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七竜の逆鱗

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 みどりからの情報を読む挙げる程に真由子はフラフラとしていく。

邪鬼会じゃっきかい

なんでも天道会 会長曰く。

「何処にも所属もしてなく自分等の好き勝手に活動しており、弱いものに大勢で襲いかかるハイエナのような奴らの集まりで、天道会も連中の扱いには困っている。カタギだろうが何だろうが、取れるものは全て根こそぎ取っていくし、やり方がもう相手が動けなくなるまで追い詰めて…それから奪う。泣き寝入りか自殺しか選択肢がないようにするから質が悪い。」とのこと。

バタン! 

 真由子は追い詰められ過ぎたようで倒れてしまった。

「きゃー!真由子ちゃん」

 直ぐに薫が真由子の介抱にあたる。

「薫!真由子を奥に横にして安静にさせな!」
「了解よ!七梨ちゃん!」


 薫が真由子を運び、俺とみどり、マスターが顔を合わせる。

「これからどうしますか七梨さん、みどりさんの話を聞く限り、余りにも危険過ぎる人達が関わってそうですね」

 マスターの言う通り、このままでは危ないかもしれない。

「あ、あの、さっきの女の子1人で大丈夫っすかね?」

真紀か…嫌な予感がするな。

「よし!これから深川家に向かう、みどりは薫とここに待機してなにか他に情報がないか調べてくれ」

「了解しました」

「マスター、了!お前らは俺に付いてこい!」

「はい!」
「はいっす!」

どうにも胸騒ぎがする。1秒でも速く深川家に行かなければ!



ーー深川家にてーー

 なんだろうか?家全体が負のオーラに包まれているように見える。

「あの、七梨さん子供達がいるのはずなのに、静かすぎませんか?」

 マスターと同じ事を考えていた。

「ちょ!七梨さん!窓!窓割れてるっすよ!」

「!?」

 俺達は急いで、家の中へ入る。


 家の中は荒らされ放題でタンスは中身を全て出され、ちびっ子達のオモチャ箱も投げ捨てられてる。割れてるテレビ、皆でご飯を食べ勉強にも使ったテーブルも割れてる。

「うぅ、ひっぐ、ひっぐ…」

ちびっ子達発見!

「お前ら!」

「うぇ~ん!」
「ご、ごめんなさ~い!」

 俺にまで怯えている、俺は2人を抱きしめ顔を確認させる。

「大丈夫だ!なにもしない!俺だ!ななちゃんだ!」

なんとか泣き止んで俺の顔をみる。

「うぇ?ななちゃ~ん!」
「ななちゃ~ん!」

 安心したのかまだ怖いのか2人とも俺に抱きつきながら更に泣き出した。
 乱れた服、顔の痣、擦りむいた頬と膝!
こんな小さい子どもにまで手を出したのか!?

「おい!少年!!大丈夫か!!」

「!?」

 了が叫んでいる?今度はなんだ?

「お兄ちゃんが…」
「匡にぃにが…」

 凄い勢いで自分の血の気が引いていくのが分かる。

「匡!!」

 匡は全身を殴られたのか、意識はなく動かない状態だった。

「了!匡を動かすな!」
「え!?」

 意識がない=頭への打撲の疑い=脳への衝撃、下手に動かすと更に危険の恐れがある!

「七梨さんこれを!」
マスターの持ってきたバスタオルを匡の頭のしたにゆっくりと挿し込み、上着を破り上半身を出す。

「うぇ!?」
「くっ!」

 了とマスターは声を上げた。どうしたらこれだけ人を攻撃出来るのか…匡の意識は無いうえに呼吸が弱い。

「マスター!時間が惜しいこれから術を使う」

「! …分かりました。では私は救急車を!了君!貴方は2人をお願いします!」

「分かった!」

 よし!やるか!俺は匡の額に手を乗せて集中する。絶対に死なせはせんぞ!匡!! 

「……はっ!」

ごほっ!ごほっ! 

よし!息を吹き返した!で見たが、脳への影響は大丈夫みたいだ。

「匡、大丈夫か!?何があった!?」

 匡は言う、ゆっくりとだかその時の事を語りだす。2時間前に真紀が帰ってきたと。

父親が迎えにきたと…。

また一緒に暮らせると…。

その後直ぐに、家に父親が入ってきて家の中を荒らし始めたと…。

父親を止めようとしたら一緒に入ってきた3人の男達に捕まれ殴られたと…。

「ぬ?真紀?真紀は何処へ行った?」

「さぁ…殴られていたから自分は分からない…です」

「逃げたか、連れ去られたか…」

「七梨さん、子供達が!」

 了がちびっ子を連れてくる。

「お兄ちゃん!」
「お兄ちゃん!」

匡の手を握りながら叫ぶ。

痛いだろうに、痛くて泣き叫びたいだろうに匡は「大丈夫だよ」と…。

「し、七梨さん…」
「なんだ?匡!」

「お、おれ守れなかった…な、何もできなかった…く、悔しいで、す…」

「匡!」

「お、俺、つ、強くなりたいです」

 匡の手を握りながら俺は、「よし!俺が鍛えてやる!」と言う、それがちゃんと聞こえたのかどうか分からないが、匡は目を閉じた。

「「お兄ちゃん!?」」

「大丈夫だ、気を失っただけだ!生きてるから!」

「ほんとう?」
「お兄ちゃん大丈夫?」

「俺が嘘ついたことがあるか?」

「…ない」
「ない…」


 スマホを取り出し、みどりに連絡を入れる。真由子は意識を取り戻したみたいだが…最悪の報告に泣き叫びだしたようだ。

「みどり、薫もそこにいるか?」
「はい、居ます」

俺の周りにはマスターと了がいる。

「みどり!マスター!薫!了!……てめぇら、黙って俺に力を貸せ!!」

「「「「はい!!」」」」

チーム七竜が行動する時が来た。
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