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魅惑の果実。
その 4
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葵は病院のベットで寝息を立てている。
ベットの隣でリンゴの皮を剥き、拾ってきたスマホを見る。
葵は重度の過呼吸による失神でもう少し遅かったら命まで危なかったそうだ。
いったい葵に何があったのか…その問いの答は床に落ちていたスマホが明らかにしていた。
「う、うぅ……。」
「気がついたか?」
ゆっくりと目を開けてキョロキョロと周りを見渡す葵。
「あれ?ここはどこ?」
「ここは病院だ。」
「病院?」
「そうだ、帰ってきたらお前が倒れていたから驚いたぞ…。」
「そう…なんだ…ごめんね。」
「?」
「お鍋作れなくて…。」
「……気にするな。」
「うん、ごめんなさい。」
「……葵、何があったか聞いても大丈夫か?」
「ん、んー……。」
顔を背ける姿が『拒否』と答える。
「そうか…。」
立ち上がってポケットから葵に頼まれた目薬を取り出してリンゴの隣へ置く。
「俺のと同じヤツだが構わないか?」
「………。」
葵は反応もしない。
「では、俺はちょっと出てくる…。」
神代が部屋を出ていき静寂な時間が進む。
買ってきてもらった目薬に葵は手を伸ばすが既にその両目は充分過ぎる程に潤っていた。
「…なによ神代さん…これコンタクト用じゃない………。」
~~九頭竜+冬馬 アパート~~
挨拶もなしに神代は中へと入っていく。
他の3人は既に集まっている様だ。
「またせた。」
部屋の中では水夏がパソコンとにらめっこをしていて冬馬が台所でなにやら料理をしていた。
ソファーに横になっている夜はスマホを弄っている。
「どうだ?何か解ったか?」
水夏がプリントアウトした紙を振り向かずにひらひらして「取り敢えずコレね。」
それを手に取り目を向ける。
『葵』と名のる居候について…。
…なんとも嫌な響きの題名だ…。
本名『南条 沙苗』
「ふむ、偽名だとは思っていたが…。」
職業『セクシー女優 』
「ん?セクシー女優ってなんだ?」
ぽっと口に出た疑問にスマホを弄っている夜がやれやれと答える。
「そのままの意味よ、セクシー女優…つまりはAV嬢…大人しそうな顔のわりに、ものすごいことやってんのね…あの娘…。」
女優名『美奈乃 しずく』
作品 ジャンル 『ハードSM』
時には顔が変形するまで殴られながらのプレイや馬用の鞭で流血するまで打たれる。
膣や肛門に異物を無理やり入れられる…心臓の弱い人ならDVDを最後まで見ることは出来ない内容。
「何故こんなことをやらされてるんだ…?」
「さぁねぇ…元々そういうケがあるのか…。」
「強要されてるか…か?販売元は…水夏。」
パソコンの前で不機嫌に頭をかかきむしりながら水夏は答える。
「竜の尻尾」
「ドラゴンテイル?」
「ほんと解らない…!」
「ん?どういうことだ?」
「最小限の情報しかでてこないし所在地もダミー…僕はどちらかと言うとこっちの方が気になる。」
「俺は竜の尻尾はやばい連中の集団って噂を聞いたことがあるぜ?」
竜の尻尾
いったいどのようにして発足したのか…リーダーは誰なのかなど詳細は全くわからない。
葵は何故そんな奴らと関わりがあるのか?
何故、公園で泣いていたのか…。
「解らないことだらけだな。」
………こんな時、あの人ならどうするか…?
「ちょっと出てくる。」
「ちょっと?って何処へ行くのよ、こんな時に。」
呆れながら夜に問い詰められるが…。
「ドラゴンの事はドラゴンに聞いてくる。」
ベットの隣でリンゴの皮を剥き、拾ってきたスマホを見る。
葵は重度の過呼吸による失神でもう少し遅かったら命まで危なかったそうだ。
いったい葵に何があったのか…その問いの答は床に落ちていたスマホが明らかにしていた。
「う、うぅ……。」
「気がついたか?」
ゆっくりと目を開けてキョロキョロと周りを見渡す葵。
「あれ?ここはどこ?」
「ここは病院だ。」
「病院?」
「そうだ、帰ってきたらお前が倒れていたから驚いたぞ…。」
「そう…なんだ…ごめんね。」
「?」
「お鍋作れなくて…。」
「……気にするな。」
「うん、ごめんなさい。」
「……葵、何があったか聞いても大丈夫か?」
「ん、んー……。」
顔を背ける姿が『拒否』と答える。
「そうか…。」
立ち上がってポケットから葵に頼まれた目薬を取り出してリンゴの隣へ置く。
「俺のと同じヤツだが構わないか?」
「………。」
葵は反応もしない。
「では、俺はちょっと出てくる…。」
神代が部屋を出ていき静寂な時間が進む。
買ってきてもらった目薬に葵は手を伸ばすが既にその両目は充分過ぎる程に潤っていた。
「…なによ神代さん…これコンタクト用じゃない………。」
~~九頭竜+冬馬 アパート~~
挨拶もなしに神代は中へと入っていく。
他の3人は既に集まっている様だ。
「またせた。」
部屋の中では水夏がパソコンとにらめっこをしていて冬馬が台所でなにやら料理をしていた。
ソファーに横になっている夜はスマホを弄っている。
「どうだ?何か解ったか?」
水夏がプリントアウトした紙を振り向かずにひらひらして「取り敢えずコレね。」
それを手に取り目を向ける。
『葵』と名のる居候について…。
…なんとも嫌な響きの題名だ…。
本名『南条 沙苗』
「ふむ、偽名だとは思っていたが…。」
職業『セクシー女優 』
「ん?セクシー女優ってなんだ?」
ぽっと口に出た疑問にスマホを弄っている夜がやれやれと答える。
「そのままの意味よ、セクシー女優…つまりはAV嬢…大人しそうな顔のわりに、ものすごいことやってんのね…あの娘…。」
女優名『美奈乃 しずく』
作品 ジャンル 『ハードSM』
時には顔が変形するまで殴られながらのプレイや馬用の鞭で流血するまで打たれる。
膣や肛門に異物を無理やり入れられる…心臓の弱い人ならDVDを最後まで見ることは出来ない内容。
「何故こんなことをやらされてるんだ…?」
「さぁねぇ…元々そういうケがあるのか…。」
「強要されてるか…か?販売元は…水夏。」
パソコンの前で不機嫌に頭をかかきむしりながら水夏は答える。
「竜の尻尾」
「ドラゴンテイル?」
「ほんと解らない…!」
「ん?どういうことだ?」
「最小限の情報しかでてこないし所在地もダミー…僕はどちらかと言うとこっちの方が気になる。」
「俺は竜の尻尾はやばい連中の集団って噂を聞いたことがあるぜ?」
竜の尻尾
いったいどのようにして発足したのか…リーダーは誰なのかなど詳細は全くわからない。
葵は何故そんな奴らと関わりがあるのか?
何故、公園で泣いていたのか…。
「解らないことだらけだな。」
………こんな時、あの人ならどうするか…?
「ちょっと出てくる。」
「ちょっと?って何処へ行くのよ、こんな時に。」
呆れながら夜に問い詰められるが…。
「ドラゴンの事はドラゴンに聞いてくる。」
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