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DAY 26.
捕獲機 2
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前に来たのは、20日位前だっけ・・
1回だけ来た、エロースの神殿は
石造りの巨大建造物だ。
神殿を通り抜けて、
質素な建物の前にイプタキノが停止した。
「さぁ、降りなさい。」
ダマリさんが捕縛した襲撃者達を
降ろした後、数分して俺達に声が掛けた。
予め言われていたから、
自分達の荷物を車内に残して、
代わりに車内にあった
カバンをそれぞれに持った。
「・・・ふぅ・・」
和泉だけは
メイク用品を持ち込む必要があって
大荷物だ。
和泉の荷物を青木が代わりに持つ。
「・・ありがと・・」
和泉が照れた様に言うと、
青木は「おー・・」と生返事をする。
「皆さん降りてください。
急いで・・」
彼女は俺達の横側で壁の様に立って、
俺達を守る様にしながら
僅か数メートルの距離を走らせた。
建物の中には、
3人の神官服を着た男達が居て、
俺達に一礼した。
神官達の1人は、窓の近くに、
もう1人は、俺達が入ってきた
ドアの前に立つ。
神官達の1人が部屋の真ん中に置かれた
テーブルの周りにある椅子を俺達に勧めた。
ちゃんと居住用に作られたっぽい家の
リビング。
不自然に簡易ベッドが、
窓のない一角に4つ置かれてる。
「お掛けください。」
「ダマリさんは?」
あかりが心配そうに、
神官が見張るドアを見つめた。
「ダマリは襲撃者達を
拘束室へ連行しております。」
俺達は顔を見合わせた後、
席に着くと、手短に自己紹介をされた。
今、目の前に座っているのはサンドロさん。
窓の近くに立っているのは
フィリップさん、
ドアの前に立っているのは
メナスさん・・というらしい。
「一也さん、
今回はエロース様への
ご提案ありがとうございました。」
「いえ、囮はこの2人なんで・・
それより、
良い情報を持った者がいれば
良いんですが・・」
「ええ、皆さまには勿論感謝しております。
ありがとうございます。
・・で、明日なんですが・・」
サンドロさんと青木が
何やら盛り上がってる。
隣を見るとビジュアルおっさんの
和泉がぷぅっとほっぺたを膨らませてる。
「和泉さん、気分でも悪いんですか?」
あからさまに怒ってる和泉に
あかりが心配そうに声を掛ける。
「あ、皆は休んでて・・
明日、移動だから・・」
和泉同様オッさんビジュアルの青木は
熱心にサンドロさんと話し込んでる。
「少々落ち着かないでしょうが、
皆様は今夜はここでお休みください。」
部屋の片隅にある簡易ベッドを
サンドロさんが指差した。
「え?!
ちょっ・・!!
乙女が寝顔を晒せる訳ないでしょ??」
オッさんにしか見えない和泉が、
手を振り上げて怒ってる。
「和泉、申し訳ないけど、
今日は我慢して・・
女の子だけの寝室は危ないから、
ここで固まっていよう。」
和泉はむぅ・・と口を一の字に結んだ。
「い・・和泉さん
1番奥のベッド使ってください。
私がその手前に寝ます。
そうすれば私が壁になりますから・・」
いくらも壁としては
役に立たなさそうだけど、
和泉は、あかりに応えることもなく、
サンドロさんに聞いた。
「め・・メイク落とさないとだから、
水使わせて。」
「・・・分かりました。
他の方もシャワールームを
ご利用でしたら、
私に付いて来てください。」
嫌な顔を全くせずに
サンドロさんは立ち上がった。
洗面台に全員で向かいながら、
和泉があかりに何か
ヒソヒソと話しかけていた。
・・・
「私が最後に使うから!!」
和泉が青木の特殊メイク用のマスクを
外しながら"断固!"の姿勢で言い切った。
「・・・分かったから・・」
マスク越しに化粧されたせいで、
マダラ模様にファンデーションが
塗られた顔で青木が頭をため息をついた。
「田口、悪いけど
和泉のフォローよろしく。」
青木が困った様に言った。
俺たちの後ろで、
和泉の高慢な態度は特に気にしてないらしい・・。
サンドロさんが青木の変身ぶりに、
表情を変えている。
「とりあえず、
大橋最初にシャワー浴びて・・」
「あぁ・・おけ・・・」
そう言って脱ぎ始めた俺に、
まだオッさんが解除されてない和泉が
青木から剥がしたマスクを投げつけた。
「女の子の前で脱いでんじゃないわよ。
このアホ」
「えーー・・」
見た目がオッさんな和泉に言われても、
なんか、納得いかない。
その後ろであかりが真っ赤になって
俯いてる。
・・見慣れてるはずなんだが・・
「とにかくシャワー室入って
ドア閉めなさいよ・・」
中身が和泉なら、
見たことあるはずなんだけど、
汚いモノを見る目・・
心の底から嫌そうだ。
まぁ、良いんだけど・・
そこまで、軽蔑の目を
向けなくても良いと思う。
今度はカツラを掴んで、
また投げつけてきそうな和泉から
さっさと逃げないと・・という事で
俺はシャワー室の扉を閉めた。
1回だけ来た、エロースの神殿は
石造りの巨大建造物だ。
神殿を通り抜けて、
質素な建物の前にイプタキノが停止した。
「さぁ、降りなさい。」
ダマリさんが捕縛した襲撃者達を
降ろした後、数分して俺達に声が掛けた。
予め言われていたから、
自分達の荷物を車内に残して、
代わりに車内にあった
カバンをそれぞれに持った。
「・・・ふぅ・・」
和泉だけは
メイク用品を持ち込む必要があって
大荷物だ。
和泉の荷物を青木が代わりに持つ。
「・・ありがと・・」
和泉が照れた様に言うと、
青木は「おー・・」と生返事をする。
「皆さん降りてください。
急いで・・」
彼女は俺達の横側で壁の様に立って、
俺達を守る様にしながら
僅か数メートルの距離を走らせた。
建物の中には、
3人の神官服を着た男達が居て、
俺達に一礼した。
神官達の1人は、窓の近くに、
もう1人は、俺達が入ってきた
ドアの前に立つ。
神官達の1人が部屋の真ん中に置かれた
テーブルの周りにある椅子を俺達に勧めた。
ちゃんと居住用に作られたっぽい家の
リビング。
不自然に簡易ベッドが、
窓のない一角に4つ置かれてる。
「お掛けください。」
「ダマリさんは?」
あかりが心配そうに、
神官が見張るドアを見つめた。
「ダマリは襲撃者達を
拘束室へ連行しております。」
俺達は顔を見合わせた後、
席に着くと、手短に自己紹介をされた。
今、目の前に座っているのはサンドロさん。
窓の近くに立っているのは
フィリップさん、
ドアの前に立っているのは
メナスさん・・というらしい。
「一也さん、
今回はエロース様への
ご提案ありがとうございました。」
「いえ、囮はこの2人なんで・・
それより、
良い情報を持った者がいれば
良いんですが・・」
「ええ、皆さまには勿論感謝しております。
ありがとうございます。
・・で、明日なんですが・・」
サンドロさんと青木が
何やら盛り上がってる。
隣を見るとビジュアルおっさんの
和泉がぷぅっとほっぺたを膨らませてる。
「和泉さん、気分でも悪いんですか?」
あからさまに怒ってる和泉に
あかりが心配そうに声を掛ける。
「あ、皆は休んでて・・
明日、移動だから・・」
和泉同様オッさんビジュアルの青木は
熱心にサンドロさんと話し込んでる。
「少々落ち着かないでしょうが、
皆様は今夜はここでお休みください。」
部屋の片隅にある簡易ベッドを
サンドロさんが指差した。
「え?!
ちょっ・・!!
乙女が寝顔を晒せる訳ないでしょ??」
オッさんにしか見えない和泉が、
手を振り上げて怒ってる。
「和泉、申し訳ないけど、
今日は我慢して・・
女の子だけの寝室は危ないから、
ここで固まっていよう。」
和泉はむぅ・・と口を一の字に結んだ。
「い・・和泉さん
1番奥のベッド使ってください。
私がその手前に寝ます。
そうすれば私が壁になりますから・・」
いくらも壁としては
役に立たなさそうだけど、
和泉は、あかりに応えることもなく、
サンドロさんに聞いた。
「め・・メイク落とさないとだから、
水使わせて。」
「・・・分かりました。
他の方もシャワールームを
ご利用でしたら、
私に付いて来てください。」
嫌な顔を全くせずに
サンドロさんは立ち上がった。
洗面台に全員で向かいながら、
和泉があかりに何か
ヒソヒソと話しかけていた。
・・・
「私が最後に使うから!!」
和泉が青木の特殊メイク用のマスクを
外しながら"断固!"の姿勢で言い切った。
「・・・分かったから・・」
マスク越しに化粧されたせいで、
マダラ模様にファンデーションが
塗られた顔で青木が頭をため息をついた。
「田口、悪いけど
和泉のフォローよろしく。」
青木が困った様に言った。
俺たちの後ろで、
和泉の高慢な態度は特に気にしてないらしい・・。
サンドロさんが青木の変身ぶりに、
表情を変えている。
「とりあえず、
大橋最初にシャワー浴びて・・」
「あぁ・・おけ・・・」
そう言って脱ぎ始めた俺に、
まだオッさんが解除されてない和泉が
青木から剥がしたマスクを投げつけた。
「女の子の前で脱いでんじゃないわよ。
このアホ」
「えーー・・」
見た目がオッさんな和泉に言われても、
なんか、納得いかない。
その後ろであかりが真っ赤になって
俯いてる。
・・見慣れてるはずなんだが・・
「とにかくシャワー室入って
ドア閉めなさいよ・・」
中身が和泉なら、
見たことあるはずなんだけど、
汚いモノを見る目・・
心の底から嫌そうだ。
まぁ、良いんだけど・・
そこまで、軽蔑の目を
向けなくても良いと思う。
今度はカツラを掴んで、
また投げつけてきそうな和泉から
さっさと逃げないと・・という事で
俺はシャワー室の扉を閉めた。
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