上 下
97 / 173
後編

アロンアルファー

しおりを挟む
 愛羽と瞬が戦い始めると突然四阿に風雅が木刀で斬りかかっていった。四阿は難なくそれをかわすとカウンターの拳を叩きこみ返した。

『危ねぇじゃねぇか、この野郎』

『さっきの口ぶりからすると、お前神楽さんの店を襲った内の1人だね?』

『だったらなんだ。チャンバラでもしてーのか?』

『いや、チャンバラで済ますつもりはないよ。お前は僕が少なくとも病院には送ってみせる』

 風雅は目を細めて怒りを露にした。

『おもしれぇ。やってみやがれ!』

 風雅は全身殺気だらけでかかっていった。


 その頃。

『みんなやり方が下手なのよ。ちょっとどいてなさい』

 人質救出班は依然CRSの人間に場所を吐かせることに苦戦していた。
 そんな中、次にそう言って前に出たのは煌だった。
 煌は適当な人間を髪を引っぱり引きずって連れてくるとまず程よくボコボコにした。

『こういうのはね、ただ殴るだけじゃいけないの。とっても痛くてとっても怖い思いをさせてあげないとダメなのよ』

 言いながら煌は女の服をひっぺがし相手の乳首をいきなりおもいきりつねった。

『あ"ぁ"~!!あ"ぁ"っ!!あ"ぁ"っ!!』

 つねられた女はまるでこの世の終わりかのような叫び声をあげた。

『ほらほらぁ。早く言わないともう片っぽもつねるわよ?』

 そう言うと容赦なく反対側の乳首も力一杯つねった。

『あ"ぁ"~!!あ"ぁ"っふ!!あ"ぁ"っふ!!あ"ぁ"っふ~!!』

『ふっふっ。え?痛いの?気持ちいいの?どっちなの?』

 もちろん女は本気で泣いている。

 玲璃たちはまるで愛おしいものを可愛がるようにしてそれを繰り返す煌に対し、すでに言葉にできない恐怖を覚えていた。
 こいつとはやり合わなくてよかった。2人共そんな風に思ったのは初めてだった。

『なかなか言えへんのぉ。おい煌、こうなったらアレや。アロンアルファや』

 またこの人はおかしなことを言い出したぞ。と玲璃たちは顔をひきつらせた。

『そうね。もう少し遊びたかったけど、ごめんなさい。もう本番だわ』

 今からが本番?今のは前座?

『いい?今からこのアロンアルファであなたの「ピー」の穴を丁寧に塞いでいくわよ?あなた彼氏はいるの?でももう2度と男とはできないわね。だってもう「ピー」の「ピー」もアロンアルファで中までガチガチに固めちゃうんですもの。男とできないどころか用もたせないわね。そうするとどうなるのかしら。体のどこかが進化して別の所でするようになるのかしらね』

 そう言うと煌はズボンを強引に下げさせようとした。

『ほら、早く脱ぎなさい』

 相手はもう完全に怯えきっている。すると横から眩が口を挟んだ。

『おい、きぃ。何もそこまでせんでもえぇやないか。もう2度と男とできんのやったらせめて自分の指「ピー」に突っ込んだ状態で固めたれや。いくらなんでも自分で「ピー」も触れんようにしてしもたら「ピー」もできんやないか。せやから2度と抜けへんように指だけ突っこんどいたれや』

『もう!姉さんは甘いのよ!』

 玲璃と麗桜と蘭菜はその壮絶な会話を目を点にしながら聞いていた。

『ホンマ煌は容赦ないねん。なんでやったか忘れたけどな、5、6人ボコボコにしてしばき終わった後、そいつら横一列に並ばせよって手ぇつながせたんや。ほんでその手アロンアルファでガチガチに固めてもーて手ぇ離れへんようにしてしまったんや。1人蹴っ飛ばしたらみんなして転んでまうからおもろがってムカデやゆーて腹抱えとってん。ほんならそいつらアホやから反撃も逃げることもできんのに煌にボソッと文句言うたんが最後。みんな仲良く半殺しや。でも救急車にもそんな一辺に乗れんから普通のワゴン車で迎えに来て運んで、病院着いてからも大変やったらしいで。こいつは最後まで高らかに笑っとった。極悪やろ!?あっはっは!』

