上 下
2 / 3

理由

しおりを挟む
それが理由だ。それ以外にある訳無いじゃん。他に何の目的があるっていうんだよ?」……ん~~、ちょっと意味がよくわからないというか……まぁわかるところだけまとめてみよう。……こいつは、
君はさっき、『殺すためにこの世界に来ているのか?って聞いたよね?」……うん。確かにそうだね」……え、なにこれ?まさか質問に答えるまで帰れないとかないよね……?えぇっと……とりあえずわかったところから言っていくか……。……えっとつまり
「俺はおまえを殺す為にこの世界に来たんだよ」……そうそう。それだよ、うん、わかってくれてよかったよ。(?)それで、俺はその、あれですよ……。……うん。まぁね、その……そうそう。つまり……、……こいつのせいで俺は死にました
「えっ!?!?」いやいやまてまってくれよ!!違うだろ!!!……えっとつまり、そういうことじゃなくてだね……。……そうそう、つまり、こいつのおかげで助かったこともあるんだ。(?)そうだよ!!それだよ!! だって……、
「僕はこの世界では、死ぬことが無いんだから」……うん?どういうことだ?だってこいつ、さっき……
――『異世界に行っていたらの話だけど』……って言ったぞ!?え!?それなのに死ぬことがないだと……、どういうことだ? 俺はさらに混乱するが
「だってそうだろ?死んだ人間が転生したんだ。だったら僕もきっとそうだろうし」……なにいってんだ? こいつ……。
「だから、死んでいたとしても、死んでいないことになってるんだよ。ほら僕って『幽霊』だからさ?」
「…………ッ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
はぁああぁああ!?!?!?ちょまっ!!!!おまっ!?!!
『なにをいってるんだよ!!』って思わず叫ぼうと思ったけど……。あー……あれか。そういう事なわけ
「そうだね、そういうことにしてくれていいよ」……へ?
『えっ!?え!?なにがそうなんだよ!??っていうかなに!?どういう意味だ!?え!?えっ?なにっ?なっ!??えっ???』……俺の頭の中はもうすでにグチャグチャで、自分でも何を言っているのか理解できない状態になっている。……でもなんか……なんだ……?今のこいつの言葉で俺の中の何かが……
――スッキリした。……いや、なにしてるんだよ俺は。落ち着け……。まずはこの状況をなんとかしないと……。
「あー……その、えっと……」……よし。少し落ち着いた。そして俺は目の前の少女を見る。さて……。どうするか……。
「……えっと、ごめんなさい。私はあなたの事知らないんですけど……」
『えぇえぇええええええええええ!!?』と叫ぶ少女。『いやだってほんとに知らないんですよ』と俺。
「……え? 嘘でしょ? え?……マジですか?」『まじです』……うわぁあぁぁあぁ……と頭を抱えだす少女。
「なにそれ……。ありえないでしょ……。えぇ……そんなのありえるぅ……?」『いや、実際あったんだからしょうがないでしょ』……というか……
「お前こそなんなんだよ……。いきなり出てきて俺を殺すとか言ってた癖に、今度はなんか急に『自分はこの世界の人間じゃない』みたいなことを言い出すし……。……一体なにがあったんだ?」『いやだから私にもなにが起きたのかよくわからないって……。気づいたらここにいたんだから』……いや、あの……「気がついたらここって……。それじゃあまるで記憶喪失みたいじゃないか」『いや、別にそんなんじゃないんだけど……。ただなんというか……。本当にわからないのよ……。』……わからないって……。じゃあ一体……
「あなたの名前を教えてもらえますか?」……俺は彼女に名前を聞くことにした。なんというか……このまま放置しておくには色々と面倒くさそうだったからだ。それに彼女から聞きたいことが山ほどあるのだ。
――しかし彼女はこう答えただけだった。『わからないの』と。……わからないってなんだよ。ふざけてんのか?……と思ったけど、彼女の表情からは冗談ではなく本気で困っているように見えた。(※ちなみにこの時俺は、彼女が自分と同じ境遇だと思っていた。)
「いや、わからないって言われても……。じゃあ君はいったいなに者なんだよ?……この世界の住人なのか?」『それは違うと思う』
「えっ?……どうしてそう思うんだ……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです

青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。 しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。 婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。 さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。 失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。 目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。 二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。 一方、義妹は仕事でミスばかり。 闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。 挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。 ※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます! ※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?

もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。 王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト 悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

王子の逆鱗に触れ消された女の話~執着王子が見せた異常の片鱗~

犬の下僕
恋愛
美貌の王子様に一目惚れしたとある公爵令嬢が、王子の妃の座を夢見て破滅してしまうお話です。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。

鶯埜 餡
恋愛
 ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。  しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】 僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。 ※他サイトでも投稿中

悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています

平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。 自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。

処理中です...