81 / 173
中編
スイーツが食いたいねん
しおりを挟む
『アカツキさーん!アカツキアイハさーん!あれ?アイカやったか?アイナやったか?アカツキさ~ん!あたしや~!天王道や~!覚えてまっか~!?』
小田原駅を1歩出たすぐのロータリーのど真ん中で眩が声を張り上げ愛羽の名前を連呼していた。
『おかしいなぁ~。ホンマ小田原で合っとんのやろか。まさかあたし名前間違うとるか?あっ!さては風矢の奴ガセネタつかませよったんか!?嘘や…あたしが何したっちゅうねん!』
眩の中では名前を呼べばすぐに見つかると思っていたらしく、あまりの手応えのなさに頭を抱えてしまっていた。
煌と冬は恥ずかしすぎるので少し離れた所から様子を見ていた。
煌はそわそわしながら顔を赤らめ冬はクスクスと笑っている。
『お~い煌ぇ!そんなとこで縮こまっとらんとお前も手伝ってくれ!こんなんいつになっても見つからんて。あたし名前間違うとるか?』
煌は更に顔を赤くさせると早足で眩の手をつかみ引っ張ってその場を離れた。
『な、な、なんやねん!今、人探しとんのやで!?』
『姉さん名前は合ってるわ。でも、やたらに名前を呼んで回っても出てこないと思うの。もう少し狙いを絞りましょうよ』
『狙いて、ほなどーすんねん』
『ほら。単車に乗ってる奴とか、それっぽいガキとかに的を絞った方がいいと思うわ。その辺の中年に声かけたって知ってる訳ないんだから』
『せやけど風矢は有名人て言うてたんやで?』
『だからそれはそういう意味じゃ』
どうしてもここを動かせたい煌に眩も埒があかないと思ったのか数秒考えてから思い直した。
『まぁ、お前の言うことも一理あるな。よっしゃ!ほんならとりあえずおいしいスイーツの食べれそうなカフェでも行こか』
『は?…え、えぇそうね』
その後、眩がたらふくスイーツを堪能して下校の時間になってから煌の言う通り学生に狙いを絞って聞きこみを再開すると、予想よりも早く情報を手に入れることができた。
『この先の夜明ヶ丘高校の子だよ。そういえば今日は見なかったような気がするけど』
『ホンマ!?おおきに!いや~助かったわ~』
学生にお礼をして眩たちは夜明ヶ丘高校に向かった。
『アカツキアイハさ~ん!』
眩が校門の前で声をあげていると、そこに招かれざる客が現れた。
小田原駅を1歩出たすぐのロータリーのど真ん中で眩が声を張り上げ愛羽の名前を連呼していた。
『おかしいなぁ~。ホンマ小田原で合っとんのやろか。まさかあたし名前間違うとるか?あっ!さては風矢の奴ガセネタつかませよったんか!?嘘や…あたしが何したっちゅうねん!』
眩の中では名前を呼べばすぐに見つかると思っていたらしく、あまりの手応えのなさに頭を抱えてしまっていた。
煌と冬は恥ずかしすぎるので少し離れた所から様子を見ていた。
煌はそわそわしながら顔を赤らめ冬はクスクスと笑っている。
『お~い煌ぇ!そんなとこで縮こまっとらんとお前も手伝ってくれ!こんなんいつになっても見つからんて。あたし名前間違うとるか?』
煌は更に顔を赤くさせると早足で眩の手をつかみ引っ張ってその場を離れた。
『な、な、なんやねん!今、人探しとんのやで!?』
『姉さん名前は合ってるわ。でも、やたらに名前を呼んで回っても出てこないと思うの。もう少し狙いを絞りましょうよ』
『狙いて、ほなどーすんねん』
『ほら。単車に乗ってる奴とか、それっぽいガキとかに的を絞った方がいいと思うわ。その辺の中年に声かけたって知ってる訳ないんだから』
『せやけど風矢は有名人て言うてたんやで?』
『だからそれはそういう意味じゃ』
どうしてもここを動かせたい煌に眩も埒があかないと思ったのか数秒考えてから思い直した。
『まぁ、お前の言うことも一理あるな。よっしゃ!ほんならとりあえずおいしいスイーツの食べれそうなカフェでも行こか』
『は?…え、えぇそうね』
その後、眩がたらふくスイーツを堪能して下校の時間になってから煌の言う通り学生に狙いを絞って聞きこみを再開すると、予想よりも早く情報を手に入れることができた。
『この先の夜明ヶ丘高校の子だよ。そういえば今日は見なかったような気がするけど』
『ホンマ!?おおきに!いや~助かったわ~』
学生にお礼をして眩たちは夜明ヶ丘高校に向かった。
『アカツキアイハさ~ん!』
眩が校門の前で声をあげていると、そこに招かれざる客が現れた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
彼女は終着駅の向こう側から
シュウ
青春
ぼっちの中学生トヨジ。
彼の唯一の趣味は、ひそかに演劇の台本を書くことだった。
そんなトヨジの前に突如現れた美少女ライト。
ライトをみたトヨジは絶句する。
「ライトはぼくの演劇のキャラクターのはず!」
本来で会うことのないはずの二人の出会いから、物語ははじまる。
一度きりの青春を駆け抜ける二人の話です。
ある日突然妹ができて俺は毎日愛でてます!
カプ
青春
なにもない普通の日常をおくっていた俺にある日、昔からほしかった『妹』が沢山できた。
わんぱく八重歯妹、萌(8歳)
変態ブラコン妹、桜(14歳)
同級生妹、薫(16歳)
そんな妹に俺は毎日こき使われているがかわいい妹のためなら何でもやる!
それが兄貴だ!
今日も妹を愛でまくり
【完結】幼馴染に裏切られたので協力者を得て復讐(イチャイチャ)しています。
猫都299
青春
坂上明には小学校から高校二年になった現在まで密かに片想いしていた人がいる。幼馴染の岸谷聡だ。親友の内巻晴菜とはそんな事も話せるくらい仲がよかった。そう思っていた。
ある日知った聡と晴菜の関係。
これは明が過去に募らせてしまった愚かなる純愛へ一矢報いる為、協力者と裏切り返す復讐(イチャイチャ)の物語である。
※不定期(物凄くゆっくりめ)更新予定。数カ月以上更新ない事もあるかもしれません。
※完結できるのか現段階では未定です。(←2024年8月10日に完結しました! 応援ありがとうございました! 2024.8.10追記)
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
※主人公は常識的によくない事をしようとしていますので気になる方は読まずにブラウザバックをお願い致します。
暴走族のお姫様、総長のお兄ちゃんに溺愛されてます♡
五菜みやみ
ライト文芸
〈あらすじ〉
ワケあり家族の日常譚……!
これは暴走族「天翔」の総長を務める嶺川家の長男(17歳)と
妹の長女(4歳)が、仲間たちと過ごす日常を描いた物語──。
不良少年のお兄ちゃんが、浸すら幼女に振り回されながら、癒やし癒やされ、兄妹愛を育む日常系ストーリー。
※他サイトでも投稿しています。
人生負け組のスローライフ
雪那 由多
青春
バアちゃんが体調を悪くした!
俺は長男だからバアちゃんの面倒みなくては!!
ある日オヤジの叫びと共に突如引越しが決まって隣の家まで車で十分以上、ライフラインはあれどメインは湧水、ぼっとん便所に鍵のない家。
じゃあバアちゃんを頼むなと言って一人単身赴任で東京に帰るオヤジと新しいパート見つけたから実家から通うけど高校受験をすててまで来た俺に高校生なら一人でも大丈夫よね?と言って育児拒否をするオフクロ。
ほぼ病院生活となったバアちゃんが他界してから築百年以上の古民家で一人引きこもる俺の日常。
――――――――――――――――――――――
第12回ドリーム小説大賞 読者賞を頂きました!
皆様の応援ありがとうございます!
――――――――――――――――――――――
コンビニーズ
川上 海羽
青春
高校で出会った仲良し4人組。コンビニーズ。高校3年間の青春はずっとこの4人だった。
大人になってもずっと一緒にいられると思ってた。
大人になるにつれて変わっていく環境、就活、恋愛に苦しみ、それでも私は一人じゃないと思いたい。
21歳専門学生が書くリアルな友情ストーリー。
「グループはいつか別々の道に行くかもしれない。でも一緒に過ごした時間は嘘じゃない。」
さよなら、真夏のメランコリー
河野美姫
青春
傷だらけだった夏に、さよならしよう。
水泳選手として将来を期待されていた牧野美波は、不慮の事故で選手生命を絶たれてしまう。
夢も生きる希望もなくした美波が退部届を出した日に出会ったのは、同じく陸上選手としての選手生命を絶たれた先輩・夏川輝だった。
同じ傷を抱えるふたりは、互いの心の傷を癒すように一緒に過ごすようになって――?
傷だらけの青春と再生の物語。
*アルファポリス*
2023/4/29~2023/5/25
※こちらの作品は、他サイト様でも公開しています。
桜の下でつまずく 不器用な女子高生の転生物語
ログ
青春
『さくら色の転生:不器用な女子高生の成長物語』は、春に転生した女子高生、美咲の冒険と自己発見の物語です。美咲は突然、自分が全く異なる世界に転生したことに気づきます。この新しい世界で、彼女は自然と調和する特別な力を発見し、多くの挑戦に直面します。美咲は、失敗と成功を繰り返しながら自分自身を見つめ直し、真の自己実現を目指します。彼女の旅は、友情、勇気、そして自己受容の重要性を描いています。この物語は、読者に夢と希望を与え、自分自身の可能性を信じる力を教えてくれるでしょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる