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DAY 23.
オーダーメイド
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「また、どうぞ~。」
お姉さんに金を払って、店を出る。
「これからどうしますか?」
あかりが俺に聞いた。
「家に戻らない?」
俺が言うと、あかりは頷いた。
「そうですね!
危ないかもしれないですし・・」
「家帰ったら、えっちする約束だし・・」
「そんな事言ってる場合じゃ・・」
驚いた様な顔をしたあかりが
俺の顔を覗き込む。
「え?!シないの?!」
むしろビックリだ。
生殺し状態の俺があかりを見返す。
「・・・ぅ・・
そんな顔で見ないでください。」
あかりがたじたじと後ずさる。
「どんな顔??」
特に表情を作った気はないんだけど・・
『・・・悲哀と憤怒と怨念を混ぜて、
丸めて焼いたみたいな顔をして
おられますよ。』
トニが珍しいコメントをして見せた。
「うん。
悲哀も憤怒も怨念・・
どれも身に覚えあるわ・・・」
ため息を吐く。
腹が膨れたかもしんないけど、
あかりの顔から物欲しそうな
エロさが消えてる。
そんなあかりが、
俺の服をちょんとつまんだ。
「だ・・大丈夫です。
今後の対策を練って、
あと・・その・・お家に帰って、
青木君と和泉さんに連絡して、
無事を確認して・・
そこまで終わったら・・」
「終わったら?」
「シ・・シたいです。」
「マジで?!
さっきの続きだから、
ぐしょぐしょにエロい感じで・・・」
「ぐ・・ぐしょぐしょって・・」
『あかりさん・・無理しなくても・・』
トニの呆れた様な声を聞きながら、
あかりが、気がついた様に言った。
「ちょっと、話は変わりますけど・・
トニさんと別行動は
今後、しない方がいいですよね・・」
「・・え?話変えるの??」
だいぶショックだ。
あかりが困った顔をしたあと、言った。
「ぐ・・ぐしょぐしょで・・はい。」
くいっと機嫌を上昇させた俺は改めて、
今後、トニと行動するのに必要なことを考える。
さすがにこの事態で、
魚に嫉妬している場合ではない。
「トニの携帯水槽を目立たなくできないかな?」
携帯水槽を持った東洋人・・が
エロース関係の異世界人と思われてるなら、
水槽を持っている様に見えなければ
多少マシだろう。
俺がそう言うと、
あかりがにっこり笑った。
「それ!ちょっとした考えがあります。」
◇◇◇
俺たちの世界でも
ストリートミュージシャンは多いけど
この世界でも道端で楽器を鳴らしたり、
うた歌っている人は多い。
今朝会った爺さんも然り・・だけど・・。
「私達みたいに若い異邦人で
しっかりしたカバンを持つと
目立っちゃいますけど・・
楽器用のケースなら、
水槽が入る様なしっかりしたケースを
持ってる人も結構見かけます・・」
そんなコトを言ってる
あかりの後ろをでかい
楽器ケースを持った
アラブ系の若い女の子が走り抜けて行った。
・・でかいカバンに水槽を入れるより、
確かに目立たないだろう。
「・・でも、アレに入れちゃうと、
トニ、真っ暗闇だよ?」
俺に、あかりがにこっと笑った。
「一部分だけ透明な窓付きのケースを
作っていただこうかと思いまして・・」
俺達の家はパフォスの街の郊外だ。
パフォスは大きい街だけど、
郊外に行けば、中流階級、下層階級が住む
安い住宅地もある。
俺たちの家は治安が悪すぎない
中流階級と下層階級の住む境目あたりだ。
あかりは家に帰るコトなく、
より郊外の下層階級居住区に向かう
小道に入って行く。
「あかり・・普段、こんなトコ、
1人で来てんの?」
「はい?」
俺が睨むと、あかりは不思議そうに
俺を見つめた。
「大丈夫ですよ。
大体、トニさんと2人(?)ですから」
「・・トニ、止めてよ・・」
俺が言うと、トニも問題なさそうに答えた。
『大丈夫ですよ。
外出の際は私も付いておりますから!』
(・・・魚だろ・・お前。)
心の中でツッコミつつ、
トニと2人(?)なら安心とか、
考えてた自分も、
結構問題アリだったコトを思い出す。
小道には幾つかの露店が並んでて、
露店はどれも爺さんや婆さんがやっている。
あかりが言うには、
ここでは身分を買い直した
元奴隷の職人達が店を出しているらしい。
「先日、日雇のお仕事をさせてくれた
お食事処で、聞いたんです。
ここに行けば腕のいい職人さんが
たくさんいらっしゃるって・・」
あかりは革製品を扱っている
露店の爺さんに水槽を入れる
楽器ケースについて相談し始めた。
爺さんは隣の露店で
透明な樹脂の細工をする婆さんと話し始め、
婆さんは別の露店の
針子の婆さんに相談を持ち掛ける。
「1アテネ・・期間は2日で、どうだい?
お嬢さん。」
あかりが話しかけた爺さんが金額を提示した。
あかりは俺を見上げた。
「いいんじゃない?」
カバンをこっちの世界で
買った事はないけど、
確か今着てる服が上下で1アテネ・・
・・そう考えると、安い気がする。
「それでは、お願いします。」
あかりが前金で1アテネを支払った。
「じゃあ、明々後日・・
今日と同じところに店を出すから、
受け取りにおいで。」
爺さんがあかりに何やら札を渡した。
「これ、受け取り書ね?」
・・・
トニの水槽の偽装はなんとかなりそうだ。
折角だから・・と、露天を見て回る。
店の数は10店舗ほど・・どこもここも、
一点もののオーダーメイド・・
しかも安い。
「危険とか言っちゃったけど、
ココかなりいいな。」
あかりにそう伝えると
あかりが嬉しそうに・・
でも、少し残念そうに笑った。
「まだまだ夜まで時間あるのに・・
デート終了なのはちょっと残念です・・」
「まぁ、今日は早く帰った方が
良いだろうな・・
落ち着いたら、またデートできるだろ?」
そう言って手を取ると、
あかりが指を絡ませた。
「帰って、とっとと用事を済ませよう。」
・・その後の
"ぐしょぐしょにエロい感じ"の
エッチの時間を妄想する。
「道哉君・・よだれ・・拭いてください。」
あかりが困った様に俺にハンカチを差し出した。
お姉さんに金を払って、店を出る。
「これからどうしますか?」
あかりが俺に聞いた。
「家に戻らない?」
俺が言うと、あかりは頷いた。
「そうですね!
危ないかもしれないですし・・」
「家帰ったら、えっちする約束だし・・」
「そんな事言ってる場合じゃ・・」
驚いた様な顔をしたあかりが
俺の顔を覗き込む。
「え?!シないの?!」
むしろビックリだ。
生殺し状態の俺があかりを見返す。
「・・・ぅ・・
そんな顔で見ないでください。」
あかりがたじたじと後ずさる。
「どんな顔??」
特に表情を作った気はないんだけど・・
『・・・悲哀と憤怒と怨念を混ぜて、
丸めて焼いたみたいな顔をして
おられますよ。』
トニが珍しいコメントをして見せた。
「うん。
悲哀も憤怒も怨念・・
どれも身に覚えあるわ・・・」
ため息を吐く。
腹が膨れたかもしんないけど、
あかりの顔から物欲しそうな
エロさが消えてる。
そんなあかりが、
俺の服をちょんとつまんだ。
「だ・・大丈夫です。
今後の対策を練って、
あと・・その・・お家に帰って、
青木君と和泉さんに連絡して、
無事を確認して・・
そこまで終わったら・・」
「終わったら?」
「シ・・シたいです。」
「マジで?!
さっきの続きだから、
ぐしょぐしょにエロい感じで・・・」
「ぐ・・ぐしょぐしょって・・」
『あかりさん・・無理しなくても・・』
トニの呆れた様な声を聞きながら、
あかりが、気がついた様に言った。
「ちょっと、話は変わりますけど・・
トニさんと別行動は
今後、しない方がいいですよね・・」
「・・え?話変えるの??」
だいぶショックだ。
あかりが困った顔をしたあと、言った。
「ぐ・・ぐしょぐしょで・・はい。」
くいっと機嫌を上昇させた俺は改めて、
今後、トニと行動するのに必要なことを考える。
さすがにこの事態で、
魚に嫉妬している場合ではない。
「トニの携帯水槽を目立たなくできないかな?」
携帯水槽を持った東洋人・・が
エロース関係の異世界人と思われてるなら、
水槽を持っている様に見えなければ
多少マシだろう。
俺がそう言うと、
あかりがにっこり笑った。
「それ!ちょっとした考えがあります。」
◇◇◇
俺たちの世界でも
ストリートミュージシャンは多いけど
この世界でも道端で楽器を鳴らしたり、
うた歌っている人は多い。
今朝会った爺さんも然り・・だけど・・。
「私達みたいに若い異邦人で
しっかりしたカバンを持つと
目立っちゃいますけど・・
楽器用のケースなら、
水槽が入る様なしっかりしたケースを
持ってる人も結構見かけます・・」
そんなコトを言ってる
あかりの後ろをでかい
楽器ケースを持った
アラブ系の若い女の子が走り抜けて行った。
・・でかいカバンに水槽を入れるより、
確かに目立たないだろう。
「・・でも、アレに入れちゃうと、
トニ、真っ暗闇だよ?」
俺に、あかりがにこっと笑った。
「一部分だけ透明な窓付きのケースを
作っていただこうかと思いまして・・」
俺達の家はパフォスの街の郊外だ。
パフォスは大きい街だけど、
郊外に行けば、中流階級、下層階級が住む
安い住宅地もある。
俺たちの家は治安が悪すぎない
中流階級と下層階級の住む境目あたりだ。
あかりは家に帰るコトなく、
より郊外の下層階級居住区に向かう
小道に入って行く。
「あかり・・普段、こんなトコ、
1人で来てんの?」
「はい?」
俺が睨むと、あかりは不思議そうに
俺を見つめた。
「大丈夫ですよ。
大体、トニさんと2人(?)ですから」
「・・トニ、止めてよ・・」
俺が言うと、トニも問題なさそうに答えた。
『大丈夫ですよ。
外出の際は私も付いておりますから!』
(・・・魚だろ・・お前。)
心の中でツッコミつつ、
トニと2人(?)なら安心とか、
考えてた自分も、
結構問題アリだったコトを思い出す。
小道には幾つかの露店が並んでて、
露店はどれも爺さんや婆さんがやっている。
あかりが言うには、
ここでは身分を買い直した
元奴隷の職人達が店を出しているらしい。
「先日、日雇のお仕事をさせてくれた
お食事処で、聞いたんです。
ここに行けば腕のいい職人さんが
たくさんいらっしゃるって・・」
あかりは革製品を扱っている
露店の爺さんに水槽を入れる
楽器ケースについて相談し始めた。
爺さんは隣の露店で
透明な樹脂の細工をする婆さんと話し始め、
婆さんは別の露店の
針子の婆さんに相談を持ち掛ける。
「1アテネ・・期間は2日で、どうだい?
お嬢さん。」
あかりが話しかけた爺さんが金額を提示した。
あかりは俺を見上げた。
「いいんじゃない?」
カバンをこっちの世界で
買った事はないけど、
確か今着てる服が上下で1アテネ・・
・・そう考えると、安い気がする。
「それでは、お願いします。」
あかりが前金で1アテネを支払った。
「じゃあ、明々後日・・
今日と同じところに店を出すから、
受け取りにおいで。」
爺さんがあかりに何やら札を渡した。
「これ、受け取り書ね?」
・・・
トニの水槽の偽装はなんとかなりそうだ。
折角だから・・と、露天を見て回る。
店の数は10店舗ほど・・どこもここも、
一点もののオーダーメイド・・
しかも安い。
「危険とか言っちゃったけど、
ココかなりいいな。」
あかりにそう伝えると
あかりが嬉しそうに・・
でも、少し残念そうに笑った。
「まだまだ夜まで時間あるのに・・
デート終了なのはちょっと残念です・・」
「まぁ、今日は早く帰った方が
良いだろうな・・
落ち着いたら、またデートできるだろ?」
そう言って手を取ると、
あかりが指を絡ませた。
「帰って、とっとと用事を済ませよう。」
・・その後の
"ぐしょぐしょにエロい感じ"の
エッチの時間を妄想する。
「道哉君・・よだれ・・拭いてください。」
あかりが困った様に俺にハンカチを差し出した。
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