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後編
時間稼ぎ
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『おいコラ!てめぇ、この前はよくも!』
かかってこようとする玲璃に霞ヶ﨑はストップをかけた。
『ま、待ってくれ!今それどころじゃねーんだ!頼む、通してくれ!』
『こっちは人質取られてんだ!ただで通す訳ねーだろ!』
聞くはずのない玲璃に霞ヶ﨑はムッとして言い返した。
『いいか、よく聞けよ!今日のこの戦争はな、囮なんだよ!こんなことしてる間に優子さんがヤベぇんだよ!』
霞ヶ﨑は本当に焦っている。嘘や適当なことを言っている風ではない。
『は?』『え?』『おい。それ、どーゆーことだよ』
麗桜も蘭菜も玲璃も言っていることの意味が見えてこなかった。
『だから、今日のこの戦争はただの時間稼ぎでおれらもお前らもハメられてんだって!優子さんは鷹爪から数億円する覚醒剤預かってたらしいんだけどよ、どうやら誰かがそれを優子さんからパクりやがったみたいなんだ!』
『なんだそれ!誰がそんなこと!』
『知らねーよ。まぁそういうことだからワリ!行かせてもらうぜ!』
霞ヶ﨑はそこまで言うと走っていってしまった。
彼女はこの状況を完全におかしいと判断した八代心愛の命令でCRAZYVENUSの人間にそれを吐かせていた。
そして優子が今夜完全に仕組まれた罠にはめられようとしていることを知り、八代にそれを知らせようと走っていたのだ。
『何が…どーなってんだ?』
玲璃にはまだピンときていない。
『一体、何の為の人質?何故ここでの戦いなの?』
言いながら蘭菜には少しずつ見えてきている。
『億単位の覚醒剤の責任なんて取らされたら終わりよ。間違いなく殺されるわ』
『あぁ。新聞なんて載れへんような闇に葬られるやろな』
暴力団の父親に育てられた天王道姉妹はそれがどういうことなのかよく知っている。
『そんなこと…させてたまるもんか!』
麗桜はそう言うと1人走りだした。
『おい麗桜!…あぁもう!んだよ、どーすんだよ。人質も助けなきゃいけねーのによぉ!』
このめちゃくちゃな大乱闘の喧騒が響きゆく中、予想外の決断を迫られることになってしまった。
かかってこようとする玲璃に霞ヶ﨑はストップをかけた。
『ま、待ってくれ!今それどころじゃねーんだ!頼む、通してくれ!』
『こっちは人質取られてんだ!ただで通す訳ねーだろ!』
聞くはずのない玲璃に霞ヶ﨑はムッとして言い返した。
『いいか、よく聞けよ!今日のこの戦争はな、囮なんだよ!こんなことしてる間に優子さんがヤベぇんだよ!』
霞ヶ﨑は本当に焦っている。嘘や適当なことを言っている風ではない。
『は?』『え?』『おい。それ、どーゆーことだよ』
麗桜も蘭菜も玲璃も言っていることの意味が見えてこなかった。
『だから、今日のこの戦争はただの時間稼ぎでおれらもお前らもハメられてんだって!優子さんは鷹爪から数億円する覚醒剤預かってたらしいんだけどよ、どうやら誰かがそれを優子さんからパクりやがったみたいなんだ!』
『なんだそれ!誰がそんなこと!』
『知らねーよ。まぁそういうことだからワリ!行かせてもらうぜ!』
霞ヶ﨑はそこまで言うと走っていってしまった。
彼女はこの状況を完全におかしいと判断した八代心愛の命令でCRAZYVENUSの人間にそれを吐かせていた。
そして優子が今夜完全に仕組まれた罠にはめられようとしていることを知り、八代にそれを知らせようと走っていたのだ。
『何が…どーなってんだ?』
玲璃にはまだピンときていない。
『一体、何の為の人質?何故ここでの戦いなの?』
言いながら蘭菜には少しずつ見えてきている。
『億単位の覚醒剤の責任なんて取らされたら終わりよ。間違いなく殺されるわ』
『あぁ。新聞なんて載れへんような闇に葬られるやろな』
暴力団の父親に育てられた天王道姉妹はそれがどういうことなのかよく知っている。
『そんなこと…させてたまるもんか!』
麗桜はそう言うと1人走りだした。
『おい麗桜!…あぁもう!んだよ、どーすんだよ。人質も助けなきゃいけねーのによぉ!』
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