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DAY 15. 幕間
魚の物思い 4
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トニ side.
『あかりさん?
珍しいですね。
眠れないんですか?』
普段は、寝室に入ったあと、
朝まで部屋から出てくることがない
あかりさんがドアを開けました。
「トニさん・・
ちょっとホットタオルを
作ろうと思って・・」
『そうですか』
あかりさんはお湯を沸かし始めました。
「トニさんも、
まだ起きていらっしゃるんですか?」
『今日のお昼に会った
魚のクリスタから通信がありまして・・
相談に乗っておりました。』
「あ・・それはごめんなさい。
お仕事中だったんですね。
私のことはお構いなく・・」
『いえいえ、
私から話しかけて頂いたんですし・・』
「ありがとうございます。」
あかりさんは丁寧で控えめな方です。
さて・・クリスタの報告を
添削も終わりましたし・・
気になっていたことを聞かなくてはいけません。
『ところで・・
昨日、貴女の相談に乗って、
今日、貴女方にお会いするとは
思いませんでしたが?』
『・・・』
クリスタが押し黙ってしまいました。
『ごめんなさい。
トニ様・・
皆さんの居場所を教えた訳じゃないんです。』
『それとなく・・一也さんを
誘導したということですか?』
『新しい潜伏場所を検討したいと
相談をされた時に・・
皆さんの住居の近くにある、
あのシアターをお勧めの場所の1つとして
ご紹介しました。』
まぁ・・利用可能な施設についての
説明はサポートに就く魚の権限です。
『道哉さんやあかりさんが
その近くに住んでいることまでは
伝えていないんですね?』
『はい。』
『・・沙羅さんの
サポートに就いている
デニスから何か言われませんでしたか?』
『今日、通信がありました。
でも、私も規則違反はしていないんです』
デニスも担当者に肩入れしてしまう
タイプですから・・
クリスタに辛く当たったのかもしれません。
『次の報告会でエロース様の前で
喧嘩をするような事にはならないですか?』
『・・・デニスが勝手に怒っただけで・・』
クリスタの声が急激に小さくなります。
『・・私からもデニスと
話しをしておきます。』
『・・・』
『クリスタ・・
貴女が規則に違反していない事は判りました。
でも、デニスを不用意に怒らせる事は
貴女がサポートする一也さんにとって、
決してプラスにならない事も
理解しておく必要があります。』
『・・・はい』
クリスタとの通信を切ると、
丁度、あかりさんが部屋に戻るところでした。
『あかりさん・・』
「?」
『・・おやすみなさい』
・・道哉さんと違って
あかりさんはご自分の気持ちを
あまりお話になりません。
「おやすみなさい。トニさん」
私自身もエロース様から
あかりさんの事を聞かれたら、
適切なご報告ができるかが
心配ではあるのです。
静かに寝室に向かう
あかりさんの背中を見送りました。
『あかりさん?
珍しいですね。
眠れないんですか?』
普段は、寝室に入ったあと、
朝まで部屋から出てくることがない
あかりさんがドアを開けました。
「トニさん・・
ちょっとホットタオルを
作ろうと思って・・」
『そうですか』
あかりさんはお湯を沸かし始めました。
「トニさんも、
まだ起きていらっしゃるんですか?」
『今日のお昼に会った
魚のクリスタから通信がありまして・・
相談に乗っておりました。』
「あ・・それはごめんなさい。
お仕事中だったんですね。
私のことはお構いなく・・」
『いえいえ、
私から話しかけて頂いたんですし・・』
「ありがとうございます。」
あかりさんは丁寧で控えめな方です。
さて・・クリスタの報告を
添削も終わりましたし・・
気になっていたことを聞かなくてはいけません。
『ところで・・
昨日、貴女の相談に乗って、
今日、貴女方にお会いするとは
思いませんでしたが?』
『・・・』
クリスタが押し黙ってしまいました。
『ごめんなさい。
トニ様・・
皆さんの居場所を教えた訳じゃないんです。』
『それとなく・・一也さんを
誘導したということですか?』
『新しい潜伏場所を検討したいと
相談をされた時に・・
皆さんの住居の近くにある、
あのシアターをお勧めの場所の1つとして
ご紹介しました。』
まぁ・・利用可能な施設についての
説明はサポートに就く魚の権限です。
『道哉さんやあかりさんが
その近くに住んでいることまでは
伝えていないんですね?』
『はい。』
『・・沙羅さんの
サポートに就いている
デニスから何か言われませんでしたか?』
『今日、通信がありました。
でも、私も規則違反はしていないんです』
デニスも担当者に肩入れしてしまう
タイプですから・・
クリスタに辛く当たったのかもしれません。
『次の報告会でエロース様の前で
喧嘩をするような事にはならないですか?』
『・・・デニスが勝手に怒っただけで・・』
クリスタの声が急激に小さくなります。
『・・私からもデニスと
話しをしておきます。』
『・・・』
『クリスタ・・
貴女が規則に違反していない事は判りました。
でも、デニスを不用意に怒らせる事は
貴女がサポートする一也さんにとって、
決してプラスにならない事も
理解しておく必要があります。』
『・・・はい』
クリスタとの通信を切ると、
丁度、あかりさんが部屋に戻るところでした。
『あかりさん・・』
「?」
『・・おやすみなさい』
・・道哉さんと違って
あかりさんはご自分の気持ちを
あまりお話になりません。
「おやすみなさい。トニさん」
私自身もエロース様から
あかりさんの事を聞かれたら、
適切なご報告ができるかが
心配ではあるのです。
静かに寝室に向かう
あかりさんの背中を見送りました。
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