上 下
7 / 15

首都

しおりを挟む
 「まずは、どこに向かうんですか?」
「ん?俺の実家に行こうと思ってる」
「タクトさんのお家ですか?」
「ああ、両親に会いに行く」
「タクトさんのご両親はどちらにいるんですか?」
「確か、王都の方だった気がするが……」
「え?ここからだと結構距離がありますよ?」
「そうだな……。馬に乗っていくか」
「じゃあ、馬車に乗った方が良いんじゃないですか?」
「それもそうだな……。じゃあ、そうするか」
俺とミーアは近くの商隊に声をかけた。
「すみません。少し聞きたいことがあるのですが良いでしょうか?」
「ん?なんだい嬢ちゃん達?」一人の男性が返事をした。
「実は私達の故郷に帰ろうと思っているんです」
「へぇー。そりゃまたどうしてだい?」男性は不思議そうな顔をしていた。
「まぁ、色々あってな」
「そうかい。それで、どこに行けばいいんだい?」
「えっと……、この街にあるんですが……」
「……え?ここの街って、この国の首都だよ?」
「そうなんですか!?」ミーア
「知らなかったのか?ここは首都ベルガだよ」
「はい……」
「まぁ、旅してたら知らなくて当然だけどね。で、あんた達はどこから来たんだい?」
「……西の村からだ」
「そうか。なら、乗せて行ってやるよ」
「いいんですか!?」
「ああ、困った時はお互い様だからな。ほれ、後ろに乗りな」
「ありがとうございます!」ミーアは嬉しそうに荷台へと乗り込んだ。
「……悪いな」
「気にすんなって。さて、出発するぞ!」
「よろしくお願いします」ミーアは頭を下げた。
「じゃあ、出発進行!」
馬車はゆっくりと走り出した。
しばらくすると、街が見えてきた。
「あれが、ベルガの街か……」
「大きいですね……」
「そうだな。ところで、ミーアの村はどれぐらい遠いんだ?」
「う~ん……。歩いて三日くらいですかね」
「……それ、かなり遠いだろ。大丈夫なのか?」
「はい!体力には自信があるので!」
「そうか……。なら、今日中に着きそうだな」
「そうかもしれませんね」
「……それにしても、本当に人が沢山いるな」
「本当ですね……」
俺達が住んでいる村とは大違いだ。
「気にすんなって。さて、出発するぞ!」
「よろしくお願いします」ミーアは頭を下げた。
「じゃあ、出発進行!」
馬車はゆっくりと走り出した。
しばらくすると、街が見えてきた。
「あれが、ベルガの街か……」
「大きいですね……」
「そうだな。ところで、ミーアの村はどれぐらい遠いんだ?」
「う~ん……。歩いて三日くらいですかね」
「……それ、かなり遠いだろ。大丈夫なのか?」
「はい!体力には自信があるので!」
「そうか……。なら、今日中に着きそうだな」
「そうかもしれませんね」
「……それにしても、本当に人が沢山いるな」
「本当ですね……」
俺達が住んでいる村とは大違いだ。
「でも、みんな楽しそうな顔していますよね」
「確かにな……。こんな光景見たことなかったから新鮮かもな」
「ふふっ、タクトさんも楽しんでますか?」
ミーアは笑顔を浮かべていた。
「……どうだろうな」
「素直じゃないですね……」ミーアが微笑みながら言った。
「うるさい……」
「タクトさん、照れてますね!」ミーアはクスッと笑っていた。
それからしばらくして、俺達は街に到着した。
「着いたぜ!ここが、俺の故郷『イリア』だ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

辺境領主になった俺は、極上のスローライフを約束する~無限の現代知識チートで世界を塗り替える~

昼から山猫
ファンタジー
突然、交通事故で命を落とした俺は、気づけば剣と魔法が支配する異世界に転生していた。 前世で培った現代知識(チート)を武器に、しかも見知らぬ領地の弱小貴族として新たな人生をスタートすることに。 ところが、この世界には数々の危機や差別、さらに魔物の脅威が山積みだった。 俺は「もっと楽しく、もっと快適に暮らしたい!」という欲望丸出しのモチベーションで、片っ端から問題を解決していく。 領地改革はもちろん、出会う仲間たちの支援に恋愛にと、あっという間に忙しい毎日。 その中で、気づけば俺はこの世界にとって欠かせない存在になっていく。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! 本編完結しました! 時々おまけを更新しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

処理中です...