 この人たちはきっとどこかがぶっ飛んでいる。そう確信した玲璃たちだった。
 さすがに「ピー」にアロンアルファなんて玲璃でも考えたことすらない。

『姉さん!居場所喋ったわよ!』

 おそらくCRSの女も眩の話を聞いて言おうと決心したのだろう、と3人は思っていた。

 その時その前を霞ヶ﨑燎が通った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

七不思議をつくろう

真山マロウ
青春
理事長の急な要望により、七不思議をつくることになった栞里。 各クラスから選出されたメンバーは、一癖も二癖もあって……。

聖霊流し ――君の声が聞こえたら――

さかなで/夏之ペンギン
青春
ある冬の朝、庭で拾った手紙…。真っ白な封筒に、ただ『さま』と書かれていた。誰に宛てたものか、どこから来たのかもわからない。ただ、手紙はなにかを呼びかけるように、いつまでも少女の手元にあった。それはきっと、違う世界から来た手紙だと、彼女はいつしか思うようになった。自分の世界とはまるで違う未来から…。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

JCでもできる!はじめての悪の首領

虚仮橋陣屋(こけばしじんや)
青春
あたし、真野麻央、中学二年生。死んだおじいちゃんから託されたのは、VRゴーグルと指輪。湧き上がる好奇心から、試しにそれを装着してみたら……! え? これがあたし!? 長年住み慣れた下町に建つ真野家の地下に広がっていたのは、非現実的なVRワールドだった! その中での麻央の役割は「悪の首領アーク・ダイオーン」その人であり、さまざまな容姿・特技を持った怪人たち・構成員を統率するエラーイ人なのだという。 そんなムツカシーこといわれても、中学生の麻央には分からないことだらけでとまどうばかり。それでも麻央は、自分に与えられた役目を果たそうと奮闘するのだった。 JCが悪の首領だってイイじゃない!

湘南ウイルスバスター

れれれにあ
ライト文芸
神奈川県の南に位置する湘南、大磯。 日本初の総理大臣「伊藤博文」の別荘やロングビーチという大きなプールがあることから、夏はとてもにぎわう。 そんな大磯に住む高校2年生の利根川歩夢と向かいに住む幼馴染の大内綾乃はこの町では有名な2人組である。 と、いうのもこの2人は人探しや事件、事故、ネット犯罪など様々な種類の依頼を解決してきた2人組なのである。 そんな彼らは、ウイルス(依頼)をバスター(解決)することから、いつからか「ウイルスバスター」と呼ばれるようになったのである。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

曖昧なカノジョのメテオロロジー

ゆきんこ
青春
 晴人は『ある能力』のせいで友達と踏み込んだコミュニケーションが取れない高校生。  夏休みの最終日にいつもの釣りスポットでおひとりさまを楽しんでいた晴人。  ガツンとくる強い引きは大物の予感! ところが自分の釣り糸が隣の釣り糸に絡まってしまい、心雨と名乗る少女と思わぬ交流をすることに。  17年間友だちナシ彼女ナシのボッチ高校生男子が、突然恋に落ちるのはアリですか?  訳アリな二人のちょっと不思議なボーイ・ミーツ・ガール!  °˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°【それはカフェラテとカフェオレの違いくらいのこと】°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

暴走族のお姫様、総長のお兄ちゃんに溺愛されてます♡

五菜みやみ
ライト文芸
〈あらすじ〉 ワケあり家族の日常譚……! これは暴走族「天翔」の総長を務める嶺川家の長男(17歳)と 妹の長女(4歳)が、仲間たちと過ごす日常を描いた物語──。 不良少年のお兄ちゃんが、浸すら幼女に振り回されながら、癒やし癒やされ、兄妹愛を育む日常系ストーリー。 ※他サイトでも投稿しています。

処理中です...