【R18】翼神のイタズラ PLAYER No.037 大橋道哉の場合

DAY 20.

オープン・・？

「進捗度って・・
　管理者なんだし、分かるでしょ？」

　俺は深くため息を吐ついた。

　レベル10を超えて、
　お待ちかねのえっちなミッションが
　大量追加されたのに・・

　にも相変わらず・・・
　俺達はトレーニング三昧だ。

　アスリートになれそうなほど・・は
　言い過ぎだけど、
　60分のランニングは物足りなくなってきた。

「あの、レベル10で新規追加された
　えっち系ミッション・・
　ぜんっぜん、成功しないんですけど？？」

「ほお・・・そうか？！」

　エロースめ・・・
　むっちゃ嬉しそうだ。

「どれをやったんだ？
　どれがどう難しいのか？
　言ってみるといい！！」

　ウキウキした、エロースは酒とジュースを
　一杯ずつ追加注文した。

（腹立つな・・）

　腹立てても、なんか話さないと
　解放されなさそうだ。

　俺はミッション一覧を開いた。

「あーー・・やったのは・・
　【服を脱ぐ】、【クンニリングス】、
　【手コキ】・・」

「・・・で、どれが難しいのだ？」

「・・【手コキ】はともかく・・
　【服を脱ぐ】、【クンニリングス】は、
　むっちゃ高難易度なんだけど？」

　俺は地獄の様だった時間を
　思い出して、頭を抱えた。

「なんだ・・服も脱げないのか？」

　エロースは【服を脱ぐ】ミッションに
　苦戦していたことが意外な様で、
　拍子抜けした様に首を傾げる。

「服は脱げるって・・いや脱げますよ。
　コレ、ミッションの成功条件が
　難し過ぎですよ・・」

　俺はもう全然エロくない
　汗だくのあかりと過ごした一夜を思い出した。

　◇◇◇

　1番簡単そうという理由で、
　ミッション【服を脱ぐ】をやろうと
　提案したのは俺だった。

　ミッションを開始すると、
　成功条件のアナウンスの前に
　別のアナウンスが入った。

『本ミッション開始前に服と下着を
　きちんと着てください。』

　そう言われて、
　あかりは俺と彼女の服をチェックして、
　俺のシャツのボタンを1番上まで止めた。

　すると、成功条件の読み上げ
　アナウンスが入る。

『成功条件は・・
　1. 30分以内に田口あかりが全ての衣服を
　　脱ぎ終える事
　2.本ミッション実行中、
　　各自、【興奮】のパラメータが
　　下がることなく、上がり続ける事

　以上です。』

　いつもの通り【興奮】のパラメータが
　一瞬表示されたあと消えて、
　『開始してください』のアナウンスが入った。

「・・・・？
　服を脱ぐのって私だけなんですか？」

　あかりはちょっとした抗議の声を上げた。

「俺も脱いだ方が良いなら脱ぐけど？」

　俺が聞くと、あかりの顔がみるみる赤くなる。

「やっぱり・・イイです・・」

「何か想像した？」

　可愛くてキスをすると、
　あかりが軽くこちらを睨んだ。

「・・ちょっと・・待っててください・・
　この服、ひもが多くて・・」

　あかりが着ているのは
　こちらの世界に来て買った
　ふわっとしたシャツと長い巻きスカートだ。

　シャツは肩も腰も紐になっていて、
　あかりが腰ひもを解くと、
　シャツの長い裾が足首位まで
　すっぽり覆った。

「・・・これ・・どうなってんの？」

「フリーサイズの服で肩紐を結ぶ長さと
　腰の折り返しでどんな人にも合う様に
　調整できる服だそうです。」

　・・・そんな会話をしていた時だった。

　ﾁｬﾗﾗﾗ~ﾗﾗﾗ~♪

『【服を脱ぐ】失敗しました。』

「「？」」

　・・俺達は顔を見合わせた。
　まだ開始のアナウンスが入ってすぐだ。
　制限時間の30分は
　経過してないことを考えると・・

「【興奮】が下がっちゃったかも・・」

「ご・・ごめんなさい・・
　服を脱ぐのに時間が掛かったから・・」

　あかりが申し訳なさそうに言う。

「・・えっと・・
　ふ・・服、脱ぎやすい服に着替えてきます。」

「うん。頼むよ。」

　・・・

　そんな感じで、
　5分後にパラメータ表示して再挑戦するも・・

　ﾁｬﾗﾗﾗ~ﾗﾗﾗ~♪

『【服を脱ぐ】失敗しました。』

　あかりの胸がはだけて、
　シンプルな下着に包まれた
　おっぱいがようやく見えたところで

　再び、残念でした・・
　のBGMと一緒に『失敗しました。』
　のアナウンスが流れた。

　俺の【興奮】はしっかり
　上がっているものの・・

　パラメータ表示された
　あかりの【興奮】が大きく下がっている。

「ごめんなさい・・・」

「どうかした？あかり・・」

　不思議に思ってあかりに聞くと・・
　あかりが頭を押さえた。

「その・・下着も服も
　脱ぎやすいものに変えたんですが、
　デザインが可愛くなくて・・
　覚悟して着て来たのに・・
　いざとなるとやっぱり、
　自信なくなっちゃって・・」

「・・おっぱいが可愛いから別に・・」

　正直、もう見え始めた中身が魅力的で
　下着包装はどうでも良いんだけど・・

　あかりにとってはそうでもなさそうだ。

「やっぱり・・下着だけは脱ぎづらくても、
　可愛いのにします・・」

「あ・・はい。」

　・・・

　再々挑戦・・

　ﾁｬﾗﾗﾗ~ﾗﾗﾗ~♪

『【服を脱ぐ】失敗しました。』

　再びあかりの胸がはだけたところで

　今度は俺の【興奮】がかくん・・と下がった。

「・・マジで・・ごめん。」

　あかりの言う可愛い下着は
　布面積が大きくて固くて
　あかりの大きなおっぱいをガチガチに
　抑えつけた上にレースの蝶を付けたものだ。

　はだけた服に変に盛り上がった
　俺の期待値の方が悪かったのかもしんないけど・・

「・・これ・・可愛いと思ったんですが・・
　ダメでしたか？」

　しょんぼりするあかりには、心底申し訳ないけど・・
　果てしなくコレジャナイ感・・

「あかり・・（ミッションはもういいから・・普通にえっちを・・）」

「頑張ります！着替えてきますね！！」

　一旦『頑張る』と言ったらあかりは、頑張る子だ・・
　そりゃもう・・残念な位に頑張る・・



　ーーーーこれを繰り返すこと20回


「あかり・・！
　このミッション・・一旦キャンセルにしよ・・」

　自室とこの2人の寝室の間を行き来して
　着替えてを繰り替えすあかりに俺はストップを出した。

　ぐだぐだだし・・あかりは汗だくだし、

　もうエロとかいう雰囲気じゃないし・・

　・・時刻は深夜・・

　もう完全に疲れ切って、攻略できる気がしないまま
　ミッション【服を脱ぐ】を終了させた。