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中編
レディー
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『もー、大変だったんすからね!相手将来マフィアになるとか言われてる女っすよ!?中国人とかめっちゃ怖ぇし。あいつの肩書き暗殺部隊隊長っすよ!?ヤバすぎでしょ!もう、またいきなりドタキャンするんすから心愛さん』
霞ヶ﨑燎は龍千歌を袋叩きにし拉致した瞬間のことを八代心愛に愚痴っていた。
本当は八代が行くはずだったのだが…
『尾行るのとかそーゆーの趣味じゃないから』
と自分の右腕の霞ヶ﨑にその作戦を押しつけて自分はバックレたのだ。
『そうか、大変だったのか。でも結局上手くやったんだろう?』
『いや、そりゃなんとかしましたけど。押しつけられたとはいえ任された以上は失敗したら全部責任オレっすからね。ぜってー嫌だし。鷹爪とか何言ってくるか分かんないっすからね』
ここは打ちっぱなしのゴルフ場。八代はよくここに暇潰しに来る。家から近くて時間がとても潰れ本人はとても楽しんでいた。
真っ赤な髪を少し長めの短髪にし赤い学ランを来ていて全身真っ赤だ。
『燎。私が美しいか?』
『そうですねー。全身真っ赤でまるでトマトみたいに美しいですよ』
霞ヶ﨑はもう半ば投げやりに言うが八代は気にしない。
『フフ。私が遊んでいられるのはお前のおかげだな。礼を言うぞ』
八代はそう言うと1球打った。見事なスイングだ。ボールは真っ直ぐ勢いよく飛んでいった。
『それ、本っ当ーに思ってんすか?ちゃんと心から言ってます!?いっつもいっつも文句言われて頭下げてんのはオレっすよ。本当マジたまにはもっとオレを大事にしてほしいっす』
八代はもう1度ボールをセットした。
『まぁそう言うな。連中のやり方も考え方も私にはどうも合わないんだ』
それは分かっている。自分も八代にそんなことさせたくないから自ら引き受けたのだ。
霞ヶ﨑は八代を心の底から慕っている。だから彼女の思うようにやらせてあげたい。
『あーあ。四阿さんはちゃんともう1人の方、仕留めてきたのにな~』
『ほう、あの蛇頭は行ったのか。まぁあいつはそーゆーのが好きだからな』
『噂じゃアジラナさんなんて総長の座を狙ってかなり言わしてるみたいですよ!?あー、いいなぁ~。オレらももっとブイブイ言わしたいっすよ』
『何?あの洋顔そんなこと言ってやがるのか?生意気な』
『…いや、すんません。洋顔じゃなくて、完全「洋」なんですけど』
『あの欧米人には無理さ。あいつにはジャパニーズスピリッツたるものがない上に言葉以上に意思が通じないからな。お前、アジラナのとこに行くか?私は止めないぞ』
『絶っっ対に嫌です』
『じゃあ四阿の所がいいか?』
『もっっっと嫌です』
『やっぱりお前は私が好きか?』
『あー…そーゆーことにしときます』
八代はまた球を打った。打球は先程にも増して勢いよく飛んでいった。
『お~…私もそろそろプロを目指してみるかな』
『…えー、それで次の計画なんですけど』
『何?もう次の任務があるのか?忙しい奴らだな。燎、次も頼んだぞ』
『次は無理ですよ』
『大丈夫だ。お前は私なんかより強い。自信を持て』
『いや、次は絶対無理ですって!』
霞ヶ﨑は何があろうとも今回は八代に行かせるという固い意志を見せた。
『…なんだ?虫でも捕まえろってか?』
『違うわ、このアホ上司!しっかりして下さいよ。あなた女王でしょ?』
『いかにも、私がクイーンだ』
『次の相手はあの嬢王ですよ?』
『嬢王?』
『悪修羅嬢総長、緋薙豹那。通称嬢王豹那。推定現在神奈川最強の人ですよ。一説じゃ人間じゃないなんて噂も…』
『ほう、それは強敵だな。またそうやってババを引かされた訳か。全く、しょうがない連中だな。そんなに私が好きなのか?はっはっは』
『…本当、そーゆーとこ尊敬します』
『それでなんだ?これから本格的に事を構えようというのにいきなり頭をとれというのか?なんだそれは、誰の立案だ?センスのカケラもない』
