【R18】翼神のイタズラ　PLAYER No.037 大橋道哉の場合

まめた

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DAY 26.

7日間

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「エロースサマと拝謁できるのは7日後・・
　結構、先だ。」

　青木がムサカをスプーンですくって
　自分の取り皿にとった。

　普段、暇そうにフラフラしている
　道楽男・・いや神サマだけど・・が、
　忙しいのか・・
　予定が抑えられたのは、
　7日後・・・しかも、30分だけの予定だ。

　なぜ7日後なのか？・・
　あんまり気にしてなかった。

　引きこもり指示があってから
　既に3日経ってるから計10日・・
　エロースは俺達に構ってる暇がないらしい。

『詳細調査はまだ続いております。

　それに・・

　エロース様は皆様への連絡より先に、
　アフロディーテ様に
　この件をお話ししなくては
　なりませんから・・

　なるべく早く・・ですね。』

「いや、それって7日・・
　いや、10日もかかんの？」

「・・魚トニを困らせるなって」

　俺が聞くと、青木が辟易へきえきした様に答えて、
　続けて青木が置いた携帯水槽の
　中からクリスタが答えた。

『エロース様がアフロディーテ様の
　宮殿に到着されたなら、
　歓迎の宴が2日間催されます。

　なので、

　移動と宴で3日間・・

　ご報告その他に2日・

　こちらに戻って来られる移動で1日・・

　ハードスケジュールです。』

「・・・」

「・・・え？
　いやいや・・宴って・・
　宴会ってこと？
　緊急連絡でもそんなことすんの？」

　青木と和泉は多分、ここに来る前にクリスタから
　聞いてたんだと思う。

　特に驚いた感じがしない。

『アフロディーテ様がお住まいの
　宮殿を改築され、ご自身の彫刻を
　お作りになられたそうです。

　このタイミングでエロース様が
　来られるということで、
　アフロディーテ様が宴の準備を
　始めてしまったとか・・』

　トニは困った様に言った。

『アフロディーテ様は決めたら
　譲らねぇから・・

　宴が終わらないと報告も
　させてもらえねぇ・・って
　エロース様が言ってたぞ？』

　今度は和泉が置いた携帯水槽の
　中からデニスが答えた。

　・・母ちゃんには逆らえないらしい。

「マザコン・・」

　和泉がぼそっと言いながら、
　スプーンですくった
　ムサカを口に運ぼうとして、
　ぴたっと手を止めた。

「・・・ナスのヘタが
　まるっと入る料理なの？
　これ・・」

　和泉が俺を再び睨んだ。
　・・もう俺に相当ムカついてる。

　一応【料理】ミッションが
　成功していたから、
　食えないほどではないんだが・・

　まぁまぁ失敗作だったらしい。

「・・・和泉さん、
　コーヒーお代わりいかがですか？」

　あかりが、そろそろなくなってる
　和泉のコーヒーを見て言う。

「・・大丈夫よ。」

　和泉がそう言いながら
　自分が持ってきた携帯水槽の魚デニスを見た。

　青木も和泉と同じようにデニスを見ている。

　魚の念話は聞き手を限定する事もできるから、
　和泉と青木に何か話してるんだろう。

「わーーーかってるって！！」

　イライラした声を上げながら、
　和泉が頭を掻いた。

　全然聞こえないけど、
　デニスは和泉に何かを分からせたらしい。

「・・大橋、
　一応、昨日話した通りだけど・・
　この7日間は、俺達と行動しないか？
　・・って件だけど」

　青木が頭を掻いた。

　昨日、通信の腕輪越しに話をしたんだが・・

　正直、気が進まない話ではある。
　あかりとの2人きりの同棲生活中断だ。

　・・とはいえ、青木の情報で、
　アフロディーテの神殿の
　神官の女たちの目撃情報が
　幾つかの大きな街・・
　鈴木さんたちの暮らすレメソスでも・・
　ここ・・パフォスでも増えているらしい。

「なるべく固まって行動した方が、
　全員が安全だし・・

　この家に珍しい若い東洋人のカップルが
　住んでる事は、
　ある程度の情報網を持ってれば、
　簡単に引っかかる。」

　青木は"俺達の住所を見つける事が簡単"なことを
　証明する・・と言って、
　この家に来るときに、
　俺から住所を聞きださなかった。

　そんでもって、青木と和泉がココにいる。

　・・

　あかりの安全を考えるなら7日間くらいは
　この2人と行動する方が良いだろう。

　問題は・・・

　和泉がギロリと俺を睨むのを見て、
　ため息を吐いた。

　青木はまだ良いとして・・
　和泉とチームワークとかは、
　期待できなさそうだ。

「4人で行動するとして・・だ・・
　どっかには寝床が必要だろ？
　7日間だぞ？」

　俺が聞くと、青木は和泉を見た。
　渋々といった感じで和泉も頷く。

「潜伏先は準備してる。
　ついでに、
　エロースの調査をアシストしようと思う。

　協力して欲しい。」

　青木がそこまで言ったあと、
　指をパキパキ鳴らしたのは・・和泉だった。

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