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DAY 14.
レベル 10まで、あと・・
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「いけ!ミッチ!!」
チームメイトからの声がかかる。
一瞬前にダッシュをかけるフリをする。
敵チームのヤニスがこちらに向かって
猛烈に走り寄ってきた。
十分に引きつけた後、後ろのザホスへ・・
「!!!」
ザホスが受け取ったボールを持って前へ・・
デカいタライにボールを投げ入れてゴールを決めた。
「ずりぃぃぃ!!!!」
ーーー 25分後
「ゲームセット!」
40分のミニゲームが終わった。
ミッション【ビボベラレッスン】
終了まであと15分。
ミッション【ビボベラレッスン】は、
この辺りにあるビボベラの
アマチュアチームの1つに
入れてもらって、
120分の練習に参加すれば、
ミッション成功というものだ。
ビボベラというのは
ちょっとラグビーっぽいスポーツで、
ボール一つとタライが2つあれば
少人数でも遊べる・・
この世界のこの国ではお馴染みの庶民の遊び。
ラグビーと違って、
スクラムを組んだりはしないが、
タックルはある。
とにかく、敵チームのタライまで、
ボールを運んでタライに投げ入れれば得点だ。
あまり、ルールも複雑でないし、
初心者の俺も気楽に参加できている。
世界共通の公式競技とかではないけど、
年に1回程度は国内大会がある
マイナー競技だ。
ストレッチしながら、
見事にゴールを決めてくれた
ザホスに礼を言う。
「ミッチはズルいよなぁ~~」
敵チームだった
ヤニスも話の輪に入った。
「ゴメンて・・
ビボベラではフェイクとか
あんまりしないんだなぁ・・」
俺が謝るが、
ヤニスは特に悪く思っているわけでは
なさそうだ。
「フェイク・・?」
そもそも競技でフェイクをする概念が
あまりないらしい。
フェイクについて説明しながら、
なんやかんやと楽しく時間は過ぎ去った。
◇◇◇
「み・・・くん?」
冷たいタオルが押し当てられる。
目を覚ますと、
あかりが涙を浮かべて心配そうに
俺の顔を覗き込んでいる。
「・・・あかり?」
「痛いところとか
苦しいところとかないですか?」
「?」
不思議に思って起き上がると
軽い吐き気が襲う。
あかりから、ボトル入りの水が
差し出された。
「えーーっと?」
差し出された水を飲みながら、
不思議に思ってあかりを見上げると
涙を浮かべたまま、
ぷりぷり怒り始めた。
「もう!心配したんですから!」
あかりは、数えるほどしか
俺に怒ったことがない。
正確には怒っていたかもしれないけど、
俺が分かるほど明確に怒るのは、
珍しいことだ。
「えっと・・何があったんだっけ?」
俺が聞くと、あかりが答えてくれた。
あかりが言うには、
俺を参加させてくれた
ビボベラチームのメンバーが
俺を担いでここまで運んでくれたらしい。
練習後、チームで酒を飲んだ。
・・覚えてる。
昼前だったから、弱い酒を一杯ずつ。
・・・あれ、弱かったの?!
ミッチー(俺の事らしい)も飲んだ。
・・うん。ちょっと興味があって・・
そしたら、一口ですぐにぶっ倒れた。
・・マジか?!
仕方がないから、
吐かせてここまで運んだ。
・・ご迷惑をお掛けしました!!
との事だった。
俺を運んでくれた
チームメンバーは、「気にしないから、
また参加するように伝えてくれ!」
・・と、あかりに言って帰って
行ったらしい。
「この世界の人達は
私達が20歳までお酒を飲めないなんて
知らないんですから、
ちゃんと、お断りして
ノンアルコールのものを
お願いするとかしないとダメです!」
あかりは、怒りながら、
俺を横にさせて、布団を掛けた。
「お昼ご飯ができるまで!
ちゃんと寝てないとだめですからね?!」
怒ったまま、部屋を出ていった
あかりのキレ方がおかしくて笑ってしまう。
(早めにまた、ビボベラ、参加するかなぁ・・・
お礼言わないと・・)
そんな事を考えながら、
俺はパラメータを開いた。
【大橋道哉 レベル9】
【次のレベルまでの必要経験値 73】
【感度 1/5】
【長さ 9.0】
【太さ 8.4】
【性欲 5/30】
【興奮 2/16】
【快楽 1/17】
【安心 4/11】
【オーガニズム 0/11】
(あと、レベル1つで10かぁーー・・)
結局、【感度】はエロースの仕様ミス
だったらしく、分数表記に修正されて
バーが表示されるようになった。
【長さ】と【太さ】に関しては・・
「それは!正しい仕様だ!!」
・・と、なぜか自信満々に言っていた
らしい事をトニから聞いた。
なんにせよ、表記ミスは修正され、
ついでに俺は、日雇いの仕事代わりに
時々、エロースからバグチェッカーで
呼び出されることになった。
エロースは自分で作ってしまうほどの
ゲーム好きで『エロース』の他にも幾つも
タイトルを作って、人間のフリして、
あちこちの世界で、
リリースしているらしい。
採算は、あまり考えていないらしいけど・・
(何やってんだろねー?・・
愛の神・・いやスケベの神か?)
何にしても、
たったの14日で住めば都・・だ。
性交場に出くわした時は、
『この世界超怖い!』・・とも思ったんだが、
ベルトを付けてる人も付けてない人も
付き合ってみれば、良くも悪くも人間だ。
俺はすっかり馴染んでしまったし、
人見知りのあかりも、【ハーラーレッスン】に、
仕事に・・と割と機嫌良さそうに、
1人でも出かけていく。
(序盤は、順調・・なのか?)
『俺の悩み』・・の方は
全然解決してないんだが・・
俺は枕元に置かれたままの
パッケージが僅かに破かれたゴムを
恨めしく見た。
あの後、何度となく、
まだ達成していない根本まで・・と、
チャレンジを繰り返したんだけど・・
相変わらず、あかりが乱れ始めれば、
暴走して、爆発して・・
あのパッケージを破ることすら
できないまま、あかりから
『生理になったから』と告げられた。
『終わって・・できるようになったら、
ちゃんと言いますから』
・・と言われて早8日・・
まだ、あかりからお許しは出ない。
そんな訳で俺は煩悩を振り払うべく、
運動とバイトに打ち込み中だ。
はぁああああああ~~
・・・全く抜けない煩悩に俺は、
ため息を吐いた。
チームメイトからの声がかかる。
一瞬前にダッシュをかけるフリをする。
敵チームのヤニスがこちらに向かって
猛烈に走り寄ってきた。
十分に引きつけた後、後ろのザホスへ・・
「!!!」
ザホスが受け取ったボールを持って前へ・・
デカいタライにボールを投げ入れてゴールを決めた。
「ずりぃぃぃ!!!!」
ーーー 25分後
「ゲームセット!」
40分のミニゲームが終わった。
ミッション【ビボベラレッスン】
終了まであと15分。
ミッション【ビボベラレッスン】は、
この辺りにあるビボベラの
アマチュアチームの1つに
入れてもらって、
120分の練習に参加すれば、
ミッション成功というものだ。
ビボベラというのは
ちょっとラグビーっぽいスポーツで、
ボール一つとタライが2つあれば
少人数でも遊べる・・
この世界のこの国ではお馴染みの庶民の遊び。
ラグビーと違って、
スクラムを組んだりはしないが、
タックルはある。
とにかく、敵チームのタライまで、
ボールを運んでタライに投げ入れれば得点だ。
あまり、ルールも複雑でないし、
初心者の俺も気楽に参加できている。
世界共通の公式競技とかではないけど、
年に1回程度は国内大会がある
マイナー競技だ。
ストレッチしながら、
見事にゴールを決めてくれた
ザホスに礼を言う。
「ミッチはズルいよなぁ~~」
敵チームだった
ヤニスも話の輪に入った。
「ゴメンて・・
ビボベラではフェイクとか
あんまりしないんだなぁ・・」
俺が謝るが、
ヤニスは特に悪く思っているわけでは
なさそうだ。
「フェイク・・?」
そもそも競技でフェイクをする概念が
あまりないらしい。
フェイクについて説明しながら、
なんやかんやと楽しく時間は過ぎ去った。
◇◇◇
「み・・・くん?」
冷たいタオルが押し当てられる。
目を覚ますと、
あかりが涙を浮かべて心配そうに
俺の顔を覗き込んでいる。
「・・・あかり?」
「痛いところとか
苦しいところとかないですか?」
「?」
不思議に思って起き上がると
軽い吐き気が襲う。
あかりから、ボトル入りの水が
差し出された。
「えーーっと?」
差し出された水を飲みながら、
不思議に思ってあかりを見上げると
涙を浮かべたまま、
ぷりぷり怒り始めた。
「もう!心配したんですから!」
あかりは、数えるほどしか
俺に怒ったことがない。
正確には怒っていたかもしれないけど、
俺が分かるほど明確に怒るのは、
珍しいことだ。
「えっと・・何があったんだっけ?」
俺が聞くと、あかりが答えてくれた。
あかりが言うには、
俺を参加させてくれた
ビボベラチームのメンバーが
俺を担いでここまで運んでくれたらしい。
練習後、チームで酒を飲んだ。
・・覚えてる。
昼前だったから、弱い酒を一杯ずつ。
・・・あれ、弱かったの?!
ミッチー(俺の事らしい)も飲んだ。
・・うん。ちょっと興味があって・・
そしたら、一口ですぐにぶっ倒れた。
・・マジか?!
仕方がないから、
吐かせてここまで運んだ。
・・ご迷惑をお掛けしました!!
との事だった。
俺を運んでくれた
チームメンバーは、「気にしないから、
また参加するように伝えてくれ!」
・・と、あかりに言って帰って
行ったらしい。
「この世界の人達は
私達が20歳までお酒を飲めないなんて
知らないんですから、
ちゃんと、お断りして
ノンアルコールのものを
お願いするとかしないとダメです!」
あかりは、怒りながら、
俺を横にさせて、布団を掛けた。
「お昼ご飯ができるまで!
ちゃんと寝てないとだめですからね?!」
怒ったまま、部屋を出ていった
あかりのキレ方がおかしくて笑ってしまう。
(早めにまた、ビボベラ、参加するかなぁ・・・
お礼言わないと・・)
そんな事を考えながら、
俺はパラメータを開いた。
【大橋道哉 レベル9】
【次のレベルまでの必要経験値 73】
【感度 1/5】
【長さ 9.0】
【太さ 8.4】
【性欲 5/30】
【興奮 2/16】
【快楽 1/17】
【安心 4/11】
【オーガニズム 0/11】
(あと、レベル1つで10かぁーー・・)
結局、【感度】はエロースの仕様ミス
だったらしく、分数表記に修正されて
バーが表示されるようになった。
【長さ】と【太さ】に関しては・・
「それは!正しい仕様だ!!」
・・と、なぜか自信満々に言っていた
らしい事をトニから聞いた。
なんにせよ、表記ミスは修正され、
ついでに俺は、日雇いの仕事代わりに
時々、エロースからバグチェッカーで
呼び出されることになった。
エロースは自分で作ってしまうほどの
ゲーム好きで『エロース』の他にも幾つも
タイトルを作って、人間のフリして、
あちこちの世界で、
リリースしているらしい。
採算は、あまり考えていないらしいけど・・
(何やってんだろねー?・・
愛の神・・いやスケベの神か?)
何にしても、
たったの14日で住めば都・・だ。
性交場に出くわした時は、
『この世界超怖い!』・・とも思ったんだが、
ベルトを付けてる人も付けてない人も
付き合ってみれば、良くも悪くも人間だ。
俺はすっかり馴染んでしまったし、
人見知りのあかりも、【ハーラーレッスン】に、
仕事に・・と割と機嫌良さそうに、
1人でも出かけていく。
(序盤は、順調・・なのか?)
『俺の悩み』・・の方は
全然解決してないんだが・・
俺は枕元に置かれたままの
パッケージが僅かに破かれたゴムを
恨めしく見た。
あの後、何度となく、
まだ達成していない根本まで・・と、
チャレンジを繰り返したんだけど・・
相変わらず、あかりが乱れ始めれば、
暴走して、爆発して・・
あのパッケージを破ることすら
できないまま、あかりから
『生理になったから』と告げられた。
『終わって・・できるようになったら、
ちゃんと言いますから』
・・と言われて早8日・・
まだ、あかりからお許しは出ない。
そんな訳で俺は煩悩を振り払うべく、
運動とバイトに打ち込み中だ。
はぁああああああ~~
・・・全く抜けない煩悩に俺は、
ため息を吐いた。
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