『考えたのはレディーですよ。それしかいないでしょ』
『やれやれ、あいつか。アジラナや四阿ならともかくレディーじゃ仕方ないな。よし、残念だが動くとするか』
『…前から思ってたんすけど、なんで心愛さんはレディーの言うことは文句言いながらも聞くんすか?』
『なんでって、間違いないからだよ。奴の言うことは100%当たる。まるで未来が見えて分かっていたかのようにな』
『怖ぇ!へぇ…不気味ですね。フォースとか使えんすかね?』
『頭がいいんだろうな。天才の考えることはよく分からん』
『…これも聞きたかったんですけどレディーって誰なんすか?』
『…さぁな、知らんよ』
『え!?さも知ってる風でしたよね!』
『知ってる訳じゃない。チームの中で唯一素顔も名も明かさない女。それがレディーだ。奴が何者かは誰も知らない』
『…でも、心愛さんは会ったことあるんすよね?』
『あぁ。私と優子、アジラナに四阿は会ったな』
『うぉ~!すっげぇメンツ!そんなメンバーで集まって何するんすか?』
『1人1人レディーとタイマンだよ』
『えっ!マジっすか!?なんで!?ヤベェ!でも超見たい!で、どうなったんすか?』
『全員負けた。呆気なかったな』
『心愛さんが!?優子さんもすか!?』
『アジラナや四阿はレディーの存在をよく思ってなかった。だからあえて自分の力を見せつけたんだ。言ってることが正しい上、強かったら文句はないだろ。蛇女も洋顔も圧倒的にやられてたな、驚いてたぞ。あの顔は笑えた』
『すげぇ…どんなバケモンなんすか?』
『お前、とんでもない奴を想像してるかもしれないがレディーは小さくて華奢だぞ。そうだな…それこそ戦国原みたいな体型だな』
『あんな小っちゃいんすか!?』
『バカにするな。本当に強かったぞ』
『まぁ心愛さんがそうやって言うなら間違いはないんでしょうけど、なんでレディーは前に出てこないんすかねぇ。どんな顔してんすか?』
『レディーは常に顔を隠している。私たちもはっきりとは見ていない。分かってるのはレディーの言うことに間違いはないってことだけだ』
『はぁ…どうもパッとしないんすよねぇ。そんなにスゲー人なら顔くらい見せてくれてもいいと思うんだけどなぁ』
『余計なこと詮索してると干されるぞ』
『よーし、もうこの話やめましょう』
『さぁ行くか。これも、優子の為だ』
霞ヶ﨑燎は龍千歌を袋叩きにし拉致した瞬間のことを八代心愛に愚痴っていた。
本当は八代が行くはずだったのだが…
『尾行るのとかそーゆーの趣味じゃないから』
と自分の右腕の霞ヶ﨑にその作戦を押しつけて自分はバックレたのだ。
『そうか、大変だったのか。でも結局上手くやったんだろう?』
『いや、そりゃなんとかしましたけど。押しつけられたとはいえ任された以上は失敗したら全部責任オレっすからね。ぜってー嫌だし。鷹爪とか何言ってくるか分かんないっすからね』
ここは打ちっぱなしのゴルフ場。八代はよくここに暇潰しに来る。家から近くて時間がとても潰れ本人はとても楽しんでいた。
真っ赤な髪を少し長めの短髪にし赤い学ランを来ていて全身真っ赤だ。
『燎。私が美しいか?』
『そうですねー。全身真っ赤でまるでトマトみたいに美しいですよ』
霞ヶ﨑はもう半ば投げやりに言うが八代は気にしない。
『フフ。私が遊んでいられるのはお前のおかげだな。礼を言うぞ』
八代はそう言うと1球打った。見事なスイングだ。ボールは真っ直ぐ勢いよく飛んでいった。
『それ、本っ当ーに思ってんすか?ちゃんと心から言ってます!?いっつもいっつも文句言われて頭下げてんのはオレっすよ。本当マジたまにはもっとオレを大事にしてほしいっす』
八代はもう1度ボールをセットした。
『まぁそう言うな。連中のやり方も考え方も私にはどうも合わないんだ』
それは分かっている。自分も八代にそんなことさせたくないから自ら引き受けたのだ。
霞ヶ﨑は八代を心の底から慕っている。だから彼女の思うようにやらせてあげたい。
『あーあ。四阿さんはちゃんともう1人の方、仕留めてきたのにな~』
『ほう、あの蛇頭は行ったのか。まぁあいつはそーゆーのが好きだからな』
『噂じゃアジラナさんなんて総長の座を狙ってかなり言わしてるみたいですよ!?あー、いいなぁ~。オレらももっとブイブイ言わしたいっすよ』
『何?あの洋顔そんなこと言ってやがるのか?生意気な』
『…いや、すんません。洋顔じゃなくて、完全「洋」なんですけど』
『あの欧米人には無理さ。あいつにはジャパニーズスピリッツたるものがない上に言葉以上に意思が通じないからな。お前、アジラナのとこに行くか?私は止めないぞ』
『絶っっ対に嫌です』
『じゃあ四阿の所がいいか?』
『もっっっと嫌です』
『やっぱりお前は私が好きか?』
『あー…そーゆーことにしときます』
八代はまた球を打った。打球は先程にも増して勢いよく飛んでいった。
『お~…私もそろそろプロを目指してみるかな』
『…えー、それで次の計画なんですけど』
『何?もう次の任務があるのか?忙しい奴らだな。燎、次も頼んだぞ』
『次は無理ですよ』
『大丈夫だ。お前は私なんかより強い。自信を持て』
『いや、次は絶対無理ですって!』
霞ヶ﨑は何があろうとも今回は八代に行かせるという固い意志を見せた。
『…なんだ?虫でも捕まえろってか?』
『違うわ、このアホ上司!しっかりして下さいよ。あなた女王でしょ?』
『いかにも、私がクイーンだ』
『次の相手はあの嬢王ですよ?』
『嬢王?』
『悪修羅嬢総長、緋薙豹那。通称嬢王豹那。推定現在神奈川最強の人ですよ。一説じゃ人間じゃないなんて噂も…』
『ほう、それは強敵だな。またそうやってババを引かされた訳か。全く、しょうがない連中だな。そんなに私が好きなのか?はっはっは』
『…本当、そーゆーとこ尊敬します』
『それでなんだ?これから本格的に事を構えようというのにいきなり頭をとれというのか?なんだそれは、誰の立案だ?センスのカケラもない』
『考えたのはレディーですよ。それしかいないでしょ』
『やれやれ、あいつか。アジラナや四阿ならともかくレディーじゃ仕方ないな。よし、残念だが動くとするか』
『…前から思ってたんすけど、なんで心愛さんはレディーの言うことは文句言いながらも聞くんすか?』
『なんでって、間違いないからだよ。奴の言うことは100%当たる。まるで未来が見えて分かっていたかのようにな』
『怖ぇ!へぇ…不気味ですね。フォースとか使えんすかね?』
『頭がいいんだろうな。天才の考えることはよく分からん』
『…これも聞きたかったんですけどレディーって誰なんすか?』
『…さぁな、知らんよ』
『え!?さも知ってる風でしたよね!』
『知ってる訳じゃない。チームの中で唯一素顔も名も明かさない女。それがレディーだ。奴が何者かは誰も知らない』
『…でも、心愛さんは会ったことあるんすよね?』
『あぁ。私と優子、アジラナに四阿は会ったな』
『うぉ~!すっげぇメンツ!そんなメンバーで集まって何するんすか?』
『1人1人レディーとタイマンだよ』
『えっ!マジっすか!?なんで!?ヤベェ!でも超見たい!で、どうなったんすか?』
『全員負けた。呆気なかったな』
『心愛さんが!?優子さんもすか!?』
『アジラナや四阿はレディーの存在をよく思ってなかった。だからあえて自分の力を見せつけたんだ。言ってることが正しい上、強かったら文句はないだろ。蛇女も洋顔も圧倒的にやられてたな、驚いてたぞ。あの顔は笑えた』
『すげぇ…どんなバケモンなんすか?』
『お前、とんでもない奴を想像してるかもしれないがレディーは小さくて華奢だぞ。そうだな…それこそ戦国原みたいな体型だな』
『あんな小っちゃいんすか!?』
『バカにするな。本当に強かったぞ』
『まぁ心愛さんがそうやって言うなら間違いはないんでしょうけど、なんでレディーは前に出てこないんすかねぇ。どんな顔してんすか?』
『レディーは常に顔を隠している。私たちもはっきりとは見ていない。分かってるのはレディーの言うことに間違いはないってことだけだ』
『はぁ…どうもパッとしないんすよねぇ。そんなにスゲー人なら顔くらい見せてくれてもいいと思うんだけどなぁ』
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