92 / 173
後編
悪役商会
しおりを挟む
『見えた!いたぞ!CRSだ!』
先頭を走る玲璃が声をあげた。CRSの群れの手前で単車を停め、愛羽たちに悪修羅嬢、天王道姉妹はCRSの方へ歩きだしていった。
歩きながら豹那は愛羽たちに言った。
『いいね?お前たちは作戦通り動くんだ。戦線はあたしたちに任せてね』
続いて豹那は悪修羅嬢全軍に向き直った。
『いいかいお前ら!今日が決着つける日だ!夜叉猫も覇女もあのくそったれ共にやられた!』
伴がやられた後、夜叉猫は全軍で厚央に攻め込み厚央のSEXYMARIAたちとやり合った。
しかし総長を欠いた夜叉猫は返り討ちに合い、逆に相手を勢いづかせる結果となってしまっていた。
白桐優子が圧倒的に強く、とても夜叉猫側に敵う者などおらず、その傍らでもあのアジラナが猛威を振るった。
結局大和や川崎の応援なしで神奈川4大暴走族の一角を叩きのめしてしまったのだ。勢いづくのは目に見えていた。
そしてその後、四阿率いる川崎CRAZYVENUSと特別任務中で八代心愛と霞ヶ﨑燎が不在の大和REDQUEENが覇女の集会に乗りこみをかけた。
おおよそ数では互角だったがこちらも四阿に加えてレディが参戦し圧倒的敗北という形になっていた。
事実上神奈川4大暴走族は今潰されかけているということだ。
『言うなれば奴らは挑戦者ってとこさ。いいのかい?このままやられっぱなしで。あたしは御免だね!この戦いにあたしの暴走族人生を賭けてもいい!』
豹那には今日絶対に負けられない理由がある。
『見せてやろうじゃないか!神奈川の暴走族はあたしたちだってね!』
悪修羅嬢のメンバーたちが強い眼差しでうなずいて豹那は敵の方に振り返り歩きだした。
『CRSを倒す!!あたしに続け!!』
豹那を先頭に悪修羅嬢たちは一斉に走りだしかかっていった。
ついに決戦の火蓋が切って落とされた。
ー作戦はこうだー
『いいかい?その場は国道を埋め尽くして一時は敵味方の区別もつかなくなる程の混戦状態になるはずだ。人質の居場所となれば全員が知ってる訳でもないだろう。ほんの一握りのはずだ。こっちが探っていると知れたら場所を移されるかもしれない。そうなったら明日中に人質を助け出すのはもう無理さ。だからなるべく少人数で確実に動くんだ。まずは誰が知ってそうかをつきとめること。そしてそいつを混乱に乗じて影に連れてって一気にボコボコにして吐かせるんだ。吐くまで徹底的に、そしてその後それが知られないように確実にぶっ潰してやる必要がある。それができそうなのは…姉妹と玲璃、麗桜に蘭菜ってとこかな?』
『え!?豹那さん、あたしは!?』
愛羽はうんうんとうなずきながら結局自分の名前が呼ばれなかったことに落胆した。
『お前は甘っちょろいからダメだよ』
すると横から蓮華も入ってきた。
『豹那さん。あたしも人質助ける方に行きたい』
そう立候補する蓮華だったが豹那は首を縦には振らなかった。
『あのね、これはやりたいかやりたくないかじゃなくて、できる前提の話じゃなきゃいけないんだ。それに人質見張ってる奴だってザコのペーペーって訳じゃないはずさ。仮にも七条たちを見張んなきゃならないんだからね。あんたには荷が重い。そんであんたも拐われてごらん?そしたらもう打つ手はないんだよ』
『でも…』
蓮華は悔しそうな顔をして唇を噛んだ。
作戦通り天王道姉妹に玲璃、麗桜、蘭菜の5人は乱闘の1歩外から人質の居場所を知っていそうな人間を選定していた。
だがそうは言ってもそれは完全な勘でしかない。おそらく200人はいるであろう敵の中から誰を選ぶかは非常に難しい作業になる。
『ちっ、どいつだ?どいつなら知ってんだ?』
『やっぱ、片っ端からいくしかなさそうだな』
玲璃も麗桜も集中して目を凝らすが、人質の居場所を知っているかいないかなんて顔を見ただけで分かる訳もない。
『最悪そうなるやろな。ただそれやったら、あたしに名案があんで』
『名案?なんなの?姉さん』
眩はニヤリと笑って得意気に言った。
『あぁ…なるべく顔か態度のムカつく奴から引っぱり出していく』
『…なるほど』
その時、蘭菜以外の4人の顔があの有名な悪役商会に就職した。
先頭を走る玲璃が声をあげた。CRSの群れの手前で単車を停め、愛羽たちに悪修羅嬢、天王道姉妹はCRSの方へ歩きだしていった。
歩きながら豹那は愛羽たちに言った。
『いいね?お前たちは作戦通り動くんだ。戦線はあたしたちに任せてね』
続いて豹那は悪修羅嬢全軍に向き直った。
『いいかいお前ら!今日が決着つける日だ!夜叉猫も覇女もあのくそったれ共にやられた!』
伴がやられた後、夜叉猫は全軍で厚央に攻め込み厚央のSEXYMARIAたちとやり合った。
しかし総長を欠いた夜叉猫は返り討ちに合い、逆に相手を勢いづかせる結果となってしまっていた。
白桐優子が圧倒的に強く、とても夜叉猫側に敵う者などおらず、その傍らでもあのアジラナが猛威を振るった。
結局大和や川崎の応援なしで神奈川4大暴走族の一角を叩きのめしてしまったのだ。勢いづくのは目に見えていた。
そしてその後、四阿率いる川崎CRAZYVENUSと特別任務中で八代心愛と霞ヶ﨑燎が不在の大和REDQUEENが覇女の集会に乗りこみをかけた。
おおよそ数では互角だったがこちらも四阿に加えてレディが参戦し圧倒的敗北という形になっていた。
事実上神奈川4大暴走族は今潰されかけているということだ。
『言うなれば奴らは挑戦者ってとこさ。いいのかい?このままやられっぱなしで。あたしは御免だね!この戦いにあたしの暴走族人生を賭けてもいい!』
豹那には今日絶対に負けられない理由がある。
『見せてやろうじゃないか!神奈川の暴走族はあたしたちだってね!』
悪修羅嬢のメンバーたちが強い眼差しでうなずいて豹那は敵の方に振り返り歩きだした。
『CRSを倒す!!あたしに続け!!』
豹那を先頭に悪修羅嬢たちは一斉に走りだしかかっていった。
ついに決戦の火蓋が切って落とされた。
ー作戦はこうだー
『いいかい?その場は国道を埋め尽くして一時は敵味方の区別もつかなくなる程の混戦状態になるはずだ。人質の居場所となれば全員が知ってる訳でもないだろう。ほんの一握りのはずだ。こっちが探っていると知れたら場所を移されるかもしれない。そうなったら明日中に人質を助け出すのはもう無理さ。だからなるべく少人数で確実に動くんだ。まずは誰が知ってそうかをつきとめること。そしてそいつを混乱に乗じて影に連れてって一気にボコボコにして吐かせるんだ。吐くまで徹底的に、そしてその後それが知られないように確実にぶっ潰してやる必要がある。それができそうなのは…姉妹と玲璃、麗桜に蘭菜ってとこかな?』
『え!?豹那さん、あたしは!?』
愛羽はうんうんとうなずきながら結局自分の名前が呼ばれなかったことに落胆した。
『お前は甘っちょろいからダメだよ』
すると横から蓮華も入ってきた。
『豹那さん。あたしも人質助ける方に行きたい』
そう立候補する蓮華だったが豹那は首を縦には振らなかった。
『あのね、これはやりたいかやりたくないかじゃなくて、できる前提の話じゃなきゃいけないんだ。それに人質見張ってる奴だってザコのペーペーって訳じゃないはずさ。仮にも七条たちを見張んなきゃならないんだからね。あんたには荷が重い。そんであんたも拐われてごらん?そしたらもう打つ手はないんだよ』
『でも…』
蓮華は悔しそうな顔をして唇を噛んだ。
作戦通り天王道姉妹に玲璃、麗桜、蘭菜の5人は乱闘の1歩外から人質の居場所を知っていそうな人間を選定していた。
だがそうは言ってもそれは完全な勘でしかない。おそらく200人はいるであろう敵の中から誰を選ぶかは非常に難しい作業になる。
『ちっ、どいつだ?どいつなら知ってんだ?』
『やっぱ、片っ端からいくしかなさそうだな』
玲璃も麗桜も集中して目を凝らすが、人質の居場所を知っているかいないかなんて顔を見ただけで分かる訳もない。
『最悪そうなるやろな。ただそれやったら、あたしに名案があんで』
『名案?なんなの?姉さん』
眩はニヤリと笑って得意気に言った。
『あぁ…なるべく顔か態度のムカつく奴から引っぱり出していく』
『…なるほど』
その時、蘭菜以外の4人の顔があの有名な悪役商会に就職した。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
幼馴染をわからせたい ~実は両想いだと気が付かない二人は、今日も相手を告らせるために勝負(誘惑)して空回る~
下城米雪
青春
「よわよわ」「泣いちゃう?」「情けない」「ざーこ」と幼馴染に言われ続けた尾崎太一は、いつか彼女を泣かすという一心で己を鍛えていた。しかし中学生になった日、可愛くなった彼女を見て気持ちが変化する。その後の彼は、自分を認めさせて告白するために勝負を続けるのだった。
一方、彼の幼馴染である穂村芽依は、三歳の時に交わした結婚の約束が生きていると思っていた。しかし友人から「尾崎くんに対して酷過ぎない?」と言われ太一に恨まれていると錯覚する。だが勝負に勝ち続ける限りは彼と一緒に遊べることに気が付いた。そして思った。いつか負けてしまう前に、彼をメロメロにして告らせれば良いのだ。
かくして、実は両想いだと気が付かない二人は、互いの魅力をわからせるための勝負を続けているのだった。
芽衣は少しだけ他人よりも性欲が強いせいで空回りをして、太一は「愛してるゲーム」「脱衣チェス」「乳首当てゲーム」などの意味不明な勝負に惨敗して自信を喪失してしまう。
乳首当てゲームの後、泣きながら廊下を歩いていた太一は、アニメが大好きな先輩、白柳楓と出会った。彼女は太一の話を聞いて「両想い」に気が付き、アドバイスをする。また二人は会話の波長が合うことから、気が付けば毎日会話するようになっていた。
その関係を芽依が知った時、幼馴染の関係が大きく変わり始めるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる