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DAY 1.
大型犬
しおりを挟むもしかしたら、
ゲームオーバーするか、幻滅させるかして、
もう2度とこんな風にはできないかもしれない。
(それはホントに勘弁・・)
俺は抱き込んだ田口の頭の上に顔を埋めた。
彼女と付き合うより前、
俺はもっとイタイ奴で、
それでも今よりずっと無敵だった。
頼れる彼氏になる予定だったのに
むしろぐんぐん情けない男になっていく。
ぎゅうぎゅうと抱き締める腕の力を強くする俺に
田口はもがく。
「わ・・わかりました。
誰と話してたかは後でいいです。
だから・・・」
「だから?」
「もう・・少し優しく・・優しくお願いします。」
(・・1時間・・2人きり)
・・ゴクンッ・・・
どうしても彼女といると喉が渇く。
「ゴメン」
「・・・」
腕の力を緩めると
彼女はおとなしく俺の腕の中に収まった。
「田口さ、俺としたい事ある?」
田口は少し目を泳がせた後、答える。
「一緒に遊びに行ったりしたいです。」
「俺とどんな関係になりたい?」
「このまま、仲良しで・・」
「このまま?」
(そうだ。
嫌われるのも無理だけど・・
このまま?)
大学で2人で昼飯を食べて、
たまにデートする。
そして時々、俺からセックスに誘うが、
1度たりとも最後までした事はない。
え?
ずっとこのまま?
嫌われるのも別れるのも絶対なしだけど、
このままはありか?
・・・
「田口」
細い腰を引き寄せて俺の身体に密着させると、
田口はこちらを見上げる。
そして、すごく引き攣った顔をする。
「田口、俺このままは無理。」
「え?大橋君?
お願いですから、泣かないでください。」
「・・抱きしめたい。
キスしたい。
舐めたい。
エロい事したい。
飲み干したい。
セックスしたい。
食べたい。」
「・・・・あーー・・えーっと」
「田口を気持ち良くして、
溺れさせて、
田口に俺を誘わせたい・・」
・・・唇に田口の唇がそっと触れる。
・・・田口からキスされたのは
初めてかもしれない。
顔が熱い。
「抱き締めたいとキスしたいはクリアです!
・・だから!」
「・・次は舐めたい?」
「・・ちょっと待ってください!
舐めるって・・
ええっと・・・」
田口は目を白黒させているが、怒ってはいない。
エロースが帰ってくるまでまだ45分。
俺は田口を抱えてベッドに押し倒した。
「あの・・ご・・ご家族は?!」
「大丈夫。舐めるだけだから!」
「大丈夫じゃないです!」
さすがの田口も今回は流されないらしい。
声量はないが
きっぱりと言ってジタバタしている。
「・・ひゃ・・」
俺は田口の首筋をペロンと舐めた。
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