鋼殻牙龍ドラグリヲ

南蛮蜥蜴

文字の大きさ
上 下
36 / 97

第36話 天使

しおりを挟む
20分くらい経過した後に、ドアをノックする音が聞こえた。

コンコン。
「陸です。仁科先生が呼んでると言われまして。」
「入って。お客様にご挨拶を。」
ガチャ。
「失礼します。」

彼は上下白いツナギの姿で、ゆっくりと部屋に入ってきた。
色の白い肌、色素の薄い茶色い毛先のカールしてる髪、か細い両手足。
まるで、非現実を生きている様な雰囲気。

「先ほどの方々ですね。
改めて、初めまして。
『近藤 陸』です。」
音もなく俺の側に来て、静かに一礼をした。
「フリーライターの梶 塔矢です。
宜しく。
こっちは…。」
「私は鈴…。陸は…色が…醜い色だ。」
鈴が彼を見ながら、また目をグルグルと回し、呟いた。

「あの…?汚れてますか?畑仕事から返って着替えたんですけど。」
陸は両手を見たり、身体を見回した。
「すいません。
少し変わった子なんで気にしないで下さい。」
俺は鈴をフォローした。
鈴はまるで警戒してるかの様に陸をじっと見つめた。

「陸、少しあなたの話しを聞きたいの。
そうね…あなたの好きな事は?
子供の頃から好きだった事で構わないわ。」
そう言いながら、仁科 加奈子は俺に視線を泳がせた。

『加藤 星斗』は幼少の頃から、動物虐待や解剖に異常な興味を示していた。
確か、記事にはそう書いてあった。
彼曰く、心の場所を探していたとその後告白している。

「昆虫採集をしたりしました。
よく、田舎で昆虫採集をしに山に入りました。
丁度、今時分の季節はいいですね。
虫たちが生き生きとしていて。
鼓動まで聴こえてきそうです。
小さくても、その生態は感慨深い。
DNAのデータに忠実に行動し、規律も保たれている。
まさに理想の世界で…。」
まるで自分の話しに陶酔したかの様に目を細めて話し出した。

これが…彼の作り出した過去の記憶…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~

桜月雪兎
ファンタジー
祖父に勘当された叔父の襲撃を受け、カイト・ランドール伯爵令息は幼い弟妹と幾人かの使用人たちを連れて領地の奥にある魔の森の隠れ家に逃げ込んだ。 両親は殺され、屋敷と人の住まう領地を乗っ取られてしまった。 しかし、カイトには前世の記憶が残っており、それを活用して魔の森の開墾をすることにした。 幼い弟妹をしっかりと育て、ランドール伯爵家を取り戻すために。

俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話

猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。 バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。 『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか? ※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です ※カクヨム・小説家になろうでも公開しています

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

辺境伯令嬢に転生しました。

織田智子
ファンタジー
ある世界の管理者(神)を名乗る人(?)の願いを叶えるために転生しました。 アラフィフ?日本人女性が赤ちゃんからやり直し。 書き直したものですが、中身がどんどん変わっていってる状態です。

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。 ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。 仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

十二英雄伝 -魔人機大戦英雄譚、泣かない悪魔と鉄の王-

園島義船(ぷるっと企画)
ファンタジー
【重要」なろうでの掲載を再開しました。今後はなろうで連載再開予定です。たぶんゲーム版も作ると思うので、そちらでやってくださっても大丈夫です! https://ncode.syosetu.com/n2754if/ ※シェイク・エターナルの建国までを描いた「欠番覇王の異世界スレイブサーガ」を連載中です。現在は、気分転換にそちらをメインに更新しています。そのため本編の更新は少し休憩中です(たまにアップしますが) ガネリア動乱後から約一年、悪魔となったゼッカーの下に次々と力が集まっていく。 現在のテクノロジーを遥かに凌駕する賢人の遺産、それを守るメラキ〈知者〉たち。 そして、純然たる力たるバーン〈人を焼く者〉たち。 その新しい悪魔の組織をラーバーン〈世界を燃やす者たち〉と呼ぶ。 ゼッカーを主席とした最強の悪魔の軍勢である。 彼らが最初に向かった先は、常任理事国の一つであり世界一の経済大国であるダマスカス共和国。 そこでは全世界から各国元首が集まる世界連盟会議が行われていた。 同じく常任理事国であり世界最大の軍事国家ルシア帝国、ルシア帝国と肩を並べる強国シェイク・エターナル連合国、世界の信仰を一手に集めるロイゼン神聖王国、世界最先端技術を有する偉大なる箱庭、グレート・ガーデン。 そんな相手にゼッカー・フランツェン率いるラーバーン〈世界を燃やす者たち〉は動き出す。 この日、【世界が分かれた日】と呼ばれるこの日から、世界は激動の歴史を迎える。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 自由を求めて戦った十二人の英雄たちと、浄化のために世界を燃やしたラーバーンとの戦いが第一次魔人機大戦を通じて描かれる、エピソード0の「ハーレム殿下」の正式続編。 愛と宿命の螺旋に翻弄されながらも必死に生きる英雄という名の者たちの物語。 「ぷるっと企画」燃焼系シリーズ。燃焼系ドラマチックロボットファンタジー戦記シリーズ、エピソード①本編。(PCゲーム「ハーレム殿下」の続編) ※シリーズもので細かい世界観が存在していますので、これ以外の情報は別個投稿している「燃焼系データベース」をごらんください。 ※アルファポリス様は、最後の投稿の下に感想が出るので、世界観に浸ってもらうために感想受付を無しにしています。ご意見、ご感想等はブログなどでいただければ嬉しいです。 https://puruttokikaku.muragon.com/

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

処理中です...