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愉快な仲間。
その 4
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夜と冬馬と別れた後。
水夏の居るマンションへと向かう。
玄関ホールで部屋のインターホンを押す。
ピンポーン。
………。
……。
…。
反応がない…。
100%居留守なのは解っている。
スマホで「俺だ、開けろ。」とメッセージを打ってからもう一度インターホンを押す。
ガチャ…。
玄関ロックが解除されエレベーターまでの道が開く。
「居るのなら初めから開けろよ…。」
チーム 『四人神』の1人『九頭竜 水夏』
彼は俺と同じナンバーズの『9』
『九頭竜』のリーダーで『剣術道場 九頭竜』の4代目頭首『九頭竜 玄人』の孫である。
水夏はナンバーズ『九頭竜』の頭首候補だったのだが…。
エレベーターに乗って水夏の所へと辿り着く。
玄関を開けると……。
「!!!」
廊下に血塗れで倒れている水夏。
「どうした!水夏!」
彼の手元にはダイイング・メッセージで。
『オムライス…おかわり…したい。』
ふぅ~…。
水夏をそのままにして部屋の奥へ歩いていく。
つけっぱなしのテレビにはゲームの画面がそのままになっていて、主人公の周りを二足歩行の猫が歩いている。
「無視するなんてひどいよ~。」
ひたひたと足音を立てて歩いてくる水夏。
サイズがあっていないブカブカの半袖Tシャツを着ていて、産まれて一度も切ったことがないと言う髪の毛は腰の辺りまで伸びている。
目の下には濃いくまが出来ているが…これはゲームでの徹夜のせいだろう。
この水夏を一言で言うならば『天才』。
水夏は現在13歳。
普通なら学校に居るべき時間で義務教育期間であるにも関わらず中学には通っていない。
一応、中学に在籍してはいるのだが気が向いた時にしか登校しない。
水夏が1年の頃、2年の先輩に絡まれたが全て英会話で対応し逆に「この程度の会話も出来ないなんて人生終わってますね。」と良い放ったそうだ。
ここで少し話を戻すが水夏の別名は『破壊神』。
カッとなり手を出してきた先輩を忍ばしていたモンキースパナで滅多打ちにして動けなくなったところで前歯を叩き割った。
曰く「外れたネジを閉めてあげた。」
それだけではなく水夏はネットの情報操作で先輩の家族、親族まで追い詰めぼろぼろにしたと笑っていた。
この狂暴性によりチーム『九頭竜』の頭首候補から外された水夏。
話してみると水夏は普通の少年なのだが…不思議だ。
「以来の詳細を知りたい。」
「詳細を?もぅ!クエストって言ってよ!気が乗らないじゃないか!」
ぶーぶーと頬を膨らました水夏。
「わかったよ…クエストの詳細を教えてくれ。」
「はあーい!」
びっと敬礼して水夏はパソコンへと向かい何かを印刷し始めた。
コピー機から出てきた紙を俺に自慢気に渡す。
「新鮮な苺だろ?今在庫が切れてる。」
「えーーーーーーーーー?」
苺というのは隠語。
「じゃぁ断る?」
「保留にしといてくれ期限はまだあるんだろ?」
「うん。」
「…後、マトモな依頼書があるだろ?それを俺のパソコンに送っといてくれ。」
「えー?僕のじゃ駄目?」
「駄目だ。こっちとしては正確な情報が欲しい。」
「僕のも正確だよ!」
ぶーぶー言う水夏。
「はぁ解ったよ…では送っといてくれよ…では俺は行く。」
「もう行くの?つまんない!一緒にゲームで対戦していかない??」
「お前にゲームで勝てる訳無いじゃないか。」
弱パンチでも弱キックでもあろうことか挑発のモーションからでも水夏はコンボを決めてくる。
そして爆笑してくるから…悪意が無い分、本気で笑ってくるから質が悪い。
「なら、メールかLINEでも良かったじゃん!」
ふて腐れてちょっとキレ気味。
「お前今まで直ぐに返信したことあったか?」
「ぶぅ!」
「仕事が落ち着いたら皆でゲーム大会してやるよ。それでどうだ?水夏。」
水夏はちょっと考えてから「それでいいよ!」とにぃっと笑う。
このゲーム大会は実に14回目になる。
勝者は水夏または冬馬であり俺と夜は1度も勝ったことがない。
興味がないだろう夜が毎回参加してくれるのは意外だと思うが…彼女は仲間意識が非常に強い。
誕生日、バレンタインデー、クリスマスと毎年欠かさず俺達にくれる。
(その分しっかりと見返りを要求してくるが…。)
さてさて…では家に帰って依頼書を確認しなければ…。
水夏の居るマンションへと向かう。
玄関ホールで部屋のインターホンを押す。
ピンポーン。
………。
……。
…。
反応がない…。
100%居留守なのは解っている。
スマホで「俺だ、開けろ。」とメッセージを打ってからもう一度インターホンを押す。
ガチャ…。
玄関ロックが解除されエレベーターまでの道が開く。
「居るのなら初めから開けろよ…。」
チーム 『四人神』の1人『九頭竜 水夏』
彼は俺と同じナンバーズの『9』
『九頭竜』のリーダーで『剣術道場 九頭竜』の4代目頭首『九頭竜 玄人』の孫である。
水夏はナンバーズ『九頭竜』の頭首候補だったのだが…。
エレベーターに乗って水夏の所へと辿り着く。
玄関を開けると……。
「!!!」
廊下に血塗れで倒れている水夏。
「どうした!水夏!」
彼の手元にはダイイング・メッセージで。
『オムライス…おかわり…したい。』
ふぅ~…。
水夏をそのままにして部屋の奥へ歩いていく。
つけっぱなしのテレビにはゲームの画面がそのままになっていて、主人公の周りを二足歩行の猫が歩いている。
「無視するなんてひどいよ~。」
ひたひたと足音を立てて歩いてくる水夏。
サイズがあっていないブカブカの半袖Tシャツを着ていて、産まれて一度も切ったことがないと言う髪の毛は腰の辺りまで伸びている。
目の下には濃いくまが出来ているが…これはゲームでの徹夜のせいだろう。
この水夏を一言で言うならば『天才』。
水夏は現在13歳。
普通なら学校に居るべき時間で義務教育期間であるにも関わらず中学には通っていない。
一応、中学に在籍してはいるのだが気が向いた時にしか登校しない。
水夏が1年の頃、2年の先輩に絡まれたが全て英会話で対応し逆に「この程度の会話も出来ないなんて人生終わってますね。」と良い放ったそうだ。
ここで少し話を戻すが水夏の別名は『破壊神』。
カッとなり手を出してきた先輩を忍ばしていたモンキースパナで滅多打ちにして動けなくなったところで前歯を叩き割った。
曰く「外れたネジを閉めてあげた。」
それだけではなく水夏はネットの情報操作で先輩の家族、親族まで追い詰めぼろぼろにしたと笑っていた。
この狂暴性によりチーム『九頭竜』の頭首候補から外された水夏。
話してみると水夏は普通の少年なのだが…不思議だ。
「以来の詳細を知りたい。」
「詳細を?もぅ!クエストって言ってよ!気が乗らないじゃないか!」
ぶーぶーと頬を膨らました水夏。
「わかったよ…クエストの詳細を教えてくれ。」
「はあーい!」
びっと敬礼して水夏はパソコンへと向かい何かを印刷し始めた。
コピー機から出てきた紙を俺に自慢気に渡す。
「新鮮な苺だろ?今在庫が切れてる。」
「えーーーーーーーーー?」
苺というのは隠語。
「じゃぁ断る?」
「保留にしといてくれ期限はまだあるんだろ?」
「うん。」
「…後、マトモな依頼書があるだろ?それを俺のパソコンに送っといてくれ。」
「えー?僕のじゃ駄目?」
「駄目だ。こっちとしては正確な情報が欲しい。」
「僕のも正確だよ!」
ぶーぶー言う水夏。
「はぁ解ったよ…では送っといてくれよ…では俺は行く。」
「もう行くの?つまんない!一緒にゲームで対戦していかない??」
「お前にゲームで勝てる訳無いじゃないか。」
弱パンチでも弱キックでもあろうことか挑発のモーションからでも水夏はコンボを決めてくる。
そして爆笑してくるから…悪意が無い分、本気で笑ってくるから質が悪い。
「なら、メールかLINEでも良かったじゃん!」
ふて腐れてちょっとキレ気味。
「お前今まで直ぐに返信したことあったか?」
「ぶぅ!」
「仕事が落ち着いたら皆でゲーム大会してやるよ。それでどうだ?水夏。」
水夏はちょっと考えてから「それでいいよ!」とにぃっと笑う。
このゲーム大会は実に14回目になる。
勝者は水夏または冬馬であり俺と夜は1度も勝ったことがない。
興味がないだろう夜が毎回参加してくれるのは意外だと思うが…彼女は仲間意識が非常に強い。
誕生日、バレンタインデー、クリスマスと毎年欠かさず俺達にくれる。
(その分しっかりと見返りを要求してくるが…。)
さてさて…では家に帰って依頼書を確認しなければ…。
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