扉の向こうからカイラの呼びかけが聞こえた。
「あぁ大丈夫だよ。すぐ戻る」……と言ったはずだった。
(あれ……)
声が、出ない。
そのすぐ近くでガゼリオは話し始める。
『あー……』
その声が自分の声と同じだったので、ヴェルトは目を白黒とさせる。
『ごめんねカイラ君』
「え……どうしたんですか?」
『夢魔の策略にハマったみたいだ』
「ええっ、大丈夫ですか!? あの、僕も協力し____」
『カイラ君! ……だめだ、君を巻き込みたくないし……こんな姿、見られたくない』
「…………」
『いや、心配には及ばないよ。僕だけでなんとかするからさ。きっと、1、2時間はかかるけどね』
「そ、そうですか……ええとその……へっ、部屋にいますから!」
カイラの足音が忙しなく遠ざかっていくのが聞こえた。
「……あれで信じるんだから、本当に純粋な子だよ、カイラは」
と呟くガゼリオの声は静かだったが、熱が篭っている。
『待ってよ! なんでそんな事を言うのさ!』
喋っているのに、それが声にならない。
ヴェルトがドアへ向かい駆ける前に、ガゼリオは更に魔法をかける。
「『バインド』」
床や壁、天井から無数の緑色に光る植物のツルのような物が伸び、ヴェルトの体を捕らえた。
地位とか。外聞とか。人間関係とか。
「なにもかも、どうでも良い」
ゆらりと立ち上がったガゼリオの目を見てヴェルトは背筋に冷たい物を感じる。
まるで「蛇に睨まれたカエル」の気分だ。
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