魔導士カイラは許されない〜インキュバスの呪いで貞操帯をかけられた少年〜

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ガゼリオ

4日目〜浄化〜

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「うわ……ヴェルトさんがそんな顔したの、初めて見ました」

 それは、雌として情欲に溺れた顔だった。

 耳まで真っ赤にさせ、目を潤ませ、だらしなく口を半開きにさせている。

「みない、で、カイラ、くん……!」

「『バインド』」

 ベッドから植物のツルのような魔法が現れ、自身の顔を隠そうとするヴェルトの両手を縛った。

「顔隠すの禁止です。ヴェルトさんの可愛い顔が見れなくなる。へー……お尻って、こんな風になってるんですねぇ」

 と、カイラは興味深そうにあちこち触り始めた。

「やめて、本当に! カイラ君?……カイラ君!」

「やめてと言ってる割には気持ちよさそうですね」

「う~~……!」

「あれ、なんだコレ」

 カイラはヴェルトの中で何か丸く膨らんでいる部分を見つけた。

(なんか柔らかい……悪性の腫瘍じゃないよね?)

 その部分を撫でながらチラリとヴェルトの顔を見る。

 ヴェルトは襲い来る快楽の津波に耐えているようだった。

 夢魔の魔法の効果が残っている為、カイラが今触れている部分……もとい前立腺が触られる度に、悶えるほどの快感が全身に広がってゆくのだ。

「ヴェルトさん、ここ気持ちいいんですか?」

「ちが……ちが、う」

 試しにカイラが腫瘍をグゥーっと押してみると、ヴェルトは腰を浮かせ声にならぬ声を上げた。

「なるほどここかぁ……男の人の体って凄いですねヴェルトさん」

 知的欲求を満たす研究者のような声でカイラは呼びかける。

「すごく、ない!」

「凄い……指、ぎゅうぎゅう締め付けてくる……ここに突っ込んだら気持ちいいだろうなぁ」

 未だに捕らえられたままの、未だ女を知らぬカイラの欲望が更に疼き始める。

「ヴェルトさん、せっかくなので突っ込んでいいですか?」

「ダメに決まってるだろ!? ……た、確かにさ? 僕も、カイラ君とそんな事がしたいなとは思った事があるよ? でもね、その時は僕が上になるからっ!」

「騎乗位ってやつですか?」

「違う! どこでそんな言葉覚えてきたの!」

 ヴェルトがまるで母親のような口調で怒鳴るので、カイラは笑ってしまった。

「年頃の男の子ですから。……僕の『物凄くちっちゃくて可愛くて女の子1人も悦ばせられない上に勃起すら満足にできないお粗末ちんちん』じゃダメですか?」

 一言一句間違えずに不名誉な肩書を言ったカイラに、ヴェルトは少々引いた。

「まだ根に持ってるのかい……? どんなモノでも突っ込まれたくないね!」

「僕、初めての相手がヴェルトさんでも全然構わないんですが」

「僕が構うんだよ!」

 残念とカイラは呟き、2本目の指を忍ばせる。

 ヴェルトは身を震わせながら、カイラの責めに耐え続ける。

「良いんですよ我慢しなくて。もっと淫れても良いんですよ」

「いや、だね……! 君みたいなウブな子にリード握られて喘ぐ、なん、て」

 カイラは空いている手でヴェルトの萎えている肉棒を握った。

「ゔ……っ」

「ほらほら、こんなに弱ってるヴェルトさん責める事なんてこの先あるかどうか分からないし、もっと可愛い所見せてくださいよ」

 陰茎を刺激すると、生理的反応として次第に膨らんでゆく。

「凄いですよヴェルトさん。ヴェルトさんのが大きくなり始めたのと同時に、お尻の気持ちいい所も硬くなってきましたよ」

「そんな、事……ききたく、ない」

「はぁ……良いなぁ、やっぱり僕、突っ込みたいです」

「っ、ダメだっていってるだろ!? 君はずっと童て____」

 ついに3本目の指が入り込み、ヴェルトは顔を歪ませた。

「ヴェルトさん……可愛いですよ、ヴェルトさん♡ 仕方ないですね。ヴェルトさんがそこまで言うんなら、挿入は諦めますよ」

「ふぁ……ッ」

 だらしなく口を開き、ヴェルトは声を上げた。

「ん? どうしたんですかヴェルトさん」

「なんっ、か……体、ふわふわ、する」

「それってイきそうって事ですかね?」

 『イく』という言葉を聞いたヴェルトは戦慄する。

 まさか自分が、リスのような少年に無様にイかせられるなんて。

「待ってっ! とめて、とめて! イきたくないッ!」

「せっかくだからイっちゃいましょ、ヴェルトさん♡」

(凄いなぁ……言葉がどんどん出てくる)

 自分の中に秘められていた「誰かを組み敷きたい」という欲望に身を任せ、カイラはヴェルトを責め立てる。

「いやっ、だ……んっ!?」

 水の音がリズミカルに部屋に響く。

「ほらほら♡ イきましょ♡ ヴェルトさんの可愛い所、僕にも見せてください♡」

「い、や、だ……っ」

 言葉とは裏腹に、体は昂ってゆく。

「やめ、て、っ、体っ、おか、し……」

 自分に組み敷かれて悦んでいるだけだったカイラが今、自分には不必要な感覚を刻もうとしている。

「えへへ、リラックスしてくださいね。無駄に抗おうとせず、受け入れてください」

 本来ならば、自分を実に楽しそうに責め立てる少年だけに味わせたかった感覚。

「う……あ……っ」

 それを今、自分が味わされようとしてる。

 そして。

 ヴェルトはいつもの絶頂とはまた違った快感を味わう事となる。

 全身が甘い感覚に包まれる。

 射精ではない。

 射精をする時のような、鋭く短い快感ではなく。

 緩く、甘く、永遠に続くのではないかと思われる心地良さ。

 カイラはヴェルトの中が甘く痙攣するのを感じて手を止めた。

「イ……きました?」

「……多分」

 蚊の鳴くような声でヴェルトは返した。

 指をゆっくりと抜き、ヴェルトにかけていた魔法を解除する。

「気分はどうです?」

「……最低だよ」

 それがただの悪態である事を見抜いているカイラは「そうですか」と言って玉を転がすように笑う。

「僕には必要ない感覚だ」

「まだ魔法の効果残ってると思うんですけど、もう1回やります?」

「いやいい! カイラ君って意外と鬼畜だよね!? よくもこんなに弱っている僕にあんな事……っ!!」

 ヴェルトは震えながら半身をベッドから起こし、ちらりと時計を見た。

「……カイラ君、気付いてるかい?」

「へ? 何にです?」

「日付変わってる。君が我慢し始めてから5日目だ」

 その言葉に胸と下半身が高鳴る。

「カイラ君……」

 とカイラを見下ろすヴェルトの視線は熱く鋭い。

 完全に「雄の顔」だ。しかも復讐に燃えた雄の目をしている。

 カチャリ。とカイラの貞操帯が緩んだ。
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