165 / 173
後編#4
蔑み
しおりを挟む
愛羽が我に返ると戦国原が脇腹に血をにじませ膝を着いていた。
どうやら戦国原が咄嗟に自分を突き飛ばしてくれ代わりに彼女が当たってしまったらしい。
『…メイちゃん…メイちゃん!!』
『戦国原てめぇ、どういうつもりだ』
(…どういうつもりだ、だって?)
それを聞きたいのは戦国原自身だった。何故今自分が愛羽を助けてしまったのか、自分の体がやったことなのに理解ができなかった。
そんなことより何より撃たれた場所が想像以上に痛くてそれどころではなかった。
よくドラマや映画で、撃たれながらも目的を実行するかっこいい役があったりして、割と即死でないなら意外と人間いけるのかななんて思ってしまいがちだが、あんなのは全くの嘘っぱちだと思いながら自分の死を悟っていた。
『分かったぞ戦国原。てめぇもそのガキらも優子と1枚かんでやがるな?このあたしを裏切りやがったな?』
あまりにも自分勝手な勘違いに呆れて溜め息をつきたかったが戦国原はその苦しそうな表情を変えることすらできない。
『あ?答えろ戦国原?あたしのブツどこにやりやがった。答えたら助けてやるぞ』
鷹爪は3人とある程度距離をとるといつでも撃てるように銃口を3人に向け威嚇し、また戦国原に銃口を向け直した。
『え?どーなんだ戦国原、早く答えろよ。痛ぇんだろ?死にたくねぇだろ?』
こっちを見て愉しそうに笑う鷹爪を見て、戦国原は力を振りしぼって蔑んだ目を向け笑い返した。
『…ふふ…バーカ』
『この野郎!死ねガキィ!』
鷹爪は迷わず引き金を引いた。
バァァン!!
どうやら戦国原が咄嗟に自分を突き飛ばしてくれ代わりに彼女が当たってしまったらしい。
『…メイちゃん…メイちゃん!!』
『戦国原てめぇ、どういうつもりだ』
(…どういうつもりだ、だって?)
それを聞きたいのは戦国原自身だった。何故今自分が愛羽を助けてしまったのか、自分の体がやったことなのに理解ができなかった。
そんなことより何より撃たれた場所が想像以上に痛くてそれどころではなかった。
よくドラマや映画で、撃たれながらも目的を実行するかっこいい役があったりして、割と即死でないなら意外と人間いけるのかななんて思ってしまいがちだが、あんなのは全くの嘘っぱちだと思いながら自分の死を悟っていた。
『分かったぞ戦国原。てめぇもそのガキらも優子と1枚かんでやがるな?このあたしを裏切りやがったな?』
あまりにも自分勝手な勘違いに呆れて溜め息をつきたかったが戦国原はその苦しそうな表情を変えることすらできない。
『あ?答えろ戦国原?あたしのブツどこにやりやがった。答えたら助けてやるぞ』
鷹爪は3人とある程度距離をとるといつでも撃てるように銃口を3人に向け威嚇し、また戦国原に銃口を向け直した。
『え?どーなんだ戦国原、早く答えろよ。痛ぇんだろ?死にたくねぇだろ?』
こっちを見て愉しそうに笑う鷹爪を見て、戦国原は力を振りしぼって蔑んだ目を向け笑い返した。
『…ふふ…バーカ』
『この野郎!死ねガキィ!』
鷹爪は迷わず引き金を引いた。
バァァン!!
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
暴走♡アイドル ~ヨアケノテンシ~
雪ノ瀬瞬
青春
アイドルになりたい高校1年生。暁愛羽が地元神奈川の小田原で友達と暴走族を結成。
神奈川は横浜、相模原、湘南、小田原の4大暴走族が敵対し合い、そんな中たった数人でチームを旗揚げする。
しかし4大暴走族がにらみ合う中、関東最大の超大型チーム、東京連合の魔の手が神奈川に忍びより、愛羽たちは狩りのターゲットにされてしまう。
そして仲間は1人、また1人と潰されていく。
総員1000人の東京連合に対し愛羽たちはどう戦うのか。
どうすれば大切な仲間を守れるのか。
暴走族とは何か。大切なものは何か。
少女たちが悩み、葛藤した答えは何なのか。
それは読んだ人にしか分からない。
前髪パッツンのポニーテールのチビが強い!
そして飛ぶ、跳ぶ、翔ぶ!
暴走アイドルは出てくるキャラがみんなカッコいいので、きっとアイドルたちがあなたの背中も押してくれると思います。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
その花は、夜にこそ咲き、強く香る。
木立 花音
青春
『なんで、アイツの顔見えるんだよ』
相貌失認(そうぼうしつにん)。
女性の顔だけ上手く認識できないという先天性の病を発症している少年、早坂翔(はやさかしょう)。
夏休みが終わった後の八月。彼の前に現れたのは、なぜか顔が見える女の子、水瀬茉莉(みなせまつり)だった。
他の女の子と違うという特異性から、次第に彼女に惹かれていく翔。
中学に進学したのち、クラスアート実行委員として再び一緒になった二人は、夜に芳香を強めるという匂蕃茉莉(においばんまつり)の花が咲き乱れる丘を題材にして作業にはいる。
ところが、クラスアートの完成も間近となったある日、水瀬が不登校に陥ってしまう。
それは、彼女がずっと隠し続けていた、心の傷が開いた瞬間だった。
※第12回ドリーム小説大賞奨励賞受賞作品
※表紙画像は、ミカスケ様のフリーアイコンを使わせて頂きました。
※「交錯する想い」の挿絵として、テン(西湖鳴)様に頂いたファンアートを、「彼女を好きだ、と自覚したあの夜の記憶」の挿絵として、騰成様に頂いたファンアートを使わせて頂きました。ありがとうございました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
暴走♡アイドル2 ~ヨゾラノナミダ~
雪ノ瀬瞬
青春
夏だ!旅行だ!大阪だ!
暁愛羽は神奈川の暴走族「暴走愛努流」の総長。
関東最大級の東京連合と神奈川4大暴走族や仲間たちと激闘を繰り広げた。
夏休みにバイク屋の娘月下綺夜羅と東京連合の総長雪ノ瀬瞬と共に峠に走りに来ていた愛羽は、大阪から1人で関東へ走りに来ていた謎の少女、風矢咲薇と出会う。
愛羽と綺夜羅はそれぞれ仲間たちと大阪に旅行に行くと咲薇をめぐったトラブルに巻きこまれ、関西で連続暴走族襲撃事件を起こす犯人に綺夜羅が斬られてしまう。
その裏には1人の少女の壮絶な人生が関係していた